監督:マシュー・ハイネマン
製作総指揮:キャスリン・ビグロー
メキシコでは凶悪な麻薬カルテルによる犯罪により、過去10年で10万人以上もの死者を出したと言われている。ミチョアカン州の町医者ホセ・ミレレスが、麻薬カルテル「テンプル騎士団」に対抗するため、市民に呼びかけて自警団を組織した。国境のアメリカ側のアリゾナ砂漠オルター・バレーでは、米退役軍人ティム・フォーリーらがメキシコの麻薬密輸を阻止するため動き出していた。
『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督が製作総指揮にあたり、新鋭のマシュー・ハイネマン監督が、命がけで麻薬カルテルに立ち向かう人々を取材したドキュメンタリー。麻薬戦争の現場にあって、映画を地で行く映像をつきつけられます。自警団の正義はしだいに力を増していきますが、暴力も過激になり、麻薬組織との癒着が起こり…と悪との境界があいまいになっていきます。麻薬の争奪戦が起こるのはそれを高く買う顧客がいるからです。害があると知って作るもの、一時の快楽におぼれるもの、媒介して甘い汁を吸うもの、それに群がるものの構図が続くかぎりなくなることはないのでしょう。(白)
2015年/メキシコ・アメリカ/カラー/シネスコ/100分
配給:トランスフォーマー
(C)2015 A&E Television Networks, LLC
http://cartelland-movie.com/
★2016年5月7日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国で公開