2016年04月29日

カルテル・ランド(原題:Cartel Land)

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監督:マシュー・ハイネマン
製作総指揮:キャスリン・ビグロー

メキシコでは凶悪な麻薬カルテルによる犯罪により、過去10年で10万人以上もの死者を出したと言われている。ミチョアカン州の町医者ホセ・ミレレスが、麻薬カルテル「テンプル騎士団」に対抗するため、市民に呼びかけて自警団を組織した。国境のアメリカ側のアリゾナ砂漠オルター・バレーでは、米退役軍人ティム・フォーリーらがメキシコの麻薬密輸を阻止するため動き出していた。

『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督が製作総指揮にあたり、新鋭のマシュー・ハイネマン監督が、命がけで麻薬カルテルに立ち向かう人々を取材したドキュメンタリー。麻薬戦争の現場にあって、映画を地で行く映像をつきつけられます。自警団の正義はしだいに力を増していきますが、暴力も過激になり、麻薬組織との癒着が起こり…と悪との境界があいまいになっていきます。麻薬の争奪戦が起こるのはそれを高く買う顧客がいるからです。害があると知って作るもの、一時の快楽におぼれるもの、媒介して甘い汁を吸うもの、それに群がるものの構図が続くかぎりなくなることはないのでしょう。(白)

2015年/メキシコ・アメリカ/カラー/シネスコ/100分
配給:トランスフォーマー
(C)2015 A&E Television Networks, LLC
http://cartelland-movie.com/
★2016年5月7日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国で公開
posted by shiraishi at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 中米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テラフォーマーズ

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監督:三池崇史
原作:貴家悠(作)、橘賢一(画)
脚本:中島かずき
撮影:山本英夫
特殊メイク:松井祐一
美術:林田裕至
編集:山下健治
音楽:遠藤浩二
出演:伊藤英明(小町小吉)、武井咲(秋田奈々緒)、山下智久(武藤仁)、山田孝之(蛭間一郎)、小栗旬(本多晃)、ケイン・コスギ(ゴッド・リー)、菊地凛子(森木明日香)、加藤雅也(堂島啓介)、小池栄子(大張美奈)、篠田麻里子(大迫空衣)、滝藤賢一(手塚俊治)、太田莉菜(連城マリア)、福島リラ(榊原)

21世紀、地球は人口爆発により新たな居住地を開拓するために火星を地球化(テラフォーミングする計画を立ち上げた。それから500年、コケと共に送られたある生物が異常進化し増殖してしまっているのがわかった。その駆除のための人員を火星に送ることになり、15人の日本人が乗組員として選ばれた。到着した彼らは凶暴化した生物テラフォーマーに襲われる。初めて真実を目にし驚愕した彼らは、目的遂行のため自分たちの身体に改造手術が施されていたことを知る。

大ヒットコミックの実写化。テレビアニメ化もされていますが、これを実写映画に!とまず驚きました。火星を舞台にした『オデッセイ』(2015)もついこの前見たばかり。あんなに荒涼としたところに命あるものが送られ、根付くだけでなく進化しているという設定です。けれど苦手な人の多い「G」ですからね。それの進化版なんてダメ!という人も出そうです。
それに立ち向かうのが、主役をはれる方々揃いの豪華俳優陣です。改造手術のおかげで変身してパワーアップするので、その姿をお楽しみに。改造されていても戦闘経験がないのに無理でしょ!という突っ込みはなしで。惜しむらくは出演者が多いもので一人あたりのバトル時間が短いこと。まだまだ続く長い物語を三池監督がどう料理するのか興味しんしんです。(白)


2016年/日本/カラー/シネスコ/108分
配給:ワーナー
(C)貴家悠・橘賢一/集英社 (C)2016 映画「テラフォーマーズ」製作委員会
http://wwws.warnerbros.co.jp/terraformars/
★2016年4月29日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アタック・ナンバーハーフ・デラックス(原題:Satri lek tob lok taek)

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監督・脚本:ポット・パセート
出演:ラッタプーン・トーコンサップ(ムイ)、ウォラチャイ・シリコンスワン(ジュン)、スダーラット・ブットプロム(ビー監督)、パランユー・ロジャナワティタム(カントーク)、パドゥン・ソンセーン(ノイナー)

タイのバレーボール界のトップを狙うビー監督はかつての教え子たちに声をかける。体育教師でバレーのコーチをしていたムイをはじめ、大喜びで集まったのはちょっと年を重ねてお肌が気になるオネエ軍団。なまった身体を鍛えなおし、連日特訓。練習試合の相手にときめいたり、家族に理解されない悲しみがあったりするけれど、今日も元気で美しく!

オカマのバレーボール選手たちが国体を目指すという実話を元にした『アタック・ナンバーハーフ』 (2000)、『アタック・ナンバーハーフ2 全員集合!』(2002)が大ヒットしたのを覚えていますか?こちらはその心を継いでパワーアップした第3弾。イケてるオネエたちがたくさんいるのと、メイクのせいで最初はみな同じに見えてしまいますので、ぜひこのキャスト表で予習を。
もとがイケメンな上にばっちりメイクでその女子力の高さに驚きます。一人ひとりのキャラも濃いのなんの!!バレーボールの試合のシーンはビシバシ!という音が響き渡り、その迫力に目が丸くなること必至。
家族にカミングアウトできない大学生のトムの悩みも優しく描いています。ブーイングの嵐にも相次ぐトラブルにも負けない、美しきオトメたちの汗と涙の試合を応援してくださいませ。(白)

2015年/タイ/カラー/シネスコ/111分
配給:アクセスエー、シネマハイブリッドジャパン
(C)2015 Phranakorn Film
http://attackdx.com/
★2016年4月30日(土)、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか
posted by shiraishi at 15:49| Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スキャナー 記憶のカケラをよむ男

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監督:金子修介
脚本:古沢良太
撮影:釘宮慎治
音楽:池頼広
出演:野村萬斎(仙石和彦)、宮迫博之(丸山竜司)、安田章大(佐々部悟)、杉咲花(秋山亜美)、木村文乃(沢村雪絵)

毒舌が売りの芸人丸山竜司の事務所を女子高生の秋山亜美が訪ねてくる。「マイティーズに人探しを頼みたい」という依頼だった。“マイティーズ”は丸山竜司と仙石和彦の漫才コンビの名前。仙石は「残留思念」と呼ばれる場所やものに残る人の思いを読み取る能力を持っていた。その能力をネタに活躍していたこともあったが、そのために仙石は傷つきすっかり人間嫌いになって芸人を引退、今はマンションの管理人としてひっそりと暮らしている。事務所の社長はマイティーズ復活をもくろみ、丸山は亜美を連れて仙石を訪ねることになった。亜美は失踪したピアノ教師の沢村雪絵を探していた。外に出るのを渋る仙石だったが、亜美の懇願に雪絵の捜索を開始する。

始まりの人探しが次第にほかの事件と結びつき、仙石が活躍せざるを得ない状況になっていきます。これまで『陰陽師』(2001年)『のぼうの城』(2012年)などで印象的な役を演じてきた狂言師の野村萬斎さんが現代劇に初出演。超能力者で人間嫌いの引きこもりというやはり個性的な役どころ。これまでになかった軽妙な面を見せています。相方の丸山にお笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之さん。本物の芸人の宮迫さんとの長い漫才場面もあったそうですが、完成した本編にはカットされていて、DVDの特典映像にと要望中だそうです。
特殊能力ゆえに人間不信となった仙石を導くのが「残留思念」の中に浮かび上がる雪絵。清潔感漂う木村文乃さんと亜美役の杉咲花さんの師弟愛、失踪事件の秘密を解き明かすにしたがって、仙石が変化していくのも見どころです。
2013年の韓国映画『サイコメトリー 残留思念』はもっとおどろおどろしい雰囲気でしたが、こちらの“マイティーズ”捜査は怖くありません。(白)


2016年/日本/カラー/シネスコ/109分
(C)2016「スキャナー」製作委員会
配給:東映
http://www.scanner-movie.jp/
★2016年4月29日(金)ロードショー
posted by shiraishi at 14:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月28日

台湾巨匠傑作選2016

2014年夏に開催され、好評を博した「台湾巨匠傑作選」第2弾。
厳選されたラインナップで、台湾ニューシネマの歴史を見渡すことができます。


期日:2016/4/30(土)〜6/10(金)
会場:新宿 K’s cinemaほか全国順次公開

http://taiwan-kyosho2016.com/

上映作品

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◆『台湾新(ニュー)電影(シネマ)時代』監督:シエ・チンリン 2014年/109分
台湾ニューシネマ誕生30周年記念に製作された。世界の映画人、芸術家など50人以上が台湾ニューウェーブの作品について語る最新ドキュメンタリー。日本からは俳優の浅野忠信、黒沢清監督、是枝裕和監督、評論家の佐藤忠男さんが登場。

◆ホウ・シャオシェン監督作品
『坊やの人形』1983年/ 108分
『風櫃の少年』1984年/ 101分
『童年往事 時の流れ』1985年/ 138分
『悲情城市』1989年/ 159分
『憂鬱な楽園』1996年/ 112分
『珈琲時光』2004年/ 103分/日本
『黒衣の刺客』2015年/ 108分/台湾・中国・香港・フランス

◆エドワード・ヤン監督作品
『光陰的故事』1982年/ 109分
『恐怖分子』1986年/ 109分/台湾・香港
『ヤンヤン 夏の想い出』2000年/ 173分/台湾・日本

◆ツァイ・ミンリャン監督作品
『青春神話』1992年/ 106分
『愛情萬歳』1994年/ 117分
『河』1997年/ 115分
『郊遊ピクニック』2013年/ 138分

◆台湾映画秀作集
『推手』アン・リー 1991年/ 105分/台湾・米
『ウェディング・バンケット』監督:アン・リー 1993年/ 108分/台湾・米
『恋人たちの食卓』監督:アン・リー 1994年/ 124分/台湾
『海角七号/ 君想う、国境の南』監督:ウェイ・ダーション 2008年/ 130分
『セデック・バレ<第一部・太陽旗 第二部・虹の橋>』監督:ウェイ・ダーション
2011年/第一部144分、第二部132分
『セデック・バレの真実』監督:タン・シャンジュー 2013年/154分
『KANO 1931海の向こうの甲子園』監督:マー・ジーシアン 2014年/185分

◆特別上映
『映画が時代を写す時 ― 侯孝賢とエドワード・ヤン』監督:是枝裕和
 1993年/47分/日本
 ◎5/5(木) 18:45の回 上映後 映画評論家の佐藤忠男さんトークショー決定!
配給:オリオフィルムズ
posted by shiraishi at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする