2016年02月12日

キャロル(原題:Carol)

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監督:トッド・ヘインズ
原作:パトリシア・ハイスミス
脚本:フィリス・ナジー
撮影:エド・ラックマン
衣装:サンディ・パウエル
音楽:カーター・バーウェル
出演:ケイト・ブランシェット(キャロル・エアード)、ルーニー・マーラ(テレーズ・ベリベット)、サラ・ポールソン(アビー・ゲーハード)、ジェイク・レイシー(リチャード・セムコ)、カイル・チャンドラー(ハージ・エアード)

1950年代のニューヨーク。老舗デパートで働くテレーズは、おもちゃ売り場に入ってきた婦人客に目が釘付けになる。波打つブロンド、白い肌に赤い唇、毛皮をまとって一人だけ輝いて見えた。テレーズの視線を受け止めてまっすぐ向かってきた彼女は、娘へのクリスマスプレゼントの相談をし、テレーズが薦めた商品を注文していった。キャロル・エアードという名前を記憶に刻むテレーズ。
恋人リチャードとの結婚に踏み切れないでいるテレーズは、キャロルの面影が頭から離れない。忘れ物を届けたことから、テレーズはキャロルに食事に誘われ、自宅も訪ねるようになった。何不自由ない奥様だと想像していたキャロルが、愛のない結婚生活を切り上げ、娘の親権を得るために苦慮しているのを知る。

ゴージャスでエレガント、妖艶さと気品を併せ持つケイト・ブランシェットは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでエルフの女王ガラドリエルでした。なんとも神々しかったですね。この作品でもデパートのお客の中で際立って美しく、テレーズならずとも釘付けになります。
ルーニー・マーラ演じるテレーズは『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベット役と全く違う、幼い感じさえする若い娘です。魅力的なキャロルに出会って、どんどんと引き込まれていく姿に、男女の別なく恋する気持ちが出ていて見入ってしまいました。カメラが趣味のテレーズが撮影したキャロルのポートレートがとてもいい!衣装もカメラワークも素敵な美しい映画でした。第68回カンヌ国際映画祭ではルーニー・マーラが主演女優賞を受賞。アカデミー賞でも主演・助演ともにノミネートされています。(白)


2015年/アメリカ/カラー/ビスタ/118分
配給:ファントム・フィルム
(C)NUMBER 9 FILMS (CAROL) LIMITED / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2014 ALL RIGHTS RESERVED
http://carol-movie.com/
★2016年2月11日(木)全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

火の山のマリア   原題:IXCANUL (VOLCANO)

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監督・脚本:ハイロ・ブスタマンテ
出演:マリア・メルセデス・コロイ、マリア・テロン、マヌエル・アントゥン

グアテマラの高地、火山のふもと。17歳になるマヤ人のマリアは、農業を営む両親と暮らしている。借地での農業は農作物が収穫できなければ追い出されてしまう。両親はマリアを地主でコーヒー農園の主任であるイグナシオに嫁がせようとする。しかしマリアは、コーヒー農園で働く青年ぺぺに恋していて、アメリカに行くというぺぺに一緒に連れていって欲しいとせがむ。味見させてくれればと言われ処女を捧げるが、ぺぺは一人で行ってしまう。やがて身篭ったことを知るマリア。一方、農場では蛇の被害に悩まされていた。妊婦には蛇を追い出す力があるという迷信を信じて儀式を行うが・・・

古代マヤ文明が栄えたグアテマラ。昔ながらの習慣や伝統を守るマヤの人たちの暮らしが垣間見える。マリアの両親はスペイン語がわからず、地主のイグナシオは自分に都合のいいように通訳をします。さて、マリアの身篭った子はどうなるか・・・ 
原題は『火山』。監督はマリアの人物像を火山と同義語になることを目指したそうです。低い位置に置かれながら、自己を爆発させようとするマリア。神々しい雰囲気も感じさせてくれる映画。(咲)


第65回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(アルフレッド・バウワー賞)
2015年PKO OFF CAMERA映画祭 クラクフ映画賞
2015年ART FILM FEST 最優秀作品賞、最優秀女優賞(マリア・テロン)
2015年カルタヘナ国際映画祭 作品賞

2015年/グアテマラ・フランス/スコープサイズ/93分/カラー/1:1.85/5.1chデジタル/DCP/スペイン語・カクチケル語
字幕翻訳:八杉 佳穂/日本語字幕:西村美須寿
提供 ギャガ,新日本映画社/配給・宣伝 エスパース・サロウ
c Celine Croze
公式サイト:http://hinoyama.espace-sarou.com/
★2016年2月13日(土)、岩波ホールほか全国順次公開
posted by sakiko at 10:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 中米 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE in 台湾

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出演:太川陽介、蛭子能収、三船美佳
ナレーター:キートン山田
主題歌:「人生という旅」由紀さおり(ユニバーサル ミュージック)
構成:釜澤安季子、音楽監督:遠藤浩二、演出:鹿島健城、

テレビ東京の人気番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」が映画に! 
しかも、日本を飛び出して台湾へ!
テレビでお馴染みの太川陽介&蛭子能収のコンビに、マドンナとして三船美佳を迎えての旅。
台北駅を出発して、最南端のガランピ灯台を目指す3泊4日。
ルールはテレビと同じ。
ローカル路線バスだけを利用。高速バスは駄目。
鉄道、船、航空機、タクシーもちろん、ヒッチハイク、自転車も利用禁止。
インターネットで情報収集も禁止。
折りしも、台風が接近中。
さ〜て、3人は4日目に目的地にたどり着けるのか?

冒頭、太川陽介さんと蛭子能収さん、
「1800円払って観てくれるのかな」
「1800円払ってもらうなら、涙あり、笑いありで面白くしなくちゃね」と、映画への意気込みを語ります。
一路、南をめざして路線バスの旅。
バス停を尋ねながらの旅は、台湾の人たちとの交流の旅。
こんな旅でなければ、訪ねることもない町の数々・・・
3人と一緒にしっかりバス旅を楽しみました♪ (咲)

自転車で台湾を1周する台湾映画『練習曲』(2007)を観て、いつか台湾を1周してみたいと思っていた私ですが、なかなか行く機会を作れないまま半ば諦め気味の私に、この作品は勇気を与えてくれました。言葉が通じなくても、宿を予約していなくても行ける!これは励みになりました。しかも、台湾を紹介する旅番組では行かないような町も出てきて、こんなところに行ってみたいと思いました。この映画では台湾1周ではなく北から南へ行く旅でしたが、この映画の影響で台湾を1周したいという日本人が増えるかも…。(暁)


2015年/日本/カラー/119分/16:9/5.1chサラウンド
制作:テレビ東京 
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://rosenbus-movie.com/
★2016年2月13日(土)新宿ピカデリー他全国公開
posted by sakiko at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

鉄の子

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監督:福山功起
出演:田畑智子、佐藤大志、舞優、「 ジョンミョン、スギちゃん ほか

鋳物工だった父親を亡くした小学生の陸太郎(佐藤大志)は、母やよい(田畑智子)と二人暮らし。クラブで働くやよいは、馴染み客でシングルファーザーの紺(「ジョンミョン)と再婚する。義理の父の娘の真理子(舞優)は同じ年で、陸太郎と同じクラスに転校してくる。親の再婚で「キョウダイ」になった陸太郎と真理子は、クラスの悪ガキらから「夫婦、夫婦」とからかわれ面白くない。二人は「リコンドウメイ」を結成して、あの手この手で両親を離婚させようと企む・・・・

昨年7月、第12回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭のオープニングに上映された地元川口を舞台にした作品。映画祭の一つの目的は、若手映像クリエイターの発掘・育成支援。それを初めて形にした作品で、映画祭実行委員会が主体となって製作。監督は過去本映画祭ノミネート経験もある期待の新鋭、福山功起監督。

オープニング上映の折の舞台挨拶で、監督が「自分の経験を元にした作品で、佐藤大志くんが自分の若い時」と語ると、スギちゃんが、すかさず「そんなに可愛くなかっただろう!」と突っ込み、場が湧きました。
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スタッフ日記:第12回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 オープニング 地元川口が舞台の『鉄の子』に会場が沸く (咲)

川口はキューポラのある町。スギちゃんは鋳物工場で働く役柄。鋳物工だった陸太郎の亡き父の同僚で、陸太郎の良き相談相手。
さて、子どもたちの離婚大作戦の行方は・・・  (咲)


2015年/日本/カラー/1時間14分
製作:埼玉県 / SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ
配給:KADOKAWA
公式サイト:www.tetsunoko.jp
★2016年2月13日(土) 角川シネマ新宿、MOVIX川口ほか全国順次公開
posted by sakiko at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月07日

不屈の男 アンブロークン 原題:UNBROKEN

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c 2014 UNIVERSAL STUDIOS

2016年2月6日(土)より シアター・イメージフォーラム他、全国順次ロードショー!

監督:アンジェリーナ・ジョリー
原作:ローラ・ヒレンブランド(『シービスケット』)
脚本:ジョエル&イーサン・コーエン、リチャード・ラグラヴェネーズ、ウィリアム・ニコルソン
撮影:ロジャー・ディーキンス (『ショーシャンクの空に』『007スカイフォール』) 
音楽:アレクサンドル・デスプラ(『アルゴ』『グランド・ブダペスト・ホテル』)
出演:ジャック・オコンネル(『ベルファスト71』)、ドーナル・グリーソン(『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』)、MIYAVI、ギャレット・ヘドランド(『PAN〜ネバーランド、夢のはじまり〜』)、フィン・ウィットロック(『ノア 約束の舟』)

1936年、ベルリン・オリンピックの5000m競技で驚異的なタイムを出したルイ・ザンペリーニ(アメリカ)は、第二次世界大戦で空軍の爆撃手となったが、日本軍の捕虜となった。
実話を元に、彼の苦境を生き抜く姿を描いた作品。
イタリア系移民の子だったルイは、子供の頃、手の付けられない不良だったが、兄の励ましで反抗的な力を走りに向けると才能が開花。次々に記録を更新し、ベルリンオリンピックに出場し一躍英雄になった。
第二次世界大戦がはじまると、ルイは空軍爆撃手になったが、1943年、彼を乗せた爆撃機が日本軍の攻撃によってエンジントラブルを起こし海に墜落。生き残った3名は救命ボートに乗り込むことができたが、太平洋上を漂流。飢えや水不足、サメや嵐に襲われ、日本軍の爆撃機に機銃掃射されるなど、過酷な47日間の漂流生活の後、マーシャル諸島に流れ着いた。しかし日本海軍に捕らえられ、東京の大森捕虜収容所に送られてしまう。
収容所でルイは、ワタナベ伍長による執拗な虐待を受けるが耐え抜き、終戦によって遂に解放された。一人の男に降りかかった戦争中の苦難を、不屈の精神で生き抜く様を力強く描いている。
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c 2014 UNIVERSAL STUDIOS

この映画はネット上で「反日」とか言われていたらしいが決してそんなことはない。苦境の中でも諦めずに耐え抜いたルイの精神力と寛大な心を描いていた。長野オリンピックの時に来日した彼の「復讐することよりも許すことを学んだ」という言葉がそれを物語る。
ワタナベ伍長が、ルイひとりに執拗な虐待をするシーンに多少の違和感はあり、『戦場のメリークリスマス』を思い出しもした。そのあたりのシーンに「勘違い日本」も感じたけれど、捕虜収容所での虐待はあったと思うし、それを描いたからといって反日とは思わなかった。
新聞に「上映反対を求める1万人以上の署名が集まった」という記事が載っていてびっくり。ネットを通でない私は全然知らなかった。作品も観ずに「反日」と決め付け、人を煽るようなことはすべきでない。むしろ、実際の作品も観ずに、そういう反対運動が起こるということにネット社会の恐ろしさ危機感を感じた。(暁)

『不屈の男 アンブロークン』
公式HP http://unbroken-movie.com/
2014年/アメリカ/カラー/137分
posted by akemi at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする