監督:井上剛 脚本:一色伸幸 音楽:大友良英 Sachiko M
出演:石井杏奈、渡辺大知、木下百花、柾木玲、前田航基 他
東日本大震災の影響でバラバラになった同級生たちが4年ぶりに再会、
福島の立ち入り制限区域内の母校に埋めたタイムカプセルを掘り起こしに行く
ロードムービー。ヒロイン・朝海を、話題作に相次いで出演している
石井杏奈(E-girls)、旅をする仲間に渡辺大知(黒猫チェルシー)、木下百花(NMB48)
柾木玲弥、前田航基などフレッシュな役者が勢揃い。
監督は『その街のこども 劇場版』や『あまちゃん』で被災地に生きる
人々を見つめてきた井上剛。脚本はNHK特集ドラマ『ラジオ』が
文化庁芸術祭大賞を受賞した一色伸幸、音楽は『あまちゃん』でも
井上監督とタッグを組んだ大友良英、Sachiko Mが担当。
2015年3月にNHKにて全国放送された特集ドラマ
『LIVE!LOVE!SING!生きて愛して歌うこと』に26分を追加し、兵庫、福島の
県域において限定的に放映された全長版。全国放送時にはカットされた
未公開シーンを含む再編集バージョン。去年の山形国際ドキュメンタリー映画祭
でも上映された。フクシマの光景と大友良英さんの音楽が輝きながらも痛々しい・・
フクシマが、こんな状況の日本において4年後には本当に東京オリンピックが開催
されるのだろうか・・ (千)
人生には時として震災のような重いつらい出来事が起こる。
絶望しか見えないような時、人間はどうしたらいいのか。
人は自分の視点でしかものを見ることができない。
「自分がこう思うからほかの人もこう思うだろう」という態度は大きな間違いだ。
東日本大震災を経験した朝海に神戸復興を願う歌「しあわせ運べるように」を
歌わせることは「暴力」だと、岡里はそう思い至った。しかしそれでも、
この映画の最後には高らかに美しく「しあわせ運べるように」が歌われる。
なぜか世界はこうなっていて、いきなり放り出されたようにわたしたちは
感じている。家族をすべて失いたった一人になって、その記憶を留める写真さえ
失ってしまうことがどういうことなのか…
なぜかわからないがこんなことが起きて、わたしたちはこれから
どうなるかもわからない。この世界でただ希望を語り、ただ希望を歌うことが
なぜできなかったのだろう?生きて愛して歌うこと。それだけしかできないし、
それができれば充分だと思う。良い映画だと思った。
絶望の底から音楽の力や映画の力が立ち上がってきたようだ。 (せ)
配給:トランスフォーマー 2015/日本/100分 (C)2015 NHK
公式サイト
★2016年1月16日よりフォーラム福島他にて先行公開
23(土曜日)より渋谷イメージフォーラムほか全国順次ロードショー