2016年01月10日

神なるオオカミ  原題:狼図騰  英題:WOLF TOTEM

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製作・監督・脚本:ジャン=ジャック・アノー (『セブン・イヤーズ・イン・チベット』『愛人 ラマン』)
出演:ウィリアム・フォン 、ショーン・ドウ、バーサンジャブ、アンヒニヤミ・ラグチャア

1967年、中国。文化大革命の下放政策で北京の知識青年チェン・ジン(ウィリアム・フォン)は、内モンゴルに赴く。伝統を重んじる族長ピリグのもとで放牧に明け暮れる日々。半年ほど経った頃、チェンはオオカミの縄張りに足を踏み入れ、凶暴なオオカミの群れに取り囲まれてしまう。死の恐怖を味わうが、一方でオオカミたちの統率の取れた威厳に満ちた姿に魅了される。やがてチェンは政府機関よりオオカミが害獣だとして駆除することを命じられる。チェンは見つけた赤ん坊の1匹を連れ帰り、「小狼(シャオラン)」と名付けて密かに育て始める・・・

内モンゴルの雄大な自然の中で繰り広げられる物語。原作は、著者ジャン・ロンが実体験をもとに30年かけて書き上げた小説「狼図騰(神なるオオカミ)」。中国のみならず世界110ヵ国で翻訳出版されたベストセラー。
都会育ちのチェンにとって過酷な環境での肉体労働を強いられた暮らしは大変だったはずなのに、下放された知識青年の苦悩がほとんど感じられなかった。そのことに観た直後、ちょっと物足りなさを感じたのだが、思えば、過去に観た映画の中の下放の描かれ方に捉われているのだと気がついた。もしかしたら、こんな風に下放された先で地元の民の知恵に感化された青年もいるのかもしれない。本作からは、遊牧の民が培ってきた大自然や動物たちと共存する術も垣間見ることができて、人は自然に逆らってはいけないことを強く感じた。
監督は、本作のロケに入る前に、まずオオカミを撮影に慣らすために2年かけたという。オオカミたちの飛ぶ姿は、息を飲む美しさ。神がかったようにも感じる風格だった。(咲)


文革で下放された青年の物語。冒頭、青年は都会から大自然の暮らしへの変化に
むしろ喜んでいる様子だった… 文革とは苦しいだけではなく、一部のひと達にとっては
嬉しかったのかもしれないと私の認識を新たにした…。そしてオオカミの演技?!が
素晴らしい!! この演技を観るだけでも一見の価値アリ。あんなに賢いオオカミが人間の
せいで滅んでしまったのでしょうか、信じたくないです、、 (千)



配給:ツイン
2015/中国・フランス/中国語・モンゴル語/121分
公式サイト:http://aoyama-theater.jp/feature/mitaiken2016
★2016 年1月 ヒューマントラストシネマ渋谷およびシネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」で上映後、全国公開  ※初回上映:1月12日(火)
posted by sakiko at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シーズンズ 2万年の地球旅行(原題:Les Saisons)

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監督:ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ
日本語版ナレーション:笑福亭鶴瓶、木村文乃

2001年『WATARIDORI』、2009年『オーシャンズ』と素晴らしい映像を送り出してきたジャック・ペラン監督がひさしぶりに製作・監督したネイチャードキュメンタリー。氷河期が終わり、新たな命が満ち始めた2万年前地球はこんなふうだった!? 地を走る大小の獣たち、空飛ぶ鳥たちがスクリーンいっぱいに躍動します。
『WATARIDORI』(03年公開)を観たのは確か新宿のテアトルタイムズスクエア(09年に閉館)の大きなスクリーンでした。まるで鳥と一緒に空を飛んでいるような映像に感激したものです。今回の作品にもそんなシーンがたくさん。機器がさらに発達しているので臨場感たっぷりです。期間限定(1月15日〜4月8日)で、保護者同伴の小学生以下のお子様は500円!ぜひお子様にも見せてあげてください。(白)


2015年/フランス/カラー/シネスコ/97分
配給:ギャガ
(C)2015 Galatee Films - Pathe Production - France 2 CinEma - Pandora Film - Invest Image 3 - Rhone-Alpes Cinema - Winds - Pierre et Vacances
ttp://gaga.ne.jp/seasons/
★2016年1月15日(金)TOHOシネマズ 日劇他 全国拡大ロードショー
posted by shiraishi at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

パディントン(原題:PADDINGTON)

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監督:ポール・キング
原作:マイケル・ボンド
脚本:ハーミッシュ・マッコール、ポール・キング
撮影:エリック・ウィルソン
音楽:ニック・ウラタ
出演:ヒュー・ボネヴィル(ブラウンさん)、サリー・ホーキンス(ブラウン夫人)、ジュリー・ウォルターズ(バードさん)、ジム・ブロードベント(グルーバーさん)、ピーター・カパルディ(カリーさん)、ニコール・キッドマン(ミリセント)、ベン・ウィショー(パディントンの声)

ブラウン一家は、駅のホームでぽつねんと座っているクマに出会う。赤い帽子に青いダッフルコートの彼は、言葉を話し、とても礼儀正しい紳士だった。探検家に会いにペルーのジャングルから船に乗り、遠路はるばるロンドンにやってきたのだ。ブラウン夫人はすっかり同情し、家に招待することにした。クマ語の発音は難しいので、出会った駅にちなんで「パディントン」と名づけられる。ロンドンの暮らしはジャングルとはあまりにも違うため、悪気はないのに騒動を巻き起こしてしまうパディントン。尋ね人は見つかるのだろうか?

「クマのプーさん」と並んで世界中にファンのいる有名なクマの物語が初めて実写映画になりました。名前は知っていてもきちんと本を読んでいなかったので、今回初めてパディントンがペルー生まれのクマさんだったことを知りました。生れて初めて都会にやってきて、きょろきょろとロンドンの街並みを見る彼に、ロンドン旅行のときの自分が重なりました。建物がほんとにステキなのですよ。ブラウン家のインテリアや小物も可愛いです。
謎の悪女ミリセント役のニコール・キッドマンが、元夫のトム・クルーズばりのアクション(とっても有名なシーンなのですぐ気づきます)をしてくれるという大サービスもあり。
日本語吹き替え版は、松坂桃李(パディントン)、木村佳乃(ミリセント)、古田新太(ブラウンさん)、斉藤由貴(ブラウン夫人)、三戸なつめ(ジュディ)が声をあてています。(白)


2014年/イギリス/カラー/シネスコ/95分
配給:キノフィルムズ
(C)2014 STUDIOCANAL S.A. TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S Paddington Bear TM, Paddington TM AND PB TM are trademarks of Paddington and Company Limited
http://paddington-movie.jp/
★2016年1月15日(土)全国ロードショー
posted by shiraishi at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピンクとグレー

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監督:行定勲
原作:加藤シゲアキ「ピンクとグレー」角川文庫刊
脚本:蓬莱竜太、行定勲
撮影:今井孝博
音楽:半野喜弘
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
出演:中島裕翔(白木蓮吾)、菅田将暉(河田大貴)、夏帆(サリー)、柳楽優弥、岸井ゆきの

人気俳優の白木蓮吾が6通の遺書を遺して自殺した。第一発見者となったのは、河田大貴。2人は幼馴染で、ずっと同じ学校に通い、同じ女の子を好きになり、同じ夢を持っていた親友だった。いっしょに憧れの芸能界に入ったものの、売れていくのは蓮吾ばかり。好きだったサリーも蓮吾に思いを寄せていて、大貴は嫉妬とあせりで蓮吾と大喧嘩していた。蓮吾のことばどおり、いきなり世間の注目が集まる大貴だったが・・・。

原作はジャニーズ“NEWS”の加藤シゲアキさんが2012年に発表した処女小説です。このとき小説家デビュー宣言もして、年に1冊のペースで書いているようです。すごい。
主役の白木蓮吾をやはりジャニーズのアイドルグループ“Hey! Say! JUMP”の中島裕翔くん。ドラマ「半沢直樹」などに出演していましたが、映画には初出演にして初主役!出演作がずっと続いている菅田将暉くんが半年ほど年上で、映画出演についても先輩。ずいぶんと仲良くなったようすです。
原作は大胆にアレンジされて「62分で世界が変わる」しかけになっています。原作を読んだ方もそうでない方もお楽しみに。夏帆さんが女子高生とあっと驚くスタイルを見せてくれます。柳楽優弥くんはやっぱり存在感あるわ〜(痩せてカッコよくなった)。(白)


2015年/日本/カラー//119分
配給・宣伝:アスミック・エース
(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会
http://pinktogray.com/
★2016年1月9日(土)大ヒット公開中
posted by shiraishi at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする