2016年01月10日

パディントン(原題:PADDINGTON)

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監督:ポール・キング
原作:マイケル・ボンド
脚本:ハーミッシュ・マッコール、ポール・キング
撮影:エリック・ウィルソン
音楽:ニック・ウラタ
出演:ヒュー・ボネヴィル(ブラウンさん)、サリー・ホーキンス(ブラウン夫人)、ジュリー・ウォルターズ(バードさん)、ジム・ブロードベント(グルーバーさん)、ピーター・カパルディ(カリーさん)、ニコール・キッドマン(ミリセント)、ベン・ウィショー(パディントンの声)

ブラウン一家は、駅のホームでぽつねんと座っているクマに出会う。赤い帽子に青いダッフルコートの彼は、言葉を話し、とても礼儀正しい紳士だった。探検家に会いにペルーのジャングルから船に乗り、遠路はるばるロンドンにやってきたのだ。ブラウン夫人はすっかり同情し、家に招待することにした。クマ語の発音は難しいので、出会った駅にちなんで「パディントン」と名づけられる。ロンドンの暮らしはジャングルとはあまりにも違うため、悪気はないのに騒動を巻き起こしてしまうパディントン。尋ね人は見つかるのだろうか?

「クマのプーさん」と並んで世界中にファンのいる有名なクマの物語が初めて実写映画になりました。名前は知っていてもきちんと本を読んでいなかったので、今回初めてパディントンがペルー生まれのクマさんだったことを知りました。生れて初めて都会にやってきて、きょろきょろとロンドンの街並みを見る彼に、ロンドン旅行のときの自分が重なりました。建物がほんとにステキなのですよ。ブラウン家のインテリアや小物も可愛いです。
謎の悪女ミリセント役のニコール・キッドマンが、元夫のトム・クルーズばりのアクション(とっても有名なシーンなのですぐ気づきます)をしてくれるという大サービスもあり。
日本語吹き替え版は、松坂桃李(パディントン)、木村佳乃(ミリセント)、古田新太(ブラウンさん)、斉藤由貴(ブラウン夫人)、三戸なつめ(ジュディ)が声をあてています。(白)


2014年/イギリス/カラー/シネスコ/95分
配給:キノフィルムズ
(C)2014 STUDIOCANAL S.A. TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S Paddington Bear TM, Paddington TM AND PB TM are trademarks of Paddington and Company Limited
http://paddington-movie.jp/
★2016年1月15日(土)全国ロードショー
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ピンクとグレー

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監督:行定勲
原作:加藤シゲアキ「ピンクとグレー」角川文庫刊
脚本:蓬莱竜太、行定勲
撮影:今井孝博
音楽:半野喜弘
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION
出演:中島裕翔(白木蓮吾)、菅田将暉(河田大貴)、夏帆(サリー)、柳楽優弥、岸井ゆきの

人気俳優の白木蓮吾が6通の遺書を遺して自殺した。第一発見者となったのは、河田大貴。2人は幼馴染で、ずっと同じ学校に通い、同じ女の子を好きになり、同じ夢を持っていた親友だった。いっしょに憧れの芸能界に入ったものの、売れていくのは蓮吾ばかり。好きだったサリーも蓮吾に思いを寄せていて、大貴は嫉妬とあせりで蓮吾と大喧嘩していた。蓮吾のことばどおり、いきなり世間の注目が集まる大貴だったが・・・。

原作はジャニーズ“NEWS”の加藤シゲアキさんが2012年に発表した処女小説です。このとき小説家デビュー宣言もして、年に1冊のペースで書いているようです。すごい。
主役の白木蓮吾をやはりジャニーズのアイドルグループ“Hey! Say! JUMP”の中島裕翔くん。ドラマ「半沢直樹」などに出演していましたが、映画には初出演にして初主役!出演作がずっと続いている菅田将暉くんが半年ほど年上で、映画出演についても先輩。ずいぶんと仲良くなったようすです。
原作は大胆にアレンジされて「62分で世界が変わる」しかけになっています。原作を読んだ方もそうでない方もお楽しみに。夏帆さんが女子高生とあっと驚くスタイルを見せてくれます。柳楽優弥くんはやっぱり存在感あるわ〜(痩せてカッコよくなった)。(白)


2015年/日本/カラー//119分
配給・宣伝:アスミック・エース
(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会
http://pinktogray.com/
★2016年1月9日(土)大ヒット公開中
posted by shiraishi at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

ブリッジ・オブ・スパイ(原題:Bridge of Spies)

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監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:マット・シャルマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:トーマス・ニューマン
出演:トム・ハンクス(ジェームズ・ドノヴァン)、マーク・ライランス(ルドルフ・アベル)、スコット・シェパード(ホフマン)、エイミー・ライアン(メアリー・ドノヴァン)、セバスチャン・コッホ(ウルフガング・ボーゲル)

1950年〜60年代の東西冷戦時代、世界は一触即発の緊張に包まれていた。アメリカに長く住んでいるルドルフ・アベルがソ連のスパイだとしてFBIに逮捕される。アメリカでの裁判の際、アベルに国選弁護人をつける必要があった。
ジェームズ・ドノヴァンは保険業界での弁護士として実直に働いてきたが、この畑違いの弁護を引き受けることになってしまった。風当たりの強い中、祖国と職務に忠実であろうとする二人は、立場を越えて相手への尊敬の念を持つようになる。死刑確実と思われていたアベルは、ドノヴァンの弁護で懲役30年となった。
5年後、今度はソ連上空を偵察飛行していたアメリカ人パイロットが墜落してソ連に逮捕される。アベルとパイロットを交換しようという両国の思惑により、ドノヴァンがベルリンに赴いて交渉に当たることになった。

実話をもとに、スピルバーグ監督+コーエン兄弟脚本+トム・ハンクス主演という強力な布陣で映画化したもの。派手なシーンなどほとんどありませんが、緊張感をもったまま画面から目を離せず、祈るような気持ちで見つめてしまいました。
ドノヴァンは敵国のスパイを弁護することで世間に冷たい目で見られ、家族にまで危害が及びそうになります。しかし弁護士としての信念はゆるぐことがありません。トム・ハンクスが演じると、どの人物も全幅の信頼がおける気がするのですが、その分命令を下して仕事をさせるお偉方たちが実に卑小に見えます。無茶ぶりする上司と有能な部下のようです。そのへんに笑いが生れて、少しだけ緊張が緩みます。アベル役のマーク・ライランスはイギリスの舞台俳優だそうで馴染みがありませんでしたが(08年『ブーリン家の姉妹』の父親役だった)、アメリカに紛れ住んで淡々と職務をこなすスパイの悲哀をにじませて印象に残りました。
ドノヴァンはパイロットのほかに、東ベルリンに拘束されたアメリカ人留学生をも一緒に救い出そうとし、事態は難しくなるばかり。東西ベルリンを分ける壁のシーンもあり、こんなことが実際にあったのかと今更ながら驚きます。戦うシーンがなくても戦争の非情さが現われる重厚な作品でした。エンドロールにドノヴァンやアベルのその後も報告されますので、最後まで席を立たずにご覧下さい。(白)


2015年/アメリカ/カラー/シネスコ/142分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION.
http://www.foxmovies-jp.com/bridgeofspy/
★2016年1月8日(金)全国ロードショー
posted by shiraishi at 22:18| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月03日

フランス組曲  原題:Suite Francaise 

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監督:ソウル・ディブ 
出演: ミシェル・ウィリアムズ、クリスティン・スコット・トーマス、マティアス・スーナールツ、サム・ライリー、ルース・ウィルソン

1940年、フランス中部の町ビュシー。リシュル(ミシェル・ウィリアムズ)は、今は亡き父の薦めで地主の家に嫁いで3年。夫は結婚後すぐに出征し、厳格な義母(クリスティン・スコット・トーマス)と二人暮らしだ。フランスがドイツの手に落ち、やがてビュシーにもドイツ軍が駐留する。ブルーノ・フォン・ファルク中尉(マティアス・スーナールツ)にリシュルの部屋を明け渡すことになる。ブルーノ中尉から部屋にあるピアノの鍵を求められる。夫が帰還するまで義母から弾くことを禁じられ鍵をかけていたのだ。毎晩ブルーノ中尉の弾く曲に癒されるリシュル。ある時、庭で中尉と話す機会を得たリシュルは、中尉が戦争前は作曲家だったことを知る。二人の姿を見た義母から、ドイツ軍は敵と釘を刺される。だが、やがて二人は強く惹かれあうようになる・・・

敵でありながら心惹かれる二人を軸に、ドイツ占領下のフランスの田舎町で繰り広げられる人間模様。
小作人を追い出し、パリから来た母子に高い賃料で家を貸す義母。追い出されたのを恨む小作人の娘。妻に言い寄るドイツ軍中尉をあやまって殺してしまう農家の男ブノワ。そのブノワを匿うリュシル。48時間以内にブノワが見つからず、身代わりで銃殺される町長。ブノワ捜索の過程でユダヤ人であることがばれてしまう者もいる。
やがてリュシルは、パリで抵抗運動をする仲間と合流するというブノワを車のトランクに隠して町を出ることを決意。ブルーノ中尉に通行証を発行してもらう。その直後、移動命令が出てブルーノ中尉はリュシルの屋敷を後にする。ピアノには「フランス組曲」の楽譜が残されていた・・・

戦時下のなんとも切ない二人の恋。だが、それだけに留まらない壮大な物語。
フランスがドイツの占領下になった時代が目の前に蘇ってくる。
難を言えば、メインの台詞がフランス語ではなく英語であること。ドイツ軍はドイツ語を話しているが、『フランス組曲』といいながら、フランス語を使っていないのはちょっと違和感。もっとも、フランス人でないミシェル・ウィリアムズ演じるリュシルはそれなりに魅力的。
なにより興味を持ったのは、1942年アウシュヴィッツに散った原作者イレーヌ・ネミロフスキーのこと。1903年キエフ生まれ。ロシア革命後に一家でフランスに移住したユダヤ人。人気小説家として活躍中に、第二次大戦が勃発。娘さんが形見として保管していた遺稿が60年以上の時を経て「フランス組曲」として出版され、世界で350万部を超える大ベストセラーに。映画は、原作の後半、リュシルとドイツ中尉の物語を中心に脚色したそうだ。映画の最後に、遺稿が映し出される。小さな字でびっしり書かれていて、身の危険を感じながら、必死で書き綴った様が目に浮かぶ。(咲)


2014年/イギリス=フランス=ベルギー/107分/カラー/英語・ドイツ語・フランス語/シネマスコープ/5.1ch
配給:ロングライド 
公式サイト:http://www.francekumikyoku.com
★2016年1月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー
posted by sakiko at 21:04| Comment(1) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする