2015年12月11日

森のカフェ

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監督・脚本・プロデュース:榎本憲男
撮影:川口晴彦 録音:小牧将人
出演:管勇毅、若井久美子、橋本一郎、伊波麻央、永井秀樹 他

論文が書けない哲学者が近所の森で出会ったのは…?
若手の哲学研究者は論文を書きあぐねている。そこで、気晴らしに近所の
森に出かけてノートを広げてみた。すると、突如、見知らぬ女が現れ
「森のカフェにようこそ」などと言って、無理矢理コーヒーを飲まされ……。

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都会に疲れ、少し心を病んでいる哲学者と不思議な女性の物語。
不思議な女性役を演じる若井久美子さんの歌声が本当にステキ!! プロフを
見ると音大出身。やっぱり。そして歌が心地良く観終わってからも、かなり
長いアイダ口ずさんでしまったほどで… この歌詞も映画のキーワード。
私もデカルトの心身二元論は大嫌い。今、殺伐とした世の中になっているのは
デカルトのせいだ(ナンチャッテ) 心と身体は繋がっている、心病んでいる
哲学者の言うとおりだと思う… 榎本監督ご自身が言っているように、この映画は
「一粒で二度美味しい」 まさに、そのとおりの作品☆ そして脇を固める
劇団「青年団」実力派俳優、永井秀樹・志賀廣太郎の登場も見所です。 (千)

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初日舞台挨拶、メインキャストと監督登壇決定
【登壇キャスト(予定)】
  管 勇毅 若井久美子 橋本一郎 伊波麻央 榎本憲男監督
  ※登壇者は予告無く変更になることもございますので、予めご了承ください。

【劇場】ヒューマントラストシネマ渋谷シネマ スクリーン2

【登壇予定時間】13:40の回、上映後 ※登壇時間14:55(予定)

配給:ドゥールー/2015年/日本/75分 ⓒNorioEnomoto
公式サイト
★2015年12月12(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開




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2015年12月10日

わたしはマララ   原題:He Named Me Malala

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監督:デイヴィス・グッゲンハイム
出演:マララ・ユスフザイ、ジアウディン・ユスフザイ

2014年、ノーベル平和賞を17歳という最年少で受賞したパキスタンの少女マララ・ユスフザイ。
本作は、『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム監督が、彼女とその家族の素の姿を受賞以前から追ってきたドキュメンタリー。

パキスタン北西部スワート渓谷。学校を経営する詩人の父と文字の読めない母の長女として生まれたマララ。2012年10月、下校途中の通学バスが覆面の男に襲撃され、マララは頭部に銃弾を受ける。ブログを通じてイスラーム武装勢力タリバンによるテロや女子校の破壊行為を批判し、女性への教育の必要性を訴えていたことから狙われたのだ。奇跡的に命をとりとめたマララは、緊急手術を受けるため家族と共にイギリス・バーミンガムにわたる。国に帰れば身の危険があることから、今もイギリスで暮らす一家。マララは自分自身も学びながら、世界各地の教育を受けられない少女たちのために活動を続けている・・・

冒頭、かつてアフガニスタンがイギリスに侵攻された時に果敢に戦った少女マラライの物語がアニメで語られる。マララさんのお父さんはこの少女にちなんだ名を第一子に付けたのだ。父親は家計図にマララの名前を付け加える。300年遡っても、女性の名のない家計図に。パキスタンとアフガニスタンにまたがって暮らすパシュトゥーン族。元々女性隔離の因習が根強い民族だ。お父さんは苦労して大学を卒業し、女性たちにも教育をと、男女共学の学校を設立する。マララもその学校で学ぶ。2007年、タリバンがスワートで権威を振るうようになる。教育は女性に疑問を抱かせ自立を促すのでタリバンにとって脅威だと400以上の学校を破壊する。学校設立者の父もまたタリバンの標的だ。身の危険を感じながらも、誰かが声をあげなければというお父さんにも感銘を受けた。
そんな父親のもとに育ったマララさん。はっきりとした口調で英語でスピーチする堂々とした姿に、強い意志を感じる。でも、家で弟たちをからかってくったくなく笑うマララさんは、クリケットの選手やブラピに憧れる普通の少女。ほっとさせられる。
マララさんが過激派に襲撃されて重体だというニュースが世界を駆け巡った時、パキスタンのショエーブ・マンスール監督の長編第二作 『BOL 〜声をあげる〜』の紹介をちょうど書いていて、その襲撃事件のことを「まさにマンスール監督が憂う現状そのものだ」と結んでいる。
(パキスタン社会の現状の参考に、ショエーブ・マンスール監督『BOL 〜声をあげる〜』報告をお読みいただければ幸いです。http://www.cinemajournal.net/special/2015/BOL/index.html
それにしても、タリバンに襲撃された少女がその後ノーベル平和賞を受賞するに至る活躍をするとは、その時には思いもよらなかった。本作を観て、マララさんの頭蓋骨には大きな金属片が入れられていることを知った。その身体で世界を駆け巡って活躍するマララさんなのだ。
現在、イギリスの瀟洒な一軒家で暮らすマララさん一家。
お母さん「ここは好きだけど、故郷じゃない」
「故郷と同じなのは月だけ」とつぶやくマララさん。
一家が故郷スワートに帰れる日はいつ来るのだろう・・・(咲)


2015年/アメリカ/英語(一部パシュトー語)/88分/ドキュメンタリー映画
配給:20世紀フォックス映画
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/malala/
★2015年12月11日(金)より TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
posted by sakiko at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

創造と神秘のサグラダ・ファミリア(原題:SAGRADA: El misteri de la creació)

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監督・脚本:ステファン・ハウプト
撮影:パトリック・リンデンマイヤー
音楽:クリストフ・シェルテンライブ
出演:ジャウマ・トーレギタル、外尾悦郎、ジョルディ・ボネット、ジョアン・リゴール、ジョアン・バセゴダ、ライモン・パニッカー、ルイス・ボネット、コンチータ&ラモン・スグラニェス

スペイン、バルセロナ。1882年に着工されたサグラダ・ファミリア(カタルーニャ語で聖家族贖罪教会)は、完成までに300年かかると言われながら今も建築中。1883年に2代目の建築家として就任したアントニオ・ガウディの構想を元にした斬新なスタイルを誇る。2005年に世界遺産に登録され、観光客を引き付けてやまない。内戦によりガウディの遺した図面や模型を焼失してしまったが、コンピューター技術を駆使して、ガウディの没後100周年にあたる「2026年完成予定」と公式に発表されている。

建築関係者しか入れない内部にカメラが入り、観光では見ることができない高所や、細部も見せてくれる映像と、建築プロジェクトに関わっている人々のインタビューとで構成されています。ずっと一目観たいと思いつつも叶わなかった(これから可能性があるだろうか?)私には嬉しいドキュメンタリーでした。中でも1978年から彫刻家として参加している外尾悦郎さんのお話がことに興味深かったです。元々彫刻家であったとはいえ、未完の建築に携わることになって仏教徒からクリスチャンに改宗、ガウディの技術を追い求めるのでなく、ガウディの心に近づき「彼の見たものを見ようとした」というのに感銘を受けました。「神はお急ぎにならない」とガウディが言ったそうですが、2016年に完成するのかどうか気になるところです。動画サイトに完成したらこうなります、というのがアップされていて、やはりこの目で見たいと思ってしまいました。手始めにこの作品をどうぞ。(白)

1982年に初めてサグラダ・ファミリアを訪れ、1882年に建築を始めたとの看板に、ちょうど百年!と、感慨深く思ったのを思い出しました。当時は、1階のホールは、まさに建設中の様相。それでも、塔の半ばあたりまで小さな古いエレベーターで昇って、塔と塔の間を結ぶ橋も渡ってみたりしました。地下にはちゃんと礼拝室があって、ちょうどミサが行われていて大勢の市民が集まっていました。観光客は縄を張った後ろから見学できました。建設中なのに、ちゃんと教会として機能しているのを知りました。
それから8年後の1990年に再訪し、ファサードなどがかなり出来上がっていて、8年の間の成果を目の当たりにしました。それでも、完成までは数十年。今回、本作を観て、ほんとに完成の日が近づいているのを感じました。ガウディは天国でどんな思いでいるでしょう・・・(咲)


2012年/スイス/カラー/スペイン語、カタルーニャ語、ドイツ語、英語、フランス語/16:9/94分
配給・宣伝:アップリンク
(C)Fontana Film GmbH, 2012
http://www.uplink.co.jp/sagrada/
★2015年12月12日(土)YEBISU GARDEN CINEMAほか、全国順次公開
posted by shiraishi at 02:41| Comment(0) | TrackBack(0) | スイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ベテラン(原題:Veteran)

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監督・脚本:リュ・スンワン
撮影:チェ・ヨンファン
出演:ファン・ジョンミン(ソ・ドチョル)、ユ・アイン(チョ・テオ)、ユ・ヘジン(チェ常務)、オ・ダルス(オ チーム長)、チャン・ユンジュ(ミス・ボン)

ソ・ドチョルは、正義感が人一倍の武闘派ベテラン刑事。人情家のオ チーム長が率いる個性豊かな広域捜査班の一員である。ドチョルの知り合いの運転手が会社の階段から転落、意識不明となる事件がおきる。会社側は自殺を図ったと説明するが、幼い息子を残して逝くはずがないと、ドチョルは納得できない。
事件には財閥の御曹司テオが絡んでいた。捜査を進めるうちに、テオの右腕のチェ常務の裏工作により、警察上層部からの命令で捜査が打ち切られてしまう。ますます疑問に思ったドチョルは単独捜査を再開するのだった。

『国際市場で逢いましょう』のコンビ、ファン・ジョンミンとオ・ダルスが再びの共演。直情径行の警察官を熱く演じます。
敵はなんとアンタッチャブルな巨大財閥。『カンチョリ オカンがくれた明日』の息子役で観客の心をぐっと掴んだユ・アインが、御曹司役で初の悪役に挑戦。目力も華もあります。名バイプレイヤーのユ・ヘジンが脇を支え、揃って存在感あり。ソウルの繁華街明洞(ミョンドン)を使ったクライマックスは大迫力です。8車線道路を封鎖してのカーチェイス!こんなに壊していいのでしょうか?大財閥と権力の癒着、警察内部の腐敗を鋭く追及する脚本にも快哉。
香港映画に似たテイストで、ドチョルは若い日のジャッキー・チェンにぴったりだわ、と観ていましたらリュ・スンワン監督は香港映画を観て大きくなったようです。納得。11月に来日されていたというのに、こちらの都合がつかずせっかくの監督取材の機会を逃してしまいました。残念至極。またのお越しを!(白)


2015年/韓国/カラー/シネスコ/123分
配給:CJ Entertainment Japan
(C)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.
http://veteran-movie.jp/
★2015年12月12日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋他全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 01:14| Comment(1) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月09日

独裁者と小さな孫  英題:THE PRESIDENT

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監督:モフセン・マフマルバフ
脚本:モフセン・マフマルバフ、マルズィエ・メシュキニ
出演:ミシャ・ゴミアシュウィリ、ダチ・オルウェラシュウィリ

とある国の大統領。命令一つで国の灯を消せることを孫に自慢するが、孫はそんな力よりもアイスが欲しいと駄々をこねる。命令しても灯が再びつかず、大統領は革命が起こり失脚したことを知る。孫を連れ、平民のボロ服を着て逃げるうち、国民が自分の圧政に苦しんできたことを知る・・・

現在、ロンドンに居をおき亡命生活を送るイランの巨匠マフマルバフ監督が、ジョージア(旧グルジア)で撮った本作は、マフマルバフらしいダイナミックな架空の世界。イラクのサダム・フセイン失脚や、アラブの春の後の混乱、アフガニスタンやシリアなど、混迷の世界情勢に思いが至ります。
人々は本作の孫のように、甘いアイスを食べられる幸せを求めているだけなのに、なぜ争いが絶えないのでしょう。悲しいし、虚しい。
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公開を前に来日したマフマルバフ監督にお話を伺う機会をいただきました。インタビューの詳細は、Web版シネマジャーナル特別記事でお届けしていますが、下記の言葉が印象に残りました。
「暴力を起こすのは、普通の国民。生まれた時には、皆、純粋な人間だった。大きくなるにつれ、自分たちの中には、純粋さと共に独裁者も存在するようになる。権力を手にすれば、独裁者になるかもしれない。映画を観て、自分の中に存在している独裁者の部分を見つめ直して悪いところを変えていこうと思っていただければと思う」
世界の権力者や暴力を好む人たちに観て貰いたい一作です・・・と、2014年東京フィルメックスの報告記事に書いたのですが、この言葉を聞いて、私自身も独裁者だったとドキッとしました。もっと周りの人たちを気遣わなくては! (咲)


2014年、東京フィルメックスで『プレジデント』のタイトルで上映され観客賞を受賞した折に寄せた監督メッセージ:

『プレジデント』の平和のメッセージに与えられた観客賞は、私にとっても非常に大きな意味があります。人間はお互いに殺し合うために生まれたのではない。地球は生が存在するたった一つの星。お互いを愛するために生まれたのだと思います。しかし今、世界には暴力が溢れています。エボラと闘う為5千人の手助けが必要という国連の声に応える人はとても少なかったのに、ISIS(イスラーム国)の暴力的な作戦の為に、一万五千人が集まりました。世界には暴力の為に命さえ差し出す人が多いことを示しています。これには大きな理由があると思います。平和を大切にする文化の存在はとても弱いということです。芸術、特に映画は暴力的な世界に平和のメッセ―ジを伝える大きな力を持っていると思います。モフセン・マフマルバフ

*監督の願いも虚しく、今や、さらに混迷の世界情勢。いつ、皆が平穏に暮らせる日がくるのでしょう・・・

http://www.cinemajournal.net/special/2015/president/index.html

2014年/ジョージア・フランス・イギリス・=ドイツ/ジョージア語/カラー/ビスタ/デジタル/119分
配給:シンカ 提供:シンカ 朝日新聞社 
後援:ジョージア大使館
公式サイト:http://dokusaisha.jp
★2015年12月12日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町 他全国公開!!
posted by sakiko at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | グルジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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