2015年07月05日

サイの季節    英題: Rhino Season 原題:Fasle Kargardanha.

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製作・監督・脚本:バフマン・ゴバディ(『亀も空を飛ぶ』『ペルシャ猫を誰も知らない』)
提供:マーティン・スコセッシ
撮影:トゥラジ・アスラニ
出演:ベヘルーズ・ヴォスギー、モニカ・ベルッチ、ユルマズ・エルドガン、カネル・シンドルク

1979年2月、イラン革命成就。クルド人詩人サヘルは、反政府的な詩を書いたとして投獄される。妻のミナは、大佐だった父親が国王派の烙印を押され、夫と共謀した罪で10年の刑となる。執事のアクバルが革命防衛隊に手を回して夫と面会する許可を取ったとミナに伝え、ミナは刑務所内で頭巾を被らされた状態で夫と肌をあわせる。ミナに横恋慕していた執事は途中で夫とすり替わる。やがて双子の赤ちゃんが生まれ、ミナは釈放される。夫は獄中で死んだと知らされ、ミナはトルコで新しい生活を始める。
一方、サヘルは投獄から30年後に釈放され、イスタンブルにいるという妻の行方を探す。サヘルは海辺の町で「詩が父の形見なの」という若い女性と出会う・・・

政治犯として収監された実在のクルド人詩人サデッグ・キャマンガールの体験をもとに描かれた作品。
サヘル役に、革命前イラン映画の大スターだったベヘルーズ・ヴォスギー、ミナ役に、イタリアの女優モニカ・ベルッチを起用。モニカ・ベルッチは短い台詞ながらペルシャ語の発音が綺麗で違和感がない。
『ペルシャ猫を誰も知らない』撮影後、イランに戻れないでいるゴバディ監督。トルコで撮った本作は、題材といい、大胆に肌を見せたことといい、決して今のイランでは撮れない作品。

サヘル演じるベヘルーズ・ヴォスギーの存在感がすごい。声をほとんど発しないのは、サヘルが30年間刑務所で沈黙の中にいたことと、ベヘルーズ自身、35年間映画に出ず沈黙を保っていたこと、そして、監督自身が言葉のわからない外国にいてあまりしゃべれない状態だったということを反映したものという。
一方で、トルコから資金を得たため、トルコの俳優も起用したため、できるだけペルシア語の台詞を減らしたという事情も。

サイが走り、亀が落ちる・・・ 
映画を詩を詠むように作ったという監督。
ダイナミックで詩的な映像は、ぜひ大きな画面で!(咲)


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Web版シネマジャーナル特別記事「バフマン・ゴバディ監督来日レポート」

http://www.cinemajournal.net/special/2015/rhinoseason/index.html
●バフマン・ゴバディ監督インタビュー
●トークイベント@東京外国語大学

スタッフ日記:『サイの季節』7/11公開を前に、3度目の正直で来日したゴバディ監督と嬉しい再会(咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/420107143.html

2012/イラク・トルコ/スコープサイズ/DCP/93 分/カラー/ペルシャ語・トルコ語・英語
提供:新日本映画社、コムストック・グループ
配給・宣伝:エスパース・サロウ
公式サイト:http://rhinoseason-espacesarou.com
★2015年7月11日(土)からシネマート新宿ほか全国順次公開
posted by sakiko at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | トルコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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