2015年04月18日

パパ、遺伝子組み換えってなぁに?  原題:GMO OMG

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監督/脚本/編集:ジェレミー・セイファート 
出演:セイファート監督のファミリー、ジル=エリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ

3人の子どもを持ったことで“食”について考えるようになった映画監督のジェレミー・セイファート。2010年、ハイチでの大震災後、貧しいはずの農民たちが、寄付された種を燃やした事から、「遺伝子組み換え生物=GMO」に興味を持つ。アメリカでは表示義務がないため、GM食品の存在自体も知られていないのが現状だ。ジェレミーは家族と共に遺伝子組み換え食品の謎を解く旅にでる。
遺伝子組み換え市場シェア90%のモンサント本社、ノルウェーにある種を保管する“種子銀行”の巨大な冷凍貯蔵庫、GM食品の長期給餌の実験を行ったフランスのセラリーニ教授など、世界各地での取材を重ねるうちに、食産業の実態にジェレミーは言葉を失う・・・

監督の長男は種が大好きで、いろいろな種を整理して保存していて、それはもうびっくりの蒐集品。そのことも監督の興味を種に向かわせたそうです。種から出来る食べ物・・・ 人工的に遺伝子を組み換えた物は、やはり心配。だけど、知らない間に口にしてしまう恐ろしさ。ほんとに何を食べれば安全なのでしょう・・・ もうここまで生きてきた私はいいとして、これから成長する子どもたちには、ちゃんと安全なものを食べさせないと! 
これまでにも、『モンサントの不自然な食べもの』(2008年)などでも、遺伝子組み換え生物の恐ろしさは見せつけられてきました。それでも、まだまだ皆の意識に植え付けられたとは思えません。今一度、毎日食べる物のことを考えるきっかけにしたいものです。お子さまのいる方は是非! (咲)


原題:GOM OMG
遺伝子組み換え食品(GMO)をめぐる、オー・マイ・ゴッド(Oh! My God)な映画

配給・宣伝:アップリンク
協力:大地を守る会、生活クラブ生協、パルシステム生活協同組合連合会
字幕:藤本エリ、字幕協力:国際有機農業映画祭
2013年/アメリカ・ハイチ・ノルウェー/英語・スペイン語・ノルウェー語・フランス語/85分/カラー
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/gmo/
★2015年4月25日(土) より、渋谷アップリンク、名演小劇場ほか、全国順次公開
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群盗   原題: 群盗:民乱の時代  英題:Kundo: Age of the Rampant

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監督・原作:ユン・ジョンビン
出演:ハ・ジョンウ、カン・ドンウォン、イ・ギョンヨン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、マ・ドンソク、ユン・ジヘ、キム・ジェヨン、ハン・イェリ

1862年、朝鮮王朝末期。相次ぐ自然災害に、両班(ヤンバン)と悪徳官吏による不当搾取が重なり、民衆は飢餓と伝染病に苦しめられていた。各地で一揆を起こすが弾圧され、生き残った者は力のない民衆の側になって世の中を正そうとする義賊の群れ<群盗>の一員となるしかなかった。
屠畜人トルムチ(ハ・ジョンウ)は、地元羅州(ナジュ)の大富豪チョ家に肉を売って、細々と母と妹を養っていたが、チョ家の長男で悪徳武官のユン(カン・ドンウォン)からのある依頼を引き受けたことから宿敵の間柄となる。やがて、トルムチは義賊、智異(ちり)山チュソルに才能を見出され、世の中をひっくり返すという意味の「トチ(倒置)」という名前を与えられ、次第に頭角を表わしていく。やがて、トチとユンの壮大な対決が始まる・・・

待ちに待ったカン・ドンウォン除隊後4年ぶりの復帰作。悪役だけど、やっぱり美しい。身のこなしも華麗。でも、スキンヘッドのハ・ジョンウも、負けずに素敵。以前はハ・ジョンウの魅力が分らなかったけど、このところ監督としても活躍のハ・ジョンウ。秘めた男の魅力に、ぐっときます。食べる姿も豪快。ネギを丸かじりしたのには、さすがの本人もあれはやりすぎたと語っていますが、いやもう何をされても男の色気たっぷりです。
そんな二人の対決! 最後まで目が離せません。(咲)


2014年/韓国/137分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
配給:ツイン 
公式サイト: http://www.guntou.net/
★2015年4月25日よりシネマート新宿他にて全国順次ロードショー公開
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あの日の声を探して  原題:THE SEARCH

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監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス(『アーティスト』)
原案:フレッド・ジンネマン『山河遥かなり』
出演:ベレニス・ベジョ(『アーティスト』『ある過去の行方』)、アネット・ベニング(『キッズ・オールライト』)、マキシム・エメリヤノフ、アブドゥル・カリム・ママツイエフ、ズクラ・ドゥイシュビリ

1999年、チェチェン。8年前の独立を認めたくないロシアが、モスクワで起きたテロをチェチェン独立派の犯行だとして侵攻してくる。9歳のハジの目の前で両親がロシア兵に殺されてしまう。姉ライッサも殺されたと思ったハジは、まだ赤ちゃんの弟を抱いて家を出る。人の住む家の玄関先に弟を置き、難民キャンプに向かうトラックに乗せて貰うが、名前を聞かれても声が出なくて答えることができない。あまりのショックに声を失ってしまったのだ。隣国イングーシ共和国内にある難民キャンプで、ハジはEU人権委員会職員のキャロルと出会い、彼女の家に保護される。その頃、姉ライッサは、写真を手にハジを探し続けていた・・・

EU職員のキャロルが、家にハジを連れ帰ったのは、難民に対して何もできないでいる自分に苛立ち、せめて一人でも自分の手で助けたいという思いから。声が出なくて何も語れないハジにフランス語でまくしたてるけど、訳のわからない言葉で聞かれては、例え声が出たとしても答えられないでしょう。(言葉が通じなくても、笑顔なら気持ちが通じるのに・・・と、ちょっと私のほうがいらついた場面!)
ハジを演じたのは、オーディションで400人の中から選ばれたチェチェン生まれの男の子。物憂げな眼にぽろりと涙が浮かび、両親を殺された少年を体現しています。キャロルの家に一人でいる時にリズミカルにステップを踏んで踊っている姿は絶品。少年が心の安らぎを得たのを感じさせてくれます。
撮影はチェチェンではなく、チェチェンに接するグルジアで行われています。姉ライッサを演じたのは、グルジア生まれの素人の女性で、やはりオーディションで選ばれたのですが、亡き父がロシア人と闘った経験を持つとのこと。清楚な美人。
この映画の中で、物語がもう一つ同時に進みます。同じロシア連邦でも、チェチェンから2300キロ離れた平和なペルミ市。19歳の青年コーリャはマリファナを吸っているところを警察に捕まり、ロシア軍に強制入隊させられます。戦死や自殺した兵士の始末を命じられ、だんだん正気を失っていくコーリャ。上官たちから手荒い扱いを受けるうちに、自身も新兵を殴りつけるようになります。
人の心に狂気を芽生えさせるものは何なのか・・・ 
人はどうしたらわかりあえるのか・・・
戦争のない世界は、どうすれば実現するのでしょう・・・
答えは簡単なはずのに、解決しないのが悲しい。(咲)


2014年/フランス・グルジア/135分/カラー/ビスタ/5.1chデジタル
配給:ギャガ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
公式サイト:http://ano-koe.gaga.ne.jp/
★2015年4月24日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー!
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イマジン  英題:IMAGINE

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監督・脚本:アンジェイ・ヤキモフスキ
出演エドワード・ホッグ、アレクサンドラ・マリア・ララ

リスボンの高台にある視覚障害者のための診療所に「反響定位」の方法を教えるインストラクターとして着任した盲目の男イアン。杖を持たず、自分の舌や指で発する音が周囲のものに反響する音で環境を確認しながら歩く方法を、世界各地から集まった10代の生徒たちに伝授するイアン。隣の部屋で暮らす成人女性のエヴァは、引き籠りがちだったが、イアンから反響定位の方法を教わり、イアンと一緒に思い切ってリスボンの町に出る。陽光を浴びながらトラムの走る街角のカフェで過ごす至福のひと時・・・ 
生徒たちからも信頼されるイアンだったが、やがて、安全第一を考える診療所側はイアンの指導を問題視するようになる・・・

「反響定位」(エコーロケーション)という方法を初めて知りました。耳を研ぎ澄ませて、自分の発した音で周りの様子を知る方法。イアンが、この近くの海を大型客船が通ると言うのですが、目の見える人には建物が邪魔をしてなかなか見えません。客船の存在を信じない盲目の青年セラーノを連れて、ある夜、イアンは波止場までいきます。岸壁すれすれのところで海に落ちてしまうのではと冷や冷や。
診療所は、眼下に美しい家並みと海が広がるリスボンの高台にある古めかしい古い修道院を利用した素敵な建物。(ロケに使った修道院は実際にはリスボンから百キロ以上離れたエヴォラにある) エヴァと散策するリスボンの町並みも、とても素晴らしいのですが、盲目の人たちには、その素晴らしさを耳と肌でしか感じることができないのだと思うとちょっと複雑な思い。
『リスボンに誘われて』(2012年 ビレ・アウグスト監督)でも、トラムの行き交うリスボンの町を楽しめましたが、スイスから衝動的にリスボンに行った男が、町の人たちと普通に英語で会話していることに、とても違和感がありました。本作は、世界各地から視覚障害者が来ている診療所という設定なので、英語で話していても違和感はありません。町ではポルトガル語も聞こえてくるし。
ポーランドの監督が、主演に英国人男優と、ルーマニア系ドイツ人女優をキャスティングし、障害のある若者たちも、イギリスから7人、ポルトガルから7人、フランスから2人を起用。ボーダレスな映画の誕生です。このところ、素晴らしい映画続出のポーランド。また一つ、忘れられない秀作です。(咲)


2012ワルシャワ国際映画祭 監督賞受賞/2014ポーランド映画賞 音響賞受賞

2012年/ポーランド・ポルトガル・フランス・イギリス/105分/カラー/デジタル/5.1ch
提供:ダゲレオ出版(イメージフォーラム・フィルムシリーズ)
配給:マーメイドフィルム
後援:ポーランド広報文化センター、ポルトガル大使館
公式サイト:http://mermaidfilms.co.jp/imagine/
★2015年4月25日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開 梅田シネ・リーブル、名古屋シネマテーク他 全国順次公開
posted by sakiko at 15:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ポーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月16日

ザ・トライブ  原題:Plemya  英題:The Tribe

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監督・脚本:ミロスラヴ・スラボシュビツキー
製作・撮影・編集:ヴァレンチヌ・ヴァシャノヴィチ
出演:グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノヴィコヴァ

ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ。皆が賑やかに手話で会話している。その学校には犯罪や売春などを行う悪の組織=族(トライブ)によるヒエラルキーが形成されていて、入学早々、組織を仕切る者たちから洗礼を受けるセルゲイ。命令されるままに犯罪に関わるうち、いつしかトライブの中で頭角を現していく。やがて、リーダーの愛人で、イタリアに移民する夢を叶えるため売春でお金を貯めているアナを好きになってしまう・・・

演じているのは、実際にろうあの人たち。手話で語り合っていて、字幕も吹き替えもなく、音楽もなく、全編、自然の音だけという異色の映画。言葉を発することができない、言葉を耳にすることができないという中で、全身でお互いに意志疎通を図ろうとする人たち。でも、この映画を観終わって思ったのは、ろうあの人たちにとっては、これが普通の世界で、しかも、それは私たち健常者の世界となんら変わらないということ。人生に降りかかってくることは人様々だし、それにどう対応するかも、人それぞれ。とても実験的な映画だけど、描かれているのは、健常者にもあり得る物語であることに、逆に衝撃を受けた。(咲)

2014年/ウクライナ/132分/HD/カラー/1:2.39/字幕なし・手話のみ
配給:彩プロ、ミモザフィルムズ
後援:ウクライナ大使館
公式サイト:http:/www.thetribe.jp
★2015年4月18日(土)渋谷ユーロスペース、新宿 シネマカリテ他 全国順次ロードショー
posted by sakiko at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ウクライナ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする