2015年04月19日

シンデレラ(原題:CINDERELLA)

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監督:ケネス・ブラナー
脚本:クリス・ワイツ
音楽:パトリック・ドイル
出演:ケイト・ブランシェット(トレメイン夫人)、リリー・ジェームズ(エラ/シンデレラ)、リチャード・マッデン(王子/キット)、ヘレナ・ボナム=カーター(フェアリー・ゴッドマザー)、ソフィー・マクシェラ(ドリゼラ)、ホリデイ・グレインジャー(アナスタシア)、デレク・ジャコビ(王)、ステラン・スカルスガルド(大公)
日本語吹き替え版・声の出演:シンデレラ(高畑充希)、王子(城田優)

優しい両親のもとで何不自由なく育ったエラでしたが、ママが病気で亡くなり、しばらくしてパパが再婚。子連れの未亡人がまま母となりました。パパまでが旅先で亡くなってからエラはまま母と義理の姉たちに女中代わりにこきつかわれる毎日。「シンデレラ(灰だらけのエラ)」とよばれるようになりました。どんなに辛いときでもママが言い聞かせた「愛と勇気」の心を忘れず、エラはくじけませんでした。
狩りにやってきた王子は森で出会ったエラのことが忘れられません。国中の娘を招いた舞踏会で再会できるのを心待ちにしていました。エラは母の形見のドレスを台無しにされ、着飾って出かけるまま母と姉たちを見送りました。見知らぬ老婆に親切にしたエラの前に現われたのは、フェアリーでした。

ディズニーのアニメーション『シンデレラ』(1950年製作・日本公開1952年)は古典アニメとして有名ですね。こちらは実写版。『イントゥ・ザ・ウッズ』の中でアナ・ケンドリックがシンデレラを演じていましたが、本作ではリリー・ジェームズが大抜擢。魔法使いが現われてドレスと馬車とガラスの靴を贈られるエピソードはそのまま、そこに行くまでに一工夫あり。肝心なのは「愛と勇気」だと強調されています。さすがに65年後の女子たちに「白馬に乗った王子様」と結婚してハッピーエンドでは現実と乖離しすぎですものねぇ。けれども幸せはファンタジーで、意地悪なまま母&娘たちのほうが昔からリアルなのはなぜでしょう?幸せは何通りもあるけど、不幸せはいつも同じってこと??
美術と衣装、視覚効果が素晴らしく美しいです!舞踏会での水色のドレスはペチコートを重ね、スワロのビーズをふんだんに使っているので見た目より重いのだとか。貫禄たっぷりのまま母、フェアリー、招待客たちの衣装にも注目〜。「アナと雪の女王」のその後を描いた短編アニメ「アナと雪の女王/エルサのサプライズ」を同時上映。(白)


2015年/アメリカ/カラー/シネスコ/105分
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(C)2015 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
http://www.disney.co.jp/movie/cinderella.html

★2015年4月25日(土)全国公開
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抱擁

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監督・撮影・編集:坂口香津美(『ネムリユスリカ』『夏の祈り』)
出演:坂口すちえ、宮園マリ子、坂口諭、坂口香津美

坂口香津美監督の母、坂口すちえさんは長女に先立たれ、頼りの夫も入院、精神安定剤に頼る生活になってしまった。夫を送った後、不安と寂しさで混乱し薬の量が多くなっているすちえさんを、妹マリ子さんは故郷の種子島に連れ帰る。マリ子さんはすちえさんのために部屋を増築し、ベッドを入れた。すちえさんは徐々に外へも出られるようになってきた。

坂口監督が、一人になってしまった母親をカメラを通して見つめています。お母さんの不安からくる愚痴をカメラを置いて聞いてあげたらいいのに、と思うのですがカメラを通さなくてはそばにいられなかったのかも、と思いました。肉親ならではの愛情もその表現も、娘か息子かで違うのかもしれないし、たぶん双方が「いっぱいいっぱい」であったのでしょう。そんなときに、故郷へ連れ帰ると言ってくれたマリ子さんの存在は救いとなったことでしょう。。このマリ子さんがほんとに素晴らしくって、誰にもこういう人がいたらどんなにか安心だろうと思います。これも若い頃から長女として弟妹の面倒をみてきたすちえさんだからこそ、受けられたお世話なのでしょう。
自然にあふれた環境で、心許せる人々に囲まれて、すちえさんの表情がどんどん変わっていくのに安堵しました。2人のやりとりがほほえましいです。介護する人・される人がこんな笑顔になれますように。(白)

最愛の人に先立たれた悲しみをどうやって克服していくかのヒントを教えて貰ったのと同時に、自分も近い将来、年老いてどんな状態になるのかと、ぐっと身につまされました。高齢化社会の中での介護の問題にも思いが至りました。
4月14日、日本外国特派員協会で試写会&記者会見が行われました。
坂口監督から、カメラを通さなければ母と対峙できなかったつらい気持ちを伺いました。
記者会見の模様はスタッフ日記ブログで、どうぞ! (咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/417782073.html


坂口香津美監督&プロデューサー・編集 落合篤子_R-2.jpg
坂口香津美監督(右)と、プロデューサー・編集の落合篤子さん(撮影:宮崎暁美)

2014年/日本/カラー/93分
配給:スーパーサウルス
(C)2014 SUPERSAURUS
http://www.houyomovie.com/
★2015年4月25日(土)より、シアター・イメージフォーラム(渋谷)ほか
6月から大阪シネ・ヌーヴォ、鹿児島ガーデンズシネマほか、全国順次ロードショー
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セシウムと少女

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監督・脚本・原案:才谷遼
撮影:加藤雄大
出演:白波瀬海来(ミミ)、長森雅人(らーさん/雷神)、飯田孝男(ふーさん/風神)、川津祐介(うみさん/海神)、山谷初男(たーさん/田の神)、なんきん( ミッキー/芸能の神)

東京・阿佐ヶ谷に住む高校生のミミは、ある日送電線の下で雷の神様に会ったのをきっかけに、次々と摩訶不思議でくたびれた神々と知り合いになった。老人ホームで暮らす静おばあちゃんが失ってしまった九官鳥をさがすため、ミミは神様たちの力を借りて1940年代にタイムスリップする。そこで出会ったのは16歳の静、ミミと静はすっかり意気投合して楽しい日々を送る。
そして2011年の3月、東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降りそそぐ。

大学時代に岡本喜八監督に師事し、東京のミニシアター「ラピュタ阿佐ヶ谷」の支配人として映画に携わってきた才谷遼氏の初監督作品。様々なスタイルのアニメーションが実写の間にいくつも登場します。ミミを演じた白波瀬海来(しらはせ・かいら)のみずみずしさと神様たちのくたびれ加減の組み合わせがいいです。試写室にいらした才谷監督が「つめこみすぎ、映画的でないとたくさん批判された」と挨拶されていました。最初の作品はどのシーンも捨てがたく、切り難いはず。確かにエピソードが多いので、観客は焦点がしぼりにくいかもしれません。熱意は充分受けとりました。(白)

2015年/日本/カラー/109分
配給:ふゅーじょんぷろだくと
(C)2015 ふゅーじょんぷろだくと
http://cesium-to-shyoujyo.com/
★2015年4月25日(土)ユジク阿佐ヶ谷にて公開
posted by shiraishi at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

王妃の館

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監督:橋本一
脚本:谷口純一郎、国井桂
原作:浅田次郎
出演:水谷豊(北白川右京)、田中麗奈(朝霞玲子)、吹石一恵(桜井香)、尾上寛之(戸川光男)、青木崇高(近藤誠)、中村倫也(クレヨン)、安達祐実(ミチル)、中崇史(香取良夫)、野口かおる(早見リツ子)、緒形直人(金沢貫一)、石橋蓮司(丹野二八)、安田成美(ディアナ)、石丸幹二(ルイ14世)、山田瑛瑠(プティ・ルイ)

“シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ”(王妃の館)とよばれるパリの超一流ホテルに宿泊する日本からのツアー客が到着した。200万円の豪華ツアーと格安ツアーの、2組・男女11人。太陽王ルイ14世により建てられたこの豪華なホテルに小説の着想を求めて参加した売れっ子作家・北白川右京もその一人。ツアーはどちらも同じ旅行会社の企画で、2組は決して会うことのないよう社長の朝霞玲子により緻密な計画が立てられていた。なぜなら倒産寸前の旅行会社を救うべく、この超一流ホテルの部屋をダブルブッキングして経費を浮かせていたから。かくしてドタバタの喜劇へ突入となるのだが…。

いくらホテル側も合意のうえとは言え、同じ部屋を2組が昼夜顔を会わせないように使うなんて、無理無理と見ていましたら、本当にドタバタとスピーディな入れ替えをするので笑ってしまいました。
『相棒』で杉下右京を演じてきた水谷豊さんが、飛びぬけて個性的な北白川右京役。全く違うキャラ+髪型とファッションに「相棒」ファンは驚くはず。一人だけ計画通りに動かず添乗員を振り回しながら、悩みを抱えているワケアリ客たちをいつのまにかちょっとだけ幸せな方向へと押し出しています。変だけれどエレガントという不思議な役を少しも力まずに見せてくれました。
ヴェルサイユ宮殿やルーヴル美術館でのシーンもたっぷり。右京が書き進めるルイ14世の小説場面も挿入され、2重に楽しめます。上下2巻という長い原作も読んでみたくなりました。(白)


2015年/日本/カラー/シネスコ/123分
配給:東映
(C)浅田次郎/集英社 (C)2015「王妃の館」製作委員会
http://www.ouhi-movie.jp/
★4月25日(土)全国ロードショー
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2015年04月18日

龍三と七人の子分たち

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監督・脚本:北野武
撮影:柳島克己
音楽:鈴木慶一
出演:藤竜也(龍三親分)、近藤正臣(若頭のマサ)、中尾彬(はばかりのモキチ)、品川徹(早撃ちのマック)、樋浦勉(ステッキのイチゾウ)、伊藤幸純(五寸釘のヒデ)、吉澤健(カミソリのタカ)、小野寺昭(神風のヤス)、安田顕(京浜連合 西)、勝村政信(龍三の息子・龍平)、萬田久子(キャバクラのママ)、ビートたけし(村上刑事)

高橋龍三70歳。元ヤクザの組長・鬼の龍三と畏れられ、慕われたのも昔のこと。引退した後は息子と同居で肩身が狭い。自慢の刺青もくたびれ気味の今日この頃、留守番していて取った電話がオレオレ詐欺だった。聞けば最近京浜連合が老人相手の無茶なシノギで幅を利かせているという。若い奴らに大きな顔をさせて野放しにはできねぇ、と昔の仲間が集まって気炎を上げた。金ナシ、先ナシ、怖いものナシ!のジジイたちには明日なんかいらない!?

北野武監督最新作。バイオレンス満載だった『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』から一転、コメディタッチのヤクザ映画を送り出しました。ピリピリしている京浜連合を相手に、体力はなくても経験と貫禄は数倍、平均年齢72歳のベテラン俳優たちが活躍します。渋い色気が漂う藤竜也さんはじめ、今もあちこちの作品に出演されている方々ですが、一つの作品にこれだけ集まったのは初めてではないでしょうか。ベテラン女優陣が集合した『デンデラ』(2011年)がありましたが、そちらよりも平均年齢が高そうです。北野監督もマル暴担当刑事役で登場、年々増えていくシニア世代に元気をくれる作品です。(白)

2015年/日本/カラー/111分
配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
C)2015『龍三と七人の子分たち』製作委員会
http://www.ryuzo7.jp/

★2015年4月25日(土)全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする