2015年04月26日

私の少女(原題:A Girl at My Door)

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監督・脚本:チョン・ジュリ
撮影:キム・ヒョンソク
音楽:チャン・ヨンギュ
出演:ペ・ドゥナ(ヨンナム)、キム・セロン(ドヒ)、ソン・セビョク(ヨンハ)

海辺の警察署にソウルから赴任してきたヨンナム。若い女性警官ということで、村中から注目されている。
宿舎の近所で悲鳴を聞いたヨンナムが調べてみると、ドヒという少女が家族から虐待を受けていた。ドヒの母親は娘を置いて一人で家を出てしまい、血の繋がらない継父ヨンハとその母親に日常的に暴力を受けているのだった。ヨンナムは自分を頼ってくるドヒの世話をし、学校でも居場所のないドヒも子どもらしい笑顔を見せるようになる。

田舎の村に転任してきたエリート女性警察官が署長、それだけでも旧弊な男たちの反発を買いそうな設定です。不法労働者と雇い主、養父と母に捨てられた娘、幾組もの強者と弱者の対比が描かれていますが、一人の人間の中にもそれがあります。きりりとした制服姿のヨンナムが深い孤独に沈み、虐げられていたドヒが強い意志をかいま見せるように。
昨年11月のフィルメックスで『扉の少女』のタイトルで上映され、満員の観客を集めました。チョン・ジュリ監督と主演のペ・ドゥナさんがゲストで登場し、熱い声援をあびていました。すっかり落ち着いた大人の女性になったペ・ドゥナさんと、『冬の小鳥』『アジョシ』の子役で絶賛されたキム・セロンさんとの初競演も見所です。本誌93号に記事があります。(白)


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2014年11月24日 東京フィルメックスでのQ&A
「監督とは年も近いので一緒に作っていった感じ。少数精鋭のチームで、皆友達のような雰囲気でした。今回の役は寂しい境遇なのに、実際は楽しい現場でした」と語るペ・ドゥナの言葉を継いで、監督は「困難で劣悪な撮影現場で、ドゥナさんが毎日励ましてくれて一番の心の同志でした」と感謝を述べました。 

東京フィルメックスでのQ&Aの模様は、スタッフ日記ブログでもどうぞ!
チョン・ジュリ監督とペ・ドゥナさんの挨拶も終わらないうちに、質問の手が多数あがった熱い会場でした。(咲)
http://cinemajournal.seesaa.net/article/409588690.html

2014年/韓国/カラー/119分
配給:CJ Entertainment Japan
(c) 2014 MovieCOLLAGE and PINEHOUSE FILM, ALL RIGHTS ESERVED
http://www.watashinosyoujyo.com/
★2015年5月1日(金)よりユーロスペース、新宿武蔵野館(レイトショー)他にて全国順次ロードショー
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イタリアは呼んでいる(原題:The Trip to Italy)

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監督・脚本:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーブ・クーガン(スティーブ)、ロブ・ブライドン(ロブ)

イギリスのショービズ界の人気者のスティーブとロブは、前回のイギリス湖水地方のグルメ旅の記事が好評で、今度はイタリアを南下する取材の依頼が舞い込んだ。二つ返事で引き受け、黒のミニクーパーで出発する。長靴形の上のピエモンテ地方から始まり、リグリア、トスカーナ、ローマ、カンパーニャと下り、最終地点はカプリの5泊6日の旅程。
著名なレストランや豪華ホテルに泊まりグルメとバイロンの足跡を辿りながらの旅は、中年の曲がり角に差し掛かった2人にリフレッシュと、人生を見つめなおす機会をくれた。

第1弾の『スティーヴとロブのグルメトリップ』(2010)は劇場公開されませんでしたが、DVDがあります。第2弾の本作は、2人の家族や仕事の発展や行き詰まりもきちんと継続して描かれています。前作の湖水地方に代わって陽光まぶしいイタリアは、旅人の気分を明るくするには絶好のロケーションで、またまた浮気心も育ててしまいます(全くどこに行ってもマメなこと!)。
もともと仲が良く芸達者な2人が繰り出す軽妙な会話と、物マネはどこまでが脚本なのかアドリブなのか??ロブが披露する表情たっぷりの物マネにスティーブがウケているのが殆ど「素」に見えてしまいます。映画や俳優の知識がもっとあれば、もっと楽しめるはずとは思いますが、風景とテーブルに並ぶ料理の数々で眼福、気持ち良いラストで二重丸。(白)


2014年/イギリス/カラー/ビスタ/108分
配給:クレストインターナショナル
(C)Trip Films Ltd 2014
http://www.crest-inter.co.jp/Italy/
★5月1日(金)Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 14:38| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

フォーカス(原題:Focus)

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監督・脚本:グレン・フィカーラ、ジョン・レクア
撮影:ハビエル・グロベット
音楽:ニック・ウラタ
出演:ウィル・スミス(ニッキー)、マーゴット・ロビー(ジェス)、ロドリゴ・サントロ(ガリーガ)、ジェラルド・マクレイニー(オーウェンズ)、アドリアン・マルティネス(ファーハド)、B・D・ウォン(リ・ユァン)

ニッキーは、30人の仲間を束ねている天才詐欺師。女性詐欺師ジェスの現場に出くわし、騙されたフリをして逆に追い詰めてみせる。何をやっても叶わないニッキーのテクニックに魅了されたジェスは弟子入りを懇願、「フォーカス(視線)を操る」術を教えられる。めきめきと腕を上げるジェスに仕事の上だけではない、信頼と愛情さえ覚えるようになるニッキーだったが、大きなヤマに成功した後突然姿を消してしまった。数年後、ブエノスアイレスで再会する二人。

人が殺しあったりするのでなく、知力を尽くして騙しあうのは(ハタで観ている分には○、当事者になるのは×)ものすごく面白い!騙される心配のない「高みの見物の楽しさ」を味わえる作品です。人間行動学に基づいた「フォーカス(視線)」の操り方の詳細は必見。天才スリの指導を仰いだのだそうで、危機感の薄い日本人は絶好のカモであるのが納得です。ズボンのお尻のポケットに無造作に入れた財布や、口があいたままのバッグなどいまだに見かけます。
いつもながらウィル・スミスのカッコよさに加えて、相手役のゴージャスな美人のマーゴット・ロビー、一癖も二癖もある共演者たち…。「あー、面白かった!」と立ち上がった後は、貴重品を確かめるのを忘れずに。(白)


2015年/アメリカ/カラー/105分
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED
http://wwws.warnerbros.co.jp/focus/
★5月1日(金)全国ロードショー
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2015年04月25日

ラピュタ阿佐ヶ谷 特集上映「風のように 映画俳優・池部良」

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『坊っちゃん』コピーライトマークTOHO CO.,LTD.


デビューから30年以上もの間、様々なジャンルの映画を横断し、 色褪せることのない鮮やかな存在感をみせつけた稀有な俳優・池部良。
スマートな知性と色気を軽やかに纏った身のこなし、その落ち着いた佇まいは、今なお人々を魅了してやまない。
時代・役柄を越え、爽やかに、時には突風のように、スクリーンを駆けて行った池部良の俳優人生を辿ります。

期間:2015年5月17日(日)〜2015年7月11日(土)

【上映作品】
●『暁の脱走』
(1950年/新東宝/監督:谷口千吉/出演:山口淑子、小沢栄、伊豆肇)

●『33号車応答なし』
(1955年/東宝/監督:谷口千吉/出演:司葉子、志村喬、平田昭彦)

●『妖星ゴラス』
(1962年/東宝/監督:本多猪四郎/出演:上原謙、志村喬、坂下文夫)

●『裸の町』
(1957年/東京映画/監督:久松静児/出演:淡路千景、淡路恵子、森繁久彌)

●『アンコールワット物語 美しき哀愁』
(1958年/連合映画/監督:渡辺邦男/出演:雪村いづみ、安西郷子、山口淑子)

●『坊っちゃん』
(1953年/東京映画/監督:丸山誠治/出演:小沢栄、森繁久彌、小堀誠)

●『戦争と平和』
(1947年/東宝/監督:山本薩夫、亀井文夫/出演:岸旗江、伊豆肇、菅井一郎)

●『早春』
(1956年/松竹大船/監督:小津安二郎/出演:淡路千景、高橋貞二、岸恵子)

●『恋化粧』
(1955年/東宝/監督:本多猪四郎/出演:小泉博、越路吹雪、岡田茉莉子)

●『恋人』〈東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品〉
(1951年/新東宝=昭映プロ/監督:市川崑/出演:久慈あさみ、千田是也、村瀬幸子)

●『天上大風』
(1956年/東宝/監督:瑞穂春海/出演:香川京子、千秋実、宝田明)

●『暗夜行路』
(1959年/東京映画/監督:豊田四郎/出演:山本富士子、淡島千景、千秋実)

●『好人物の夫婦』
(1956年/東宝/監督:千葉泰樹/出演:津島恵子、中北千枝子、青山京子)

●『お姐ちゃん罷り通る』
(1959年/東宝/監督:杉江敏男/出演:団令子、中島そのみ、重山規子)

●『現代人』
(1952年/松竹大船/監督:渋谷実/出演:山田五十鈴、山村聰、小林トシ子)

●『乾いた花』〈ニュープリント〉
(1964年/松竹大船/監督:篠田正浩/出演:加賀まり子、藤木孝、東野英治郎)

●『わたしの凡てを』
(1954年/東宝/監督:市川崑/出演:有馬稲子、伊藤絹子、上原謙)

●『トイレット部長』
(1961年/東宝/監督:筧正典/出演:淡路恵子、島津雅彦、浜美枝)

●『重役の椅子』
(1958年/東宝/監督:筧正典/出演:団令子、柳永二郎、水野久美)

●『潜水艦イ-57降伏せず』
(1959年/東宝/監督:松林宗恵/出演:三橋達也、久保明、藤田進)

●『お笑い捕物帖 ハッつぁん初手柄』
(1955年/東宝/監督:青柳信雄/出演:榎本健一、柳家金語楼、三木のり平)

●『女の四季』〈東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品〉
(1950年/東宝/監督:豊田四郎/出演:若山セツコ、杉村春子、東山千栄子)

●『青島要塞爆撃命令』
(1963年/東宝/監督:古澤憲吾/出演:佐藤允、夏木陽介、加山雄三)

●『渡世人列伝』
(1969年/東映京都/監督:小沢茂弘/出演:鶴田浩二、内田朝雄、木暮実千代)

●『如何なる星の下に』
 (1962年/東京映画/監督:豊田四郎/出演:山本富士子、池内淳子、大空真弓)

●『脱獄囚』
(1957年/東宝/監督:鈴木英夫/出演:草笛光子、家田佳子、藤田進)

●『兄さんの愛情』
(1954年/東京映画/監督:中川信夫、丸山誠治/出演:石浜朗、江原達怡、三宅邦子)

●『背後の人』
(1965年/松竹大船/監督:八木美津雄/出演:桑野みゆき、岡田英次、路加奈子)

●『白夫人の妖恋』
(1956年/東宝、ショウブラザーズ/監督:豊田四郎/出演:山口淑子、小堀誠、八千草薫)

●『朝の波紋』〈東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品/16mm〉
(1952年/エイトプロ/監督:五所平之助/出演:高峰秀子、岡田英次、沼田曜一)

●『こだまは呼んでいる』
(1959年/東宝/監督:本多猪四郎/出演:雪村いづみ、沢村貞子、飯田蝶子)

●『不滅の熱球』
(1955年/東宝/監督:鈴木英夫/出演:司葉子、笠智衆、藤原釜足)

●『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』
(1966年/東映東京/監督:佐伯清/出演:高倉健、三田佳子、津川雅彦)

【料金】一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 3回券…2,700円 ※水曜サービスデー…1,000円均一

上程日程詳細はこちらで!
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/ikeberyo/

ラピュタ阿佐ヶ谷 アクセス
http://www.laputa-jp.com/annai/index.html#3

posted by sakiko at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月19日

Mommy/マミー(原題:Mommy)

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監督・脚本・編集:グザヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル(ダイアン・デュプレ)、スザンヌ・クレマン(カイラ)、アントワン=オリヴィエ・ピロン(スティーヴ・デュプレ)

ダイアン・デュプレの一人息子スティーヴが施設から戻ってくる。ADHD(注意欠如・行動障害)と診断された彼は、激昂すると自分の感情をコントロールできない。矯正施設をたらいまわしにされた挙句、母親の元に戻された。新しい家でやり直しを図る母と息子の向かいに、ストレスのため吃音になったカイラが住んでいた。元高校教師だったカイラは、ダイアンと友だちになりスティーヴの勉強を見るうちに、言葉を取り戻していく。

17歳で脚本を書き、19歳で監督した『マイ・マザー』がカンヌ映画祭で賞賛を受け、以来全ての作品が注目の的となっているグザヴィエ・ドラン監督の5作目。カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出され、「審査員特別賞」を受賞しました。これまでの作品のうち『トム・アット・ザ・ファーム』は同名戯曲を映画化したものですが、ほかは自身を映し出したポートレイトのような作品。どれも観た後に痛々しい感じが残りました。若くて溢れる才能と美貌にも恵まれた彼の内側が見えるようでした。
本作はこれまでにも描かれた濃密な母と息子の愛憎を芯に、隣人の女性を加えてそれぞれの強さと弱さを1:1の画面でくっきりと切り取っています。3人の幸福なシーンだけがワイド画面に映し出され印象的。パワフルでめげない母と息子のストーリーで、これまでで一番好きな作品になりました。クレジットにありませんがドラン監督自身もほんのちょっと出演していますのでお見逃しなく。
スティーヴのADHDという行動障害については、ネットで検索すればたくさん見つかります。症状の特徴など見ると、自分もその半分以上の項目に合致しているのに気づいて「え」と驚いたり納得したり。程度が問題か?(白)


2014年/カナダ/カラー/138分/DCP/1:1
配給:ピクチャーズ・デプト
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.
http://mommy-xdolan.jp/
予告編はこちら

★4月25日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開
posted by shiraishi at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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