2015年03月08日
ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密
監督:ショーン・レビ
脚本:デビッド・ギヨン、マイケル・ハンデルマン
撮影:ギレルモ・ナヴァロ,ASC
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ベン・スティラー(ラリー・デリー)、ロビン・ウィリアムズ(ルーズベルト)、オーウェン・ウィルソン(ジェデダイア)、ダン・スティーヴンス(ランスロット)、スティーヴ・クーガン(オクタヴィアス)、リッキー・ジャーヴェイス(マクフィー博士)、ベン・キングズレー(マレンカレ)、レベル・ウィルソン(テイリー)、スカイラー・ギソンド(ニック・デリー)、ラミ・マレック(アクメンラー)
アメリカ自然史博物館の大イベントのパーティの準備に大わらわのラリー、いつもの仲間たちと大成功させるはずだった。しかし本番でなぜかルーズベルトが暴走、仲間達のコントロールもきかずパーティは大失敗してしまった。展示物に命を吹き込んでいたエジプト王の石版をみると、黒く曇ってきていた。ラリーは先輩の警備員を訪ね、石版の謎を解くカギが大英博物館にあることを知る。アクメンラーや息子のニックも連れてロンドンへと向かい、厳重な警備の博物館に入り込む算段をする。
『ナイト ミュージアム』(2006)、『ナイト ミュージアム2』(2009)に続くシリーズ第3弾。今回の舞台はロンドンの大英博物館です。危機に陥った石版と仲間のために、大英博物館にしのびこみ、襲ってくる敵(見てのお楽しみ)と新たな戦いを繰り広げます。お猿のデクスターも大活躍。
完結編でもある本作では、冒険と友情ばかりでなく高校生の息子ニックから子離れしなくてはいけないラリー、偉大なファラオの父と向き合うアクメンラーといった父と息子の物語もからませています。ベン・スティラーが原始人との二役で、警備員役のレベル・ウィルソンと熱い視線を交わします(笑)。
惜しくも亡くなったミッキー・ルーニーとロビン・ウィリアムズの元気な姿にも会えました。好きなシリーズだったので、終わるのが残念ですが、最後のしめくくりにふさわしい作品となりました。(白)
2014年/アメリカ/カラー/97分
配給:20世紀フォックス
(C)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
http://www.foxmovies-jp.com/nm-3/
★2015年3月20日 TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー
イントゥ・ザ・ウッズ(原題:Into the Woods)
監督:ロブ・マーシャル(『シカゴ』『NINE』)
原作ミュージカル:スティーブン・ソンドハイム&ジェームズ・ラパイン
作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム
脚本:ジェームズ・ラパイン
撮影:ディオン・ビーブ
美術:デニス・ガスナー
衣装:コリーン・アトウッド
出演:メリル・ストリープ(魔女)、エミリー・ブラント(パン屋の妻)、ジェームズ・コーデン(パン屋の主人)、アナ・ケンドリック(シンデレラ)、クリス・パイン(シンデレラの王子)、トレイシー・ウルマン(ジャックの母親)、クリスティーン・バランスキー(シンデレラの継母)、ジョニー・デップ(赤ずきんのオオカミ)、ダニエル・ハトルストーン(ジャック)、リラ・クロフォード(赤ずきん)、マッケンジー・マウジー(ラプンツェル)、ビリー・マグヌッセン(ラプンツェルの王子)
子どもが授からないパン屋の夫婦、原因は隣に住む魔女の呪いのせいだったとわかる。魔女の望む4つのアイテム「赤いずきん」「黄色い髪」「白い牛」「金色の靴」を森から持ち帰ったなら、呪いを解き必ず良い子が授かると聞き、さっそく森へと向かった。赤ずきんはおばあちゃんの家へ、黄色い髪のラプンツェルは森の塔の中、ジャックは牛を売りに市場へ、シンデレラは金色の靴で舞踏会に行き、それぞれがパン屋の夫婦と出会うことになるが…。
よく知られた童話の主人公たちはみんなハッピーエンドになったはず。これはひとひねりして、その後までを描きます。ブロードウェイの伝説と呼ばれるスティーヴン・ソンドハイムのロングラン・ミュージカルを元に映画化したもの。
それぞれのキャラに扮した当代の人気俳優たちが、歌って踊ります。『マンマ・ミーア』の記憶も新しいメリル・ストリープ、『ワン チャンス』でポール・ボッツを演じたジェームズ・コーデンはじめ、歌える俳優がたくさんいるんですねぇ。美術や衣装も美しく、笑える場面も多くて家族揃って楽しめます。
それにしても「ジャックと豆の木」の女性巨人はなんだか気の毒でした。みんなが話し合いを始めるので、別の方向にいくのか?と期待したのに。憧れの王子と結婚したその先も…甘くないところが今風。(白)
2014年/アメリカ/カラー/シネスコ/2時間4分
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
c2015 Disney Enterprises, Inc.
http://www.disney.co.jp/movie/woods.html
★2015年3月14日(土)、全国ロードショー
ディオールと私 仏題: Dior et moi 英題:Dior and I
監督:フレデリック・チェン
出演:ラフ・シモンズ、Diorアトリエスタッフほか
2012年、空席になっていたディオールのアーティスティック・ディレクター(デザイナー)にラフ・シモンズが就任する。ベルギー出身で、自身の男性ブランドで活躍するラフには、オートクチュールの経験もなく、誰もが驚いた。しかも、パリ・コレクションまでに与えられた時間はわずか8週間。通常の準備期間は4〜6か月。パリ・ディオールのアトリエで長年働くお針子たちにとっても厳しい試練だ。
ラフの斬新なデザインをもとに、布を選び、手縫いで仕上げていくお針子たち。時にやり直しも求められる。
ある日、ラフ・シモンズは仕事を休んで、ノルマンディー地方の海辺にあるクリスチャン・ディオールが幼少期に過ごした家を訪ねる。回想録を読んでも埋められないディオールとの経験の差に悩むラフにとって、ディオールを肌で感じた時間だ。
パリにもどったラフは、コレクション発表の場所を決める。古い大きな邸宅だ。少しかび臭い壁を塗り直さずに、一面の花で埋め尽くす。部屋ごとに違う色、違う香りが溢れる中、モデルたちがラフのデザインした衣装に身を包み闊歩していく・・・
若いラフを支える経験豊かなお針子さんたちの姿が眩しい。自分たちの仕事に誇りを持っている様子が素敵だ。ディオールの名を汚さないよう、一針一針に心を込めている様子が伝わってくる。
パリ・コレクションをやり遂げたラフの、彼女たちへの敬意の眼差しも素敵だ。 自分には縁のないオートクチュールの世界だけど、仕事への真摯な姿を学べる1作。 ちょっと贅沢な気分にも♪ (咲)
2014年/フランス/DCP/ビスタサイズ/90分/仏語・英語
配給:アルシネテラン、オープンセサミ
提供:アルシネテラン、オープンセサミ、Bunkamura
公式サイト:http://dior-and-i.com/
★2014年3月14日(土)、Bunkamuraル・シネマ他全国順次ロードショー
ブルックリンの恋人たち 英題:SONG ONE
監督・脚本:ケイト・バーカー・フロイランド
製作:マーク・プラット、ジョナサン・デミ(『レイチェルの結婚』『羊たちの沈黙』)、
アダム・シュルマン、アン・ハサウェイ
出演:アン・ハサウェイ(『レ・ミゼラブル』『プラダを着た悪魔』)、ジョニー・フリン、メアリー・スティーンバージェン
モロッコで遊牧民の文化を調査中のフラニー(アン・ハサウェイ)のもとに、ニューヨークに住む母親カレン(メアリー・スティーンバージェン)から、弟ヘンリー(ベン・ローゼンフィールド)が交通事故で昏睡状態なので帰ってきて欲しいと緊急連絡が入る。大急ぎでニューヨークに戻ったフラニーは病室で久しぶりに母親と再会する。フラニーは、弟が大学をやめてミュージッシャンになると言った時に大喧嘩。弟とも疎遠になっていた。実家の弟の部屋で、ミュージシャンのジェイムズ・フォレスター(ジョニー・フリン)のコンサートチケットを見つけたフラニーは、弟の代わりにコンサートに行き、弟が作った曲の入ったCDをジェイムズに手渡す。ほどなく病院にジェイムズがギター片手に訪ねてくる。ヘンリーの曲を聴き、才能を感じて見舞にきたのだった。ヘンリーの脳に刺激を与えようと病室で弾き語りするジェイムズ。次第にフラニーとの間に恋心が芽生える・・・
冒頭、モロッコのベルベル族の結婚式を前にした花嫁を囲む儀式が出てきて、おぉっと引きこまれました。連絡のつきにくい場所でフィールドワークしている設定なのですが、なぜここを?と、ちょっと嬉しい場面でした。
昏睡状態の病人に音楽を聴かせるという場面では、同級生がクモ膜下出血で昏睡状態の時に、息子さんが彼女の好きだったオペラ「魔笛」のCDをずっと聴かせていたことを思い出しました。同級生は結局意識が戻らないまま天国に旅立ってしまいましたが、無意識の中にも、好きな曲を聴いて喜んでいたのではないでしょうか。
『ブルックリンの恋人たち』では、アコースティックなラブソングが、心地よく流れてきます。弟は目覚めることができるのでしょうか・・・ そして、二人の恋の行方は? (咲)
2014年/アメリカ/カラー/86分/DCP
配給・提供:ファントム・フィルム
公式サイト:http://www.brooklyn-movie.com/
★2015年3月13日(金) TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
唐山大地震 英題:Aftershock
監督:フォン・シャオガン(馮小剛)
出演: シュイ・ファン(徐帆)、チャン・チンチュー(張静初)、リー・チェン(李晨)、チェン・ダオミン(陳道明)
1976年7月28日、中国・唐山市を大地震が襲う。建物が倒壊し夫を失った母は、翌朝、瓦礫の下で双子の姉弟が生きているのを知る。どちらか一人しか助けられないと言われ、「息子を・・・」と苦渋の選択をする母。息絶え絶えの中でその声を聞いていた姉は奇跡的に生き延び救援隊の夫婦の養女となる。そして32年が経ち、四川大地震の現場に駆けつけた姉は弟と再会する・・・
当初、2011年3月26日(土)に日本での公開を予定していましたが、その直前、3月11日に東日本大震災が発生。公開が延期されました。
東日本大震災から、早や4年が経とうとしています。実際に被災され、家族を亡くされた方たちにとっては、大震災は今なお現実のものだと思います。
本作は、大地震で被災された人々のその後と家族の絆を見つめた「心の復興」を描いた映画。4年経った今、この映画が公開される意味は、2011年の3月11日が過去のことになっている私たちに、被災された方々の気持ちを思い起こさせてくれることにあるのではと思います。(咲)
4年たって、東日本大震災があった後、再度、この作品を観ると、地震のシーンがより怖く感じられ、救援シーンもよりリアルに感じました。そして、東日本大震災から4年目の3月11日が来ました。この数日の震災地の状況がTVで映し出されると、復興が進んでいるところと、変わらないところの差が大きいことをあらためて思いました。それでも道路や線路が開通されたというニュースを見ると、少しづつでも復興は進んでいるのだと感じます。大地震の記憶が遠くになってしまわないようにしたいと思います。(暁)
『唐山大地震』馮小剛(フォン・シャオガン)監督インタビュー
2011年1月18日(火)
http://www.cinemajournal.net/special/2015/tozan/index.html
2010年/中国/35ミリ/135分
配給: 松竹メディア事業部
公式サイト:http://tozan-movie.com/
★2015年3月14日(土)より東劇、立川シネマシティほかで全国ロードショー