2015年01月29日

激戦 ハート・オブ・ファイト(原題:激戦 Unbeatable)

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監督・原案:ダンテ・ラム
出演:ニック・チョン(ファイ)、エディ・ポン(スーチー)、メイ・ティン(クワン)、ワン・バオ(チャ)、クリスタル・リー(シウタン)

ボクシング界でチャンピオンまで上り詰めながら、八百長に関与したと栄光の座から転落したファイ。借金取りに追われた挙句マカオへと逃げ、ジムの下働きにありついた。ファイが間借りしているのは、娘と2人暮らしのクワンの家。クワンは不注意から幼い息子を亡くし、夫から捨てられて心身が不安定になった女だった。小学生のシウタンはそんな母親を支えて暮らしている。日雇いのスーチーは元は資産家の御曹司だったが、父が破産して激変した生活から抜け出そうともがいている。MMM(総合格闘技)の高額な賞金を知ったスーチーは、再起をかけようとファイの働くジムを訪れる。

心も暮らしもどん底のファイとクワンとスーチーの3人。這い上がろうとするスーチーに手を貸したファイも、激しい特訓をしながら甦っていく。心が壊れたままに見えたクワンも、娘が懐くファイに信頼を寄せ、わずかずつ笑顔を取り戻す…と話は進み、お約束のように試練がやってきます。
ダンテ・ラム監督といえば警察・黒社会・銃撃・アクションと浮かんできますが、この作品は人間ドラマに重きが置かれています。それに加えてニック・チョンとエディ・ポンの鍛え上げた身体と、特訓を重ねたという格闘技に目を見張りました。
2013年の東京国際映画祭でいちはやく上映、公開までしばらくかかってしまいましたが忘れっぽい筆者にも強い印象を残しています。香港でも大ヒットし、「香港電影金像奨」ではニック・チョンが主演男優賞を受賞しています。授賞式の記事はこちら。(白)

大規模カジノや高層ビルが林立して、すっかり様相の変わってしまったマカオですが、ファイが身を寄せたアパートは、古びた一角。椰子の木並木のある昔ながらの面影を残す海沿いをジョギングしている場面もありました。
ボクシングや総合格闘技ときいて、ちょっと引いてしまったのですが、ニック・チョンが金像奨で主演男優賞を取ったとあっては逃せない!と観てみました。心に傷を負った男二人と母娘が心を通い合わせていく素敵な物語でした。サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」をポーランドのアニア・ダブロウスカがカヴァーした曲がしみじみと心に響きます。格闘技が苦手な方にもお勧めです。(咲)


2013年/中国・香港/カラー/116分
配給:カルチュア・パブリッシャーズ、ブロードメディア・スタジオ
(C)2013 Bona Entertainment Company Limited All Rights Reserved.
http://gekisen-movie.jp/

★2015年1月24日(土)より新宿武蔵野館ほかにて新春第2弾ロードショー
posted by shiraishi at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 香港 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア(原題:What We Do in the Shadows)

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監督・脚本:タイカ・ワイティティ、ジェマイン・クレメント
出演:タイカ・ワイティティ(ヴィアゴ)、ジェマイン・クレメント(ヴラド)、ジョナサン・ブローディー(コン)、コリ・ゴンザレス=マクエル(ニック)、スチュー・ラザフォード(スチュー)

ニュージーランの首都ウェリントンで共同生活を送っている4人の男たち。昼間は動かずに夜になると元気一杯で活動する。そう、彼らは現代のヴァンパイアなのだ!ヴィアゴ(379歳)、ディーコン(183歳)、ヴラド(862歳)、ピーター(8000歳)。ゆるく楽しく仲良く暮らしていたある晩、ピーターが大学生のニックをうっかり甘噛みしてしまい、ヴァンパイアに変えてしまった!
ヴァンパイアになりたてのニックは何かと問題の種を蒔く。親友のスチュー(人間)をシェアハウスに招き入れてしまった。ホッペが赤くて血色の良いスチューに思わず喉がごっくん…の4人、さてど〜なる?!

ドキュメンタリー風の作りです。ヴィアゴがこちらに向かって話しかけ、「お宅拝見」番組のように、各部屋とシェア友達を紹介していきます。この人懐こい舌足らずなヴィアゴはちょうど中間管理職のような立場で、年上と年下のパイプ役をつとめているようす。個性的という言葉でおさまらない濃い面々とパロディ満載のストーリー。仲良くシェア?というかミックス?されたゆるさとぶっ飛び加減に大笑いしました。監督・脚本を兼ねているタイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントのほかの作品も観たくなります。「なにこれ?!」と観始めて、観終わると大好きになっていることうけあい。各地の映画祭で観客賞を受賞しています。(白)

2014年/ニュージーランド/カラー//85分
配給:松竹メディア事業部
(C)Shadow Pictures Ltd MMXIV
http://www.shochiku.co.jp/swv/

★2015年1月24日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュージーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

おみおくりの作法(原題:STILL LIFE)

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監督・脚本:ウベルト・パゾリーニ
撮影:ステファーノ・ファリベーネ
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:エディ・マーサン(ジョン・メイ)、ジョアンヌ・フロガット(ケリー)、カレン・ドルーリー(メアリー)、アンドリュー・バカン(プラチェット氏)

ロンドンのケニントン地区で公務員として働くジョン・メイは44歳で独身。毎日決まった食事をとり、同じ道筋を役所に向かい、同じ手順で仕事をする。ジョン・メイの仕事は、孤独死した人の葬儀を執り行うこと。縁者を探して連絡をとっても、殆どの人はやってこない。たった一人で遺品の中から生前好きだったものやエピソードを探し、弔辞を書き、音楽を選んで旅立ちを見送る。長い間誠実に続けてきたのに、突如クビになってしまった。君のやり方は金と時間がかかりすぎる、と。最後の案件は、真向かいのアパートに住むアル中の男性ビリー・ストークだった。酒ビンだらけの乱雑な部屋で見つけた古いアルバムを手がかりに、ジョン・メイはビリーの足跡を辿る旅に出る。

ジョン・メイを演じるエディ・マーサンはよく脇役で見かける俳優さんです。地味ですが確かな演技力で、作品を支えるタイプの人。ジェームス・マカヴォイが最低な刑事を演じたクライム・コメディ(あまりの黒さに笑えませんでした)『フィルス』で、人の良い会計士役。ジョアンヌ・フロガットとそちらでも共演しています。
この作品では几帳面で寡黙な公務員を演じてよく似合います。あの部屋や机の上、食事のシンプルなことと言ったら!そんなジョン・メイがビリーの関係者を探すために、今までと全く違う毎日を送り表情も変化していきます。ビリーの娘ケリーをようやく見つけ出し、いつもの生真面目な顔が笑顔に変わるのですが・・・。
ジョン・メイが大切にしているアルバムの写真は、実際に一人で亡くなった方々のものだそうです。屈託のない笑顔の写真はその人が確かにいた証しでした。思わず自分の来し方行く末を思いました。生まれてくれば誰でもその旅を終える日がやってきます。生まれたときと一緒で自分では決められません。でもその途中をどんな日々にするかは自分次第。わが町にジョン・メイはいませんが、誠実に生きていけば、誰かが別れを惜しんで見送ってくれるはず。(白)


2013年/イギリス・イタリア合作/カラー/ビスタ/91分
配給:ビターズ・エンド
(c)Exponential (Still Life) Limited 2012
http://www.bitters.co.jp/omiokuri/

★2015年1月24日(土)シネスイッチ銀座ほかロードショー
posted by shiraishi at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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