2015年01月25日
ロード/デスティニー・オブ・TTライダー 原題:ROAD
監督・脚本・プロデューサー:ディアミッド・ラベリー、マイケル・ヒューミット
出演:ジョイ・ダンロップ、ロバート・ダンロップ、ウイリアム・ダンロップ、マイケル・ダンロップ、マーレー・ウオーカー
ナレーション:リーアム・ニーソン
アイルランド、マン島。
1949年に始まった公道で行われる世界選手権ロードレースに賭けるダンロップ・ファミリーの男たち。
閉鎖された公道を時速320kmで駆け抜ける驚愕のレース。
兄ジョイ・ダンロップは、5年連続世界チャンピオンを獲得。2000年7月、エストニアのレースで人生の終焉を迎える。享年48歳。死後14年になる今も、マン島TTレースの勝利記録は破られていない。
兄に憧れライダーとなった弟ロバート・ダンロップ。1994年のマン島TTレースで壁に激突。再起不能と言われたが蘇り、勝利を手にする。が、2008年5月、再びレースでの事故で命を落とす。
ロバートの二人の息子、長男ウィリアムと次男マイケルは、父がレース予選で亡くなった直後、決勝戦に挑む。大会本部は二人の精神状態を考え、出場停止を言い渡すが、誰も二人を止めることは出来なかった・・・
過酷なロードレースに賭ける男たちの栄光と悲劇を描いたドキュメンタリー。
父親の壮絶な死を目の当たりにした翌日に決勝戦に臨む息子たち。次男マイケルは、見事優勝する。まさに父へのはなむけ。勝利を手にした翌日、父の葬儀。その日の祖母の目が忘れられないと言うマイケル。長男ジョイを亡くし、喪失感で生きる気力を失った祖母。次男ロバートも逝ってしまい、もう生きる意味がないと語る。いつか孫も・・・という思いがよぎる姿が涙を誘う。それでも、危険な賭けをやめない男たち! 母や妻や子どもたちを差し置いても挑みたい気持ちはわからないでもないけど、私はやっぱり平々凡々静かに暮らしたい。といいながら、それを差し置いても魅力ある家族愛に溢れたドキュメンタリー! (咲)
2014年/イギリス映画/102分/英語
提供 Euro Pictures inc.
配給:レイドバックコーポレーション
公式サイト:http://road.euro-p.info/index.html
★2015年4月11日(土)よりシネマート新宿にてロードショー
二重生活 原題:浮城迷事 英題:Mystery
監督・脚本:ロウ・イエ
脚本:メイ・フォン、ユ・ファン
撮影:ツォン・ジエン(『スプリング・フィーバー』)
編集:シモン・ジャケ
音楽:ペイマン・ヤズダニアン(『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』『パリ、ただよう花』)
出演:(『天安門、恋人たち』)、チン・ハオ(『スプリング・フィーバー』)、チー・シー、ズー・フォン、ジョウ・イエワン、チャン・ファンユアン、チュー・イン
中国湖北省の省都、武漢。
ある雨の降りしきる日、崖下の道路で若い女性が若者たちの乗った車にはねられて亡くなる。
その一部始終を見ていた浮浪者がいた・・・
ルー・ジエは、優しい夫と可愛い娘に恵まれ、幸せに暮らしている。
ある日、娘アンアンと同じ幼稚園の男児ユイハンの母親サン・チーから、「夫に愛人がいるみたいなの」と打ち明けられる。窓の外に目をやると、夫ヨンチャオが若い女性とホテルから出てきて、キスしている。
青天の霹靂。ルー・ジエが夫の携帯を調べてみると、出会い系サイトの履歴。複数の女性とデートしているのを知る。
ある日、夫の後を追う。向かった先はサン・チーの家だった。ただの浮気相手だったサン・チーが男の子を産み、ヨンチャオの母親にも公認の家族になっていたのを知るルー・ジエ。
一方、雨の日に車にはねられて亡くなった女性の身元が判明する。女子大生シャオミン。検死結果、頭部に事故の前に打撃を受けた跡があることがわかり、ドン刑事は単なる交通事故ではなく、事件ではないかと疑う。携帯履歴から、事故の前に会っていたのがルー・ジエの夫ヨンチャオだと割り出す・・・
男の子を産み、いつかは本妻にと願うサン・チーが、浮気相手の女子大生シャオミンと別れさせるために本妻ルー・ジエを利用しようとするが、交通事故でシャオミンが亡くなるという思わぬ展開になってしまったのだった。だが、これを機に、ルー・ジエはヨンチャオと別れ、結果、サン・チーはヨンチャオと暮らし始める。
さて、あの雨の日、浮浪者が見ていた一部始終とは?
浮気するような男に見えないチン・ハオさんをヨンチャオ役にしているという友人がいるのですが、いかにも複数の女性と関係を持ってますという、ぎらぎらした顔をした男だけが浮気者じゃない。しら〜っと「あなただけを愛してる」と相手の女性に思わせ、世間にも誠実に思われている男が案外複数の女性と上手くやっていたりするもの。まぁ、それは男も女も同じ。それが、何かで発覚して事件になったらどうなるか?
男女の愛憎を軸に繰り広げられるサスペンス劇場といった趣だけど、背景には、中国の一人っ子政策の弊害や、金でことを片付ける風潮なども織り交ぜてあって、ロウ・イエ監督が久しぶりに中国で撮った作品は痛烈。(咲)
公開にあわせて来日したロウ・イエ監督にお話をお伺いしました。
特別記事でどうぞ!
『二重生活』 ロウ・イエ監督 インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2015/nijuu/index.html
配給:アップリンク
2012年/中国、フランス/98分/1:1.85/DCP
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/nijyuu/
★2015年1月24日(土)より、新宿K’s cinema、渋谷アップリンクほか全国順次公開