2014年12月06日

ベイマックス(原題:Big Hero 6)

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監督:ドン・ホール、クリス・ウィリアムズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ロバート・L・ベアード、ダニエル・ガーソン
音楽:ヘンリー・ジャックマン
オリジナル・サウンドトラック:ディズニー・レコード
ジュニアノベル:偕成社刊
声の出演:
スコット・アツィット/川島得愛(ベイマックス)、ダニエル・ヘニー/小泉孝太郎(タダシ)、ライアン・ポッター/本城雄太郎(ヒロ)、マーヤ・ルドルフ/菅野美穂(キャスおばさん)

最先端の技術が集まる街、サンフランソウキョウに住む14歳の天才少年ヒロは、ロボットを自作し、アンダーグラウンドの格闘技に夢中になっていた。ヒロを案じた兄のタダシは、自分の通う大学に連れて行く。研究仲間やロボット工学の教授に会ったヒロは、自分も大学で学ぶことを目標とする。そんな矢先、タダシは思いがけない事故で亡くなってしまう。
ヒロは最愛の兄の死を受け入れられず、親代わりのキャスおばさんの心配もよそに引きこもり続ける。タダシの部屋には最後に創り上げたものがあった。ヒロの目の前に現われたのは白くてふわふわのケアロボット ベイマックス。ベイマックスとタダシの友人たちのおかげで少しずつ元気を取り戻したヒロは、兄の死の裏に巨大な陰謀が隠されているのに気づいていく。

ケアロボット ”ベイマックス” 5つの特徴
・つぶらな瞳の丸い顔は[日本の鈴]からインスパイア!
・ロボットなのに、風船みたいに丸く膨らむ[柔らかボディ] 
・大きなおなかで、ペンギンみたいな[よちよち動き] 
・戦闘力も戦闘意識もゼロの[純粋無垢で優し過ぎる]性格
・傷ついた人の[心とカラダを守る]ことをプログラムされている


こんなケアロボット、うちにも一人来て欲しいものです。どんなにか癒されることでしょう。闘うことを禁じられているロボットがどうやってヒロを助け、巨悪に向かうのかは見てのお楽しみです。
東京国際映画祭でいち早くご覧になった方も、もう一度観たくなっているのではありませんか?日本にロケハンに来てたくさん撮りためたという写真や映像が生かされ、すみずみまで細かく描き込まれた作品なので、ストーリーや字幕を追わずにゆっくり見直したくなりますよね。『アナと雪の女王』では姉妹、今度は兄弟の絆と仲間の大切さが描かれて、子どもも大人も楽しめる作品です。(白)


2014年/アメリカ/カラー/シネスコ/1時間48分/2D、3D
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(c)2014 Disney. All Rights Reserved.
http://www.disney.co.jp/movie/baymax.html

★2014年12月20日(土)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

幸せのありか(原題:Chce sie zyc)

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監督・脚本:マチュイ・ピェプシツァ
撮影:パベウ・ディルス
出演:ダヴィト・オグロドニク(マテウシュ)、カミル・トカチ(マテウシュ少年期)、アルカディウシュ・ヤクビク(マテウシュの父)、ドロタ・コラク(マテウシュの母)、カタジナ・ザバツカ(マグダ)

1980年代、ポーランドが民主化への大きなうねりの中にいた時代、マテウシュは重い障害を持って生まれた。専門家に知的障害と診断され「植物と同じ。将来も良くなることはない」と決め付けられるが、知能は正常で伝える手段がなかっただけであった。しかし愛情深い両親のもとでマテウシュは成長していく。
星を見る楽しみを教えてくれた魔法使いのような父が亡くなった後、母も年老いて彼の世話ができず、姉が結婚したのを機に知的障害者の施設に入れられてしまった。伝えたい欲求は発作とみなされ、不満をかこつ日々。孤独と戦う彼の前に若く美しい看護師のマグダが現れる。

マテウシュを演じたカミル・トカチ(少年期)、ダヴィト・オグロドニクの演技に目が釘付けになりました。ダニエル・デイ=ルイスやムン・ソリもよかったけれどそれ以上。パントマイムを学び、施設に通い、長い時間をかけて体得したのだそうです。意志が伝えられず苦しむ姿、小さなできごとに喜びを見出すようす、純な心がまっすぐに伝わってきます。
言葉を発せない彼の心の声はナレーションで入り、ユーモアとシニカルな視線のセリフにくすりとさせられます。章ごとに現われる小さな記号がキーワード。ついにその記号を指して3つの単語″を伝えることができるマテウシュに思わずもらい泣き。誰もが心揺さぶられる要素がつまった作品です。モデルとなったプシェメクと、演じたダヴィトのツーショットがエンドロールで見られます。(白)
ポーランド映画祭2013では『ライフ・フィールズ・グッド』として上映。


2013年/ポーランド/カラー/107分
配給:アルシネテラン
(C)Trmway Sp.z.o.o Instytucja Filmowa“Silesia Film”, TVP S.A, Monternia.PL 2013
http://www.alcine-terran.com/shiawase/

★2014年12月13日(土)より、岩波ホールほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ポーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

あと1センチの恋(原題:Love, Rosie)

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監督:クリスチャン・ディッター
脚本:ジュリエット・トウィディ
原作:セシリア・アハーン「愛は虹の向こうに」
出演:リリー・コリンズ(ロージー)、サム・クラフリン(アレックス)、

イギリスの片田舎に住むロージーとアレックス。6歳のときからの幼なじみで大親友の彼らは、いつでもなんでも一緒。それぞれに恋人ができても打ち明けられる仲だった。将来は二人でアメリカのボストンに進学することを夢見てきた。しかし、ロージーがクラスメートのモテ男と一夜を共にし、妊娠してしまったことから二人は初めて離れ離れになる。ロージーは地元に残り、アレックスは一人ボストンへと旅立った。

原作はアイルランドのセシリア・アハーン。21歳で発表しベストセラーとなった処女作「P.S.アイラヴユー」(2007年に映画化)の翌年に書かれたこの原作は、将来について迷っていた自身の気持ちがロージーに投影されているそうです。白雪姫を演じたリリー・コリンズができちゃった婚の母親とは!大きくなった娘のほうがずっと大人っぽく見えます。
ずっと仲がいいのに、友達以上恋人未満から抜け出せず、すれ違いを繰り返す若い二人に、共感する人が多いことでしょう。いやいやずっと親友でいられるのが一番よ、と思うのは酸いも甘いも噛み分けてからかも。すれ違いがじれったいですが、そううまく行かないのが世の常。デート映画にぴったりです。(白)


2014年/ドイツ・イギリス合作/カラー/103分
配給:ファントム・フィルム
(c)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH
http://1cm-movie.com/

★2014年12月13日(土)新宿武蔵野館ほかにてロードショー
posted by shiraishi at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メビウス(英題:Moebius)

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監督・脚本・撮影・編集:キム・ギドク
出演:チョ・ジェヒョン(父)、ソ・ヨンジュ(息子)、イ・ウヌ(母/女)

夫婦と一人息子の裕福な家庭は、互いに言葉も交わさず冷え切っていた。夫と近所の若い女との情事を知った妻は激しい嫉妬にかられ、寝込んだ夫の性器を切り取ろうとする。夫に気づかれて失敗すると、彼女の怒りは同じ性器を持つ息子へと向かった。妻はそのまま出奔し、夫は血まみれの息子を病院へ運びこむ。

キム・ギドク監督作品は好きな人と、受け付けない人とはっきり分かれそうです。痛いのがダメな私は苦手なほうで(それでも10本は観ていた)、この作品もひええ〜と思いながら観終えました。セリフも音楽も廃して、ひたすら俳優の動きと息遣いを追うカメラは監督自身が担当。男と女、欲望を生む性器、そこから産まれる家族・・・みな表裏一体で、繋がっては元に戻って終りがない「メビウス」の輪なのだという監督。
嫉妬に狂う母と浮気相手の女性を同じ女優さんが演じているとは、プレスを見るまで気づかず。この妻がアップになる迫力あるポスターは、一家に一枚あると男性への「浮気封じ」になりそう。疚しいところがなくても怖すぎるのが難。(白)


2013年/韓国/カラー/83分/R18+
配給:武蔵野エンタテインメント
(C)2013 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.
http://moebius-movie.jp/

★2014年12月6日(土)より新宿シネマカリテほか全国公開
posted by shiraishi at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ニューヨークの巴里夫(パリジャン)(原題:Casse-tete chinois)

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監督・脚本:セドリック・クラピッシュ
出演:ロマン・デュリス(グザヴィエ)、オドレイ・トトゥ(マルティーヌ)、セシル・ドゥ・フランス(イザベル)、ケリー・ライリー(ウェンディ)、サンドリーヌ・ホルト(ジュー)

二人の子どもに恵まれ、小説家としてもそこそこ暮らしていけるようになったグザヴィエ。突然妻のウェンディから別居したいと言い渡される。ウェンディはニューヨークの恋人の元へ子どもを連れて旅立ち、一人取り残されてしまった。子どもの教育方針の違いから、そばにいなくてはと感じたグザヴィエは彼らを追ってニューヨークへ。旧友のイザベルの家に居候して子どもたちに会いに行く。ウェンディの今カレの豪華な住まいを訪ねたグザヴィエは、自分との落差に愕然とする。

セドリック・クラピッシュ監督による青春3部作の完結編。主人公の青年グザヴィエのバルセロナ留学時代『スパニッシュ・アパートメント』(2001)、フリーライターになった『ロシアン・ドールズ』(05)のその後。
取り立てて有能でもハンサムでもなく、ごく普通の迷える男子のグザヴィエに自分を重ねてみるファンが多いようです。この3部作とともに成長してきた人たちに、監督が愛溢れる完結編を贈ってくれました。前作を観ていない方はぜひおさらいを。いまやすっかり映画界を支えるスターとなった俳優たちの若き日が見られます。
ロマン・デュリスを初めて観たときは、その良さがもうひとつわからなかったのですが、こういう等身大のへたれっぷりを見ると親近感がわきます。ラストも気になる甥っ子が幸せになったようで、思わず「ああ、良かったね!」(白)


2013年/フランス・アメリカ・ベルギー合作/カラー/113分
配給:彩プロ

★2014年12月6日(土)Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ミタケオヤシン


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監督・構成・編集 江藤孝治
プロデューサー:田野稔 撮影:高橋慎二 音楽:岸剛 出演:加藤翼ほか

世界各地で参加型のアートプロジェクトをおこなっているアーティスト・加藤翼が
ネイティブアメリカンの人々とともに「引き興し」に挑戦する過程を追ったドキュメンタリー。
一般社団法人全日本テレビ番組製作社連盟が2012年度より発足させた
「ATP若手映画プロジェクト」の支援作品として制作された。

ネイティブアメリカンの人々の土地を侵略し、虐殺し、共同体を滅茶苦茶にして
親から子どもたちを奪い「ボーディングスクール」と呼ばれた寄宿学校に強制収容して
「使用人」にするべく教育した白人たち。先住民の文化も共同体も家族も破壊し
誇りを奪ったこの「同化政策」は、なんと1985年まで続いた。
日本人がこういうアートを試み、そのことを映画にしたことに
特別な意味があると感じました。
他人の痛みは、どこまでいってもわからないのが人間なのだろうか。
人間が人間を、ひどく痛めつけている。もう、こんなことは終わりにしたい。
先日、下北沢で開催されたトークショーに参加して来ました(千)

2014年/日本/カラー/80分
製作・著作:グループ現代 配給:ウッキー・プロダクション
★2014年12月6日(土)より新宿バルト9ほか全国順次ロードショー




posted by chie at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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