2014年11月21日

三里塚に生きる

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監督:大津幸四郎 代島治彦
プロデューサー:赤松立太 代島治彦 撮影:大津幸四郎
音楽:大友良英 朗読:吉行和子・井浦新 写真:北井一夫 題字:山田麻子

台湾国際ドキュメンタリー映画祭2014オープニング上映作品。
1960年代に始まった成田空港建設反対闘争を成田市三里塚の人々の証言から綴った
ドキュメンタリー。故小川紳介監督による三里塚シリーズなどを撮ったカメラマンの
大津幸四郎と映像作家・プロデューサーの代島治彦が共同で監督を務めた。
写真家・北井一夫が三里塚を撮った写真を織り交ぜながら国家権力に抵抗した人々の
様子が描かれている。 女優の吉行和子と俳優の井浦新が朗読を担当。

シネジャ最新号でも紹介したが、三里塚闘争など既に歴史の中の1ページとして
忘れ去り、ふつうに成田空港を利用していた私は、22歳で自死した
青年行動隊リーダー三ノ宮文男の遺書に衝撃を受けた。そして、同じく
元青年行動隊リーダーの柳川さんが今も続ける「静かな闘争」に目を見張った。
それは怒号や暴力とは無縁で、成田空港の第一滑走路と第二滑走路に挟まれた畑に、
ただ種を蒔き続け、作物を育てるというものだった。
足尾、水俣、新潟、福島、沖縄…いろんな地名が頭の中をぐるぐる回る。
同じことが幾度繰り返されるのだろう。他人の痛みや苦しみへの想像力を失った
人間の業は、果てしなく深い。柳川さんの静かな闘争に学び、自ら根本的に
変わろうとしなければ、このぐるぐる回る六道輪廻のような苦しみの輪から、
私たちは抜け出すことができないのかもしれない。 (千)

監督の大津幸四郎さん(80歳)が11月28日(2014年)に亡くなった。
肺がんだったそうです。小川伸介監督の『日本解放戦線・三里塚の夏』や、土本典昭監督の『水俣 患者さんとその世界』など、たくさんのドキュメンタリー作品で撮影を担当し、『三里塚に生きる』で監督デビュー。
三里塚闘争は、成田空港ができた時点で終わったと思っていたが、終わってはいないということを知らせてくれた作品だった。きっと三里塚闘争に関わってきた農民の人たちの思いを残しておきたいと思い、撮られたのだろう。10月、この作品の試写会&トークショーに来られた大津さんは、この作品への思いを語っていたが、声はかなりか細い感じだった。亡くなったことを知り、このときはすでにかなり病状は進んでいたのだなと思った。
『映画の都』『全身小説家』『ゆんたんざ沖縄』『チョムスキー 9.11』『三池 終わらない炭鉱の物語』『エドワード・サイード Out of Place』『はだしのゲンが見たヒロシマ』など、他にもたくさんの作品の撮影を担当していた。
ご冥福をお祈りします。 (暁)
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10月の試写会トークショー 左から:北井一夫、大津幸四郎、代島治彦


2014年/日本/140分 配給:スコブル工房
公式サイト
★2014年11月22日 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開




posted by chie at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする