2014年11月22日

スガラムルディの魔女   原題:LAS BRUJASDE ZUGARRAMURDI  英題:WITCHING AND BITCHING

sgarmurdi.jpg

監督・脚本:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:ウーゴ・シルバ、マリオ・カサス、カロリーナ・バング、テレール・パベス、カルロス・アレセス、カルメン・マウラ(『ボルベール〈帰郷〉』)

スペインの首都マドリードのプエルタ・デル・ソル広場。雑踏の中で突然銃撃戦が起こる。イエス・キリストに変装したホセを頭に、兵士、ミニーマウスなどのコスプレ大道芸人に成りすました強盗団が宝飾品買い取り店を襲撃。2万5000個の金の指輪を強奪し、通りがかったタクシーに乗り込んで北のフランス国境を目指して逃走する。パトカーを巻いたものの道に迷い、森の中にひっそり建つバーに立ち寄る。店を切り盛りする白髪の老女に場所を尋ねると、スガラムルディだという。それは魔女伝説の言い伝えで有名な村だった・・・

スガラムルディの母子3代の魔女と、ホセたち強盗団、はたまた追いかけてきた刑事たちが繰り広げるバトルは、こってりどろどろしたスペインテイスト。アレックス・デ・ラ・イグレシア監督独特の世界にクラクラ。おどろおどろしいのに、笑えます。一番気の毒なのは、強盗団を乗せてしまったタクシー運転手! 彼がまたいい味出してます。
スガラムルディはバスク地方のフランスとの国境すぐ近くにある人口200人ほどの小さな村。実際に魔女伝説が伝えられ、アケラレと呼ばれる魔女集会が行われていたとされる洞窟や、魔女博物館があるそうです。怖いもの見たさに、ちょっと行ってみたくなりました。(咲)


配給:松竹メディア事業部
後援:スペイン大使館 / セルバンテス文化センター東京
2013 年/スペイン/スペイン語/カラー/114 分/R-15
公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/iglesia/
★2014年11月22日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開


☆同時に公開される『刺さった男』については、「ミッキーの毎日・映画三昧」をご覧ください。
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/408223894.html
こちらも、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の鬼才ぶりを体験できる実にユニークな作品です。


posted by sakiko at 09:03| Comment(0) | TrackBack(0) | スペイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月21日

三里塚に生きる

200.jpg


監督:大津幸四郎 代島治彦
プロデューサー:赤松立太 代島治彦 撮影:大津幸四郎
音楽:大友良英 朗読:吉行和子・井浦新 写真:北井一夫 題字:山田麻子

台湾国際ドキュメンタリー映画祭2014オープニング上映作品。
1960年代に始まった成田空港建設反対闘争を成田市三里塚の人々の証言から綴った
ドキュメンタリー。故小川紳介監督による三里塚シリーズなどを撮ったカメラマンの
大津幸四郎と映像作家・プロデューサーの代島治彦が共同で監督を務めた。
写真家・北井一夫が三里塚を撮った写真を織り交ぜながら国家権力に抵抗した人々の
様子が描かれている。 女優の吉行和子と俳優の井浦新が朗読を担当。

シネジャ最新号でも紹介したが、三里塚闘争など既に歴史の中の1ページとして
忘れ去り、ふつうに成田空港を利用していた私は、22歳で自死した
青年行動隊リーダー三ノ宮文男の遺書に衝撃を受けた。そして、同じく
元青年行動隊リーダーの柳川さんが今も続ける「静かな闘争」に目を見張った。
それは怒号や暴力とは無縁で、成田空港の第一滑走路と第二滑走路に挟まれた畑に、
ただ種を蒔き続け、作物を育てるというものだった。
足尾、水俣、新潟、福島、沖縄…いろんな地名が頭の中をぐるぐる回る。
同じことが幾度繰り返されるのだろう。他人の痛みや苦しみへの想像力を失った
人間の業は、果てしなく深い。柳川さんの静かな闘争に学び、自ら根本的に
変わろうとしなければ、このぐるぐる回る六道輪廻のような苦しみの輪から、
私たちは抜け出すことができないのかもしれない。 (千)

監督の大津幸四郎さん(80歳)が11月28日(2014年)に亡くなった。
肺がんだったそうです。小川伸介監督の『日本解放戦線・三里塚の夏』や、土本典昭監督の『水俣 患者さんとその世界』など、たくさんのドキュメンタリー作品で撮影を担当し、『三里塚に生きる』で監督デビュー。
三里塚闘争は、成田空港ができた時点で終わったと思っていたが、終わってはいないということを知らせてくれた作品だった。きっと三里塚闘争に関わってきた農民の人たちの思いを残しておきたいと思い、撮られたのだろう。10月、この作品の試写会&トークショーに来られた大津さんは、この作品への思いを語っていたが、声はかなりか細い感じだった。亡くなったことを知り、このときはすでにかなり病状は進んでいたのだなと思った。
『映画の都』『全身小説家』『ゆんたんざ沖縄』『チョムスキー 9.11』『三池 終わらない炭鉱の物語』『エドワード・サイード Out of Place』『はだしのゲンが見たヒロシマ』など、他にもたくさんの作品の撮影を担当していた。
ご冥福をお祈りします。 (暁)
左から:北井一夫、大津幸四郎、代島治彦.jpg
10月の試写会トークショー 左から:北井一夫、大津幸四郎、代島治彦


2014年/日本/140分 配給:スコブル工房
公式サイト
★2014年11月22日 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開




posted by chie at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月15日

天才スピヴェット(原題:L'extravagant voyage du jeune et prodigieux T.S. Spivet)

tensaispivet.jpg

監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:「T・S・スピヴェット君 傑作集」(早川書房刊)
撮影:トマス・ハードマイアー
美術:アリーヌ・ボネット
出演:カイル・キャトレット(T・S・スピヴェット)、ヘレナ・ボナム=カーター(母 クレア博士)、カラム・キース・レニー(父 テカムセ・E・スピヴェット)、ニーアム・ウィルソン(姉 グレーシー)、ジュディ・デイヴィス(G・H・ジブセン)

スピヴェットは10歳の天才科学者。カウボーイの生き方を目指す父、昆虫博士の母、スターを夢見る姉、父のお気に入りの元気な双子の弟とモンタナの牧場で暮らしている。ある日弟が銃の事故で亡くなり、それ以来家族の心には、ポッカリと穴が空いてしまった。スピヴェットはバラバラになった家族を繋ぎ合わせようとひとり苦心する。
スピヴェットの発明がスミソニアン博物館の科学賞に決定し、彼は誰にも告げず授賞式に出席することにした。モンタナから大都市ワシントンD.C.までは、大陸横断の長い旅。小さなスピヴェットは無事たどり着くことができるのか。

『アメリ』のジュネ監督が送り出す3D最新作。並外れた才能は田舎で発揮することもできず、弟の死以来孤独な天才少年スピヴェット。大きなスーツケースを引きずっての一人旅に、孫を見るようにハラハラ。しか〜し、そこはジュネ監督、ユーモアを織り交ぜながらちゃんと先導してくれます。『ロング・エンゲージメント』『ミックマック』でもジュネ監督と組んだアリーヌ・ボネットの美術がすみずみまで楽しいです。
スピヴェットを演じるカイル・キャトレットは、7歳以下の武道選手権の世界チャンピオンで、ロシア語始め6ヶ国語を話す天才少年。アジアンプレミアとなった東京国際映画祭にジュネ監督とゲストで登場。人気子役の鈴木福くんと顔合わせしたようです。(白)


2014年/フランス、カナダ/カラー/105分/2D,3D
配給:ギャガ
(C)EPITHETE FILMS - TAPIOCA FILMS - FILMARTO - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA
http://spivet.gaga.ne.jp/
★2014年11月15日 シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開
posted by shiraishi at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ショート・ターム(原題:shortterm12)

short.jpg

監督・脚本:デスティン・ダニエル・クレットン
撮影:ブレット・ポウラク
出演:ブリー・ラーソン(グレイス)、ジョン・ギャラガー・Jr(メイソン)、ケイトリン・デヴァー(ジェイデン)、キース・スタンフィールド(マーカス)、ラミ・マレック(ネイト)

「ショート・ターム」は様々な事情で親と暮らせないティーンエイジャーの短期保護施設。20代のグレイスは、入所している子どもたちからの信頼も厚いケアマネージャー。今朝も外へと走り出すサミーを間一髪抱き止めるのに成功した。新人職員のネイトは不用意な発言をして、寡黙なマーカスを怒らせてしまう。マーカスは18歳になったらこの施設を出なければならない。
ジェイデンという新しい少女が加わった。誕生日に父が来ないと荒れるジェイデン、心のよりどころの人形を取り上げられて引きこもるサミー、施設では大小の事件がひっきりなしに起こる。

デスティン・ダニエル・クレットン監督の体験を盛り込んだ20分の同名短編(サンダンス映画祭で審査員賞)を長編版にリメイクしたもの。グレイスは長編を作るにあたって新しく創作されたキャラクターなのだとか。自身も問題を抱え、見ないようにしてきた事実を、施設の子どもたちと触れ合うことで認め、乗り越えていきます。個性溢れる子どもたち、優しくグレイスを包むメイソン、あまり馴染みのない俳優だったからか、自分の目に色がついていなくて誰もが実際にそこにいる人に見えました。多くの映画祭で上映され、数々の賞を獲得しています。(白)

2013年/アメリカ/カラー/97分
配給:ピクチャーズデプト
(C)2013 Short Term Holdings, LLC. All rights reserved.
http://shortterm12.jp/

★2014年11月15日 ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開
posted by shiraishi at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

6才のボクが、大人になるまで。(原題:Boyhood)

6sainoboku.jpg

監督・脚本:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン(メイソン)、ローレライ・リンクレイター(サマンサ)、パトリシア・アークエット(オリヴィア)、イーサン・ホーク(メイソン・Sr.)

米テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、母と姉サマンサと暮らしている。ミュージシャンを夢見る父は離婚して遠くにいる。家計を背負って働く母はキャリアアップのために大学に入学した。ヒューストンに転居して、父と再会する。母は大学の教授だったビルと再婚。ビルの子どもたちとは仲良くなるが、アル中のビルは暴力を振るうようになり、3人は着の身着のままで逃げ出す。青春期を過ごし大人になっていくメイソンとサマンサ。大学を卒業して教鞭をとるようになった母。父も再婚して子どもが生まれる。

4人の俳優が、12年間同じ役を演じ続けたなんとも贅沢な作品。天使のような可愛い男の子だったメイソンが18歳の若者になり、自分の道を見つけて旅立つまでが描かれます。逞しい母親を演じたパトリシア・アークエットは、細身だったのが体つきまで逞しくなっていて、子どもの成長とともに時間を感じさせます。イーサン・ホークはあまり変わらず、いつも子どもの目線寄りの父親が似合っていました。
間になにげなくその時代を感じるものをはさみながら、一人の少年の成長を淡々と追う作品ですが、少しも長いと感じませんでした。ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)受賞。(白)


2014年/アメリカ/カラー//165分
配給:東宝東和
(c)2014 boyhood inc./ifc productions I, L.L.c. aLL rights reserved.
http://6sainoboku.jp/
★2014年11月14日(金)TOHOシネマズ シャンテ他にて公開
posted by shiraishi at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする