2014年09月21日

アルゲリッチ 私こそ、音楽!  (原題: BLOODY DAUGHTER)

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監督:ステファニー・アルゲリッチ
製作:ピエール・オリヴィエ・バルデ(『パリ・オペラ座のすべて』『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』)、リュック・ピーター
出演:マルタ・アルゲリッチ、スティーヴン・コヴァセヴィッチ、ロバート・チェン

マルタ・アルゲリッチ。
1941年6月5日、アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。
24歳の時、世界最高峰と称されるワルシャワのショパン国際ピアノコンクールで優勝。
その後、世界のあらゆる著名オーケストラとの共演を果たす。
1998年に別府アルゲリッチ音楽祭の総監督に就任し、日本とも縁を持つ。
現在、世界最高のピアニストといわれる一人として、世界各地で演奏を続けている。

私生活では、父親の違う3人の娘を持つ。
長女リダ。ヴィオラ演奏家。父は中国人指揮者ロバート・チェン。マルタとは一度も一緒に暮らしていない。
次女アニー。ジャーナリスト。父はスイス人指揮者シャルル・デュトワ。子供のころ、忙しい母に代わって、妹ステファニーの面倒をみていた。
三女ステファニー。本作の監督。父はピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィッチ。父には、マルタとは別のふたりの女性との間に生まれた3人の息子がいる。
本作は、三女であるステファニーが撮った、母として、女として、そして名ピアニストとしてのマルタの素の姿。

小さい頃から、母の演奏旅行にはほとんどついていったステファニー。奔放で、気ままなマルタの姿も、ずっとそばで母を見てきた娘だからこそ率直に描いている。
一方で、子どもの頃にはほとんど一緒に過ごしたことのない父とは、この映画を通じて距離を縮めることができたとステファニーは言う。
どんなに有名なピアニストであっても、娘にとっては、母と父。
様々な家族の形があることも、この映画は見せてくれる。
人からどう思われようと、好きなように生きればいいという勇気を与えてくれる映画でもある。(咲)


配給:ショウゲート
2012/フランス・スイス/96分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
公式サイト:http://www.argerich-movie.jp/
★2014年9月27日(土)より、Bunkamuraル・シネマほかにて公開!
posted by sakiko at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ファーナス 訣別の朝(原題:Out of the Furnace)

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監督:スコット・クーパー
脚本:ブラッド・インゲルスビー、スコット・クーパー
撮影:マサノブ・タカヤナギ
出演:クリスチャン・ベール(ラッセル・ベイズ)、ウッディ・ハレルソン(ハーラン・デグロート)、ケイシー・アフレック(ロドニー・ベイズ・Jr.)、フォレスト・ウィテカー(ウェズリー・バーンズ)、ウィレム・デフォー(ジョン・ペティ)、ゾーイ・サルダナ(リナ・テイラー)、サム・シェパード(父)

米ペンシルバニア、溶鉱炉(ファーナス)からのぼる白煙が絶えない鉄鋼業の町ブラドック。ラッセルは年老いた父親の面倒を見ながら製鉄所で働いている。恋人リナとささやなか幸せをはぐくみ、貧しいながら穏やかに生活していた。しかし、弟ロドニーがイラク戦争から戻ってきた。この街を嫌い、兵役についたロドニーはラッセルが勧める製鉄所の仕事をしようとはしない。心に戦時の大きな傷をかかえたまま、ラッセルが気づかないうちに裏の世界に近づき、飲み込まれようとしていた。

キャストの面々が豪華!製作陣にはリドリー・スコット、レオナルド・ディカプリオらが名を連ねています。主人公のラッセルは煤けた街に暮らす労働者で、家族思いの寡黙な男です。犯罪組織に足を絡め取られ、命の危険にさらされた弟のために立ち上がります。衣装も灰色っぽいものばかり、派手なカーチェイスやアクションもありませんが、日本なら若き日の高倉健さんが主人公か?というタイプの作品。過激なほどの役作りをするクリスチャン・ベールが抑えた演技で説得力があります。溶鉱炉(ファーナス)がタイトルになったのは、街のシンボルであるばかりでなく、地味な男の内側に滾る思いも表しているのでしょう。(白)

2013年/アメリカ/カラー/116分/
配給:ポニーキャニオン
http://furnace-movie.jp/
★2014年9月27日(土)新宿ピカデリーほか全国公開
posted by shiraishi at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

記憶探偵と鍵のかかった少女(原題:Mindscape)

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監督:ホルヘ・ドラド
脚本:ガイ・ホームズ
出演:マーク・ストロング(ジョン・ワシントン)、タイッサ・ファーミガ(アナ・グリーン)、ブライアン・コックス(セバスチャン)、サスキア・リーブス(ミシェル・グリーン)、リチャード・ディレイン(ロバート・グリーン)

ジョン・ワシントンは他人の記憶の中に入り込む特殊能力を持つ「記憶探偵」。数々の難事件を解決してきた彼に「部屋から出ず絶食している娘のトラウマを解消してほしい」という依頼が舞い込んだ。森の中の豪邸に住む資産家の娘のアナは16歳。高い知能を持ち繊細なアナは、子どものころから変わったところがあり、いろいろと問題を起こしてきたという。母親はアルコール依存症になり、義父はアナを施設に入れようとしていた。
ジョンがアナの記憶に入って見たものは、少女には過酷すぎるできごとだった。ジョンは真実をさぐるためにアナの周辺の人々に話を聞いて回るが、彼らの証言はアナの記憶とは違っていた。

証言はすべて記憶によるものです。同じできごとを体験しても、その人によって焦点を合わせるものが異なるので、見え方と記憶に違いが出てきます。時間がたてばますますずれが大きくなるでしょう(これは私自身もたびたびあり、家族や友人達との笑い話のタネになっています)。
それでも多くの記憶の断片を寄せ集め、すり合わせて、数々の名刑事、名探偵が事件を解決してきました。記憶探偵は他人の記憶を見ることができますが、それが正しいとは限りません。見たいものしか見ていないものだし、後から無意識に修正も加わるからです。
そんなリスクも抱えながら記憶探偵は真実を追究します。わりあい早くに予想がついてしまいますが、ジョンが記憶の中に入り込む映像、豪邸の内部など撮影と美術が美しいです。スペイン期待の監督のもとに、よりぬきのスタッフが集結したのだとか。
猛禽類を思わせる厳しい顔立ちのマーク・ストロングは、よく主人公の上司や敵役で見る俳優です。初の単独主演。タイッサ・ファーミガはヴェラ・ファーミガの21歳も年の離れた妹。ミステリアスな美少女の未来は開かれるのか、劇場でご覧下さい。(白)


2013年/アメリカ/カラー/99分/
配給:アスミック・エース
Stills photographs by Quim Vives - Copyright (C) 2013 OMBRA FILMS, S.L. - ANTENA 3 FILMS, S.L.U. - MINDSCAPE PRODUCTIONS, S.L. - THE SAFRAN COMPANY - OMBRA FILMS, LLC.
http://kiokutantei.asmik-ace.co.jp/


★2014年9月27日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月20日

アバウト・タイム 愛おしい時間について(原題:About Time)

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監督:リチャード・カーティス
出演:ドーナル・グリーソン(ティム)、レイチェル・マクアダムス(メアリー)、ビル・ナイ(ティムの父親)、トム・ホランダー(ハリー)、マーゴット・ロビー(シャーロット)

イギリス南西部のコーンウォールに住む青年ティム。仲の良い両親と妹の家族に恵まれていたが、気弱で自信
がないためいまいちな毎日を送っていた。ところが21歳の誕生日、父から重大な秘密を明かされる。ティムの一族の男性にはタイムトラベルの能力があるというのだ。ただし未来には行けず、自分の過去に戻れるだけ。お金儲けに使おうとすると悪いほうに転がるらしい。方法はとても簡単。さっそく「やり直し」を試してみる。
ロンドンで働くようになったティムは、明るくてチャーミングなメアリーに出会って恋に落ちてしまう。彼女に好かれようとタイムトラベルをさっそく活用するのだった。

「失敗した!」「やっちゃった〜!」と後悔することは多々あります。その時間に戻ってやり直せたらどんなに良いでしょう。このタイムトラベルはそれを可能にするもので、なんだかズルイ。それも男性にだけ受け継がれているという…。スマートな父親もそうやってそこそこ成功しているんですよね。私だってやってみたい。
初めの小さな変化が後々大きな現象へと発展してしまう「バタフライ効果」というのがあります。しょっちゅうそんなやり直しをしていたら、いろいろとマズイんじゃない?と思いますが、その辺はスルーして、ティムの奮闘ぶりを鑑賞しましょう。なかなか楽しい展開です。
ティム役のドーナル・グリーソンは、ハリー・ポッターの親友ロン・ウィーズリーのお兄さんビルで登場していました。レイチェル・マクアダムスは昨年『パッション』でミステリアスな悪女に扮していましたが、この作品では笑顔全開でかなり可愛いです。(白)


2013年/イギリス/124分/シネスコ
配給:シンカ、パルコ
(C)Universal Pictures
http://abouttime-movie.jp/

★2014年9月27日(土)より全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古(原題:Peter Brook: The Tightrope)

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監督:サイモン・ブルック
音楽:土取利行、フランク・クラフチク
出演:ピーター・ブルック、笈田ヨシ、シャンタラ・シバリンガッパ、マルチェロ・マーニ、ヘイリー・カーミッシェル、、ジョシュ・ホーバン

世界的な演出家ピーター・ブルックのワークショップの風景を、息子さんのサイモン・ブルックが2週間にわたって密着して記録しました。5台の隠しカメラが演出家と音楽家、俳優達の邪魔をすることなく、彼らの表情と動きを捉えています。広い稽古場に敷かれた絨毯、その上に「1本のロープがある」として、つぎつぎと俳優たちが綱渡りをしていきます。微笑みながら見ているピーター・ブルックが、ときおり短い言葉を挟みます。実際の公演も簡素な装置のみで、俳優の創造力と表現力を最大限発揮させた舞台が繰り広げられるようです。ヨシ、トシと呼ばれる日本人がお二人。俳優の笈田ヨシさん、音楽家の土取利行さん。ともに30年以上ピーター・ブルックとのコラボを続けています。
ピーター・ブルックは1925年生まれ。上品なおじい様という感じです。笈田ヨシさんは1933年生まれで80代というのにあの若々しさはなんなんでしょう。
演劇を志す人ばかりでなく、何かを創りだしたい人の心に響くことがたくさんあります。(白)


2012年/フランス、イタリア合作/カラー/86分/
配給:ピクチャーズデプト
(C)Brook Productions/Daniel Bardou
http://peterbrook.jp/

★2014年9月20日(土)より 渋谷 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
posted by shiraishi at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする