2014年08月23日

水の声を聞く 

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監督・脚本:山本政志 
プロデューサー:村岡伸一郎
出演:玄里(ヒョンリ)、趣里、村上淳、鎌滝秋浩、中村夏子、萩原利久、松崎颯、薬袋いづみ、小田敬

東京・新大久保コリアンタウン。
在日韓国人のミンジョンは、友人の美奈に頼まれ占いを行う巫女役を引き受ける。見よう見まねのにわか巫女だったが、評判を呼び、やがて新興宗教団体「真教・神の水」が設立され、ミンジョンは教祖様となる。救済を求めて信者は増え、それに乗じて一儲けしようと広告代理店の男も現れる。自分を頼ってくる信者たちと、宗教を金儲けの手段にしようとする人々との板挟みに耐えられなくなったミンジョンは、ある日、突然いなくなってしまう。信者の前に美奈が身代わり巫女となって現れる・・・

玄里演じるミンジョンは、透明感があって、彼女が教祖様なら信じてついていく人たちがいるのも納得。インチキ宗教とわかっていても、巫女を演じるうちに悩む人々を救いたいという思いにかられるミンジョン役を玄里は見事に演じています。
そして、ミンジョンが突然いなくなって、訪ねる先は済州島。ここで、彼女の父親が、1948年の43事件(*注)を機に、家族を連れて日本に逃げてきたことが判明します。ミンジョンは、済州島に帰ってしまったお祖母さんに会いに行くのです。
映画の中盤まで、あやしげな新興宗教団体の話かと思っていたら、後半になって、ぐっと映画が社会的なものになっていきます。在日朝鮮(韓国)人になぜ済州島出身の人が多いのかに思いが至ることと思います。(咲)

*注:43事件  
1948年4月3日、米国が後押しする南朝鮮だけの単独選挙に反対して、済州島の一部島民が武装蜂起。それに対し、米軍と韓国軍が、「海岸線五Km以外にいる人間は暴徒と見なし、無条件で射殺する」という焦土作戦を実行したもの。弾圧は1954年まで続き、3万人以上が無差別虐殺の犠牲になったと言われていますが、つい最近までこの事件のことを口にするのはタブーとされていました。
オ・ミヨル監督が2012年に製作した『チスル』で43事件が描かれています。


製作:CINEMA☆IMPACT
2014年/カラー/HD/129分
公式サイト:http://www.mizunokoe.asia/
★2014年8月30日(土)〜9月23日(火)オーディトリウム渋谷にてロードショー
posted by sakiko at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子(原題:De toutes nos forces)

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監督・脚本:ニルス・タベルニエ
出演:ジャック・ガンブラン(ポール)、アレクサンドラ・ラミー(クレール)、ファビアン・エロー(ジュリアン)

車椅子で生活しているジュリアンの父ポールが失業し、山奥の仕事場から帰宅することになった。ジュリアンは不在がちだった父が戻ってくるのを楽しみにしていた。しかしずっと離れて暮らしていたポールは、妻に任せきりだった息子にどう接していいのかわからない。ジュリアンは父親が若いときにトライアスロンに出場していたことを知り、自分も一緒に出たいとせがむ。到底無理だとはねつけるポールだったが、ジュリアンの強い決意とまわりの後押しでついに気持ちが動く。

マラソンだけでも難行苦行なのに、水泳と自転車が加わるアイアンマンレース。車椅子の息子と参加?!と驚きました。殆ど父親が負うことになるのに大丈夫なの?
そのガンコで不器用な父親を『最初の人間』のジャック・ガンプラン、自立心旺盛な息子を、監督が障がい者の施設を巡って発掘したファビアン・エロー。周囲を照らすような笑顔を見せます。
ジュリアンは父と過酷なレースに参加して、親子の距離を縮めるだけでなく自分自身も見えない階段を上がります。母にくるまれるように保護されて育ってきたところから、抜け出していく彼を応援したくなります。問題山積みの前途がどうなるのかは劇場で。(白)


2013年/フランス/カラー/90分
配給:ギャガ
(C)2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
http://greatdays.gaga.ne.jp/

★2014年8月29日(金)TOHOシネマズ 日本橋、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マルティニークからの祈り   原題:Way Back Home

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監督:パン・ウンジン(『容疑者X 天才数学者のアリバイ』)
出演:チョン・ドヨン、コ・ス

ジョンヨン(チョン・ドヨン)は、夫ジョンベ(コ・ス)が始めた小さな自動車修理工場を手伝いながら、一人娘ヘリン(カン・ジウ)を育てている平凡な主婦。人のいいジョンベが連帯保証人になっていた友人が自殺し、2億ウォンの返済義務が生じてしまう。工場も手放し、家も追い出され、途方に暮れていたところに、南米ガイアナからフランスまで「金の原石」を運べば、高額の謝礼が得られると持ちかけられる。運び屋は女性に限ると言われ、海外旅行もろくにしたことのないジョンヨンが南米に飛ぶ。そして、パリ・オルリー空港に着いたところで、麻薬密輸容疑で逮捕されてしまう。フランス語も英語もわからないジョンヨンには、何が起こったのか訳がわからないまま拘束され、3ヶ月後には中南米のフランス領マルティニークの刑務所に移送される・・・

妻の逮捕を知って、ジョンベは妻を助けようと必死になって韓国の警察や駐フランスの韓国大使館に掛け合いますが、「罪を犯した」者に対しつれない態度。ジョンヨンは、言葉も通じない刑務所暮らしに身も心もぼろぼろ、時折届く夫からの手紙や娘の写真が心の支え。運び屋の仕事を持ちかけた友人が逮捕され、ジョンヨンの無実を証言してくれるも、その大事な書類も大使館の書類の山の下に。
やがて、この事件のことをジョンベの後輩がネットに投稿したことから、テレビ局がマルティニークにジョンベを連れて取材に行きます。再会したジョンヨンの疲れ果てた姿に、申し訳ない思いでいっぱいのジョンベ。
マルティニークには韓国人がいないから通訳も付けられないと大使館員から言われていたのですが、ネットの投稿を見て、留学生が名乗りをあげてくれます。大使館員も、これだけ話題になると動かないわけにはいきません。やっとマルティニークにジョンヨンを訪ねることにするのですが、大使館員の脳裏に浮かんだのは美しいカリブ海。遊び半分なのが見え見え。(私にはマルティニークという地名は初耳でしたが、妹は映画のタイトルを見て、カリブ海の話?と言うくらい、リゾート地として有名なところなのですね。)

カンヌ映画祭で主演女優賞を受賞しているチョン・ドヨンが、突然逮捕されて途方に暮れるごくごく平凡な主婦を体現。甘い顔立ちのコ・スも、自分のせいで遠く離れた監獄にいる妻を何とか救いたいと奔走する夫を好演しています。
本作は、女優出身のパン・ウンジン監督が、2年もの間、言葉の通じない刑務所に収監されていた韓国人主婦のことを知って衝撃を受け、映画化したもの。「映画よりも映画のような事件が起きるのが、私たちが生きるこの現実世界」と語っています。

知らない間に麻薬や密輸の片棒を担いで、異国で収監された日本人の話も時折ニュースになります。思えば、私が1979年に初めて香港に行った時、駐在員の方から、あつらえた靴3足を本社の役員に届けてほしいと預かったことがありました。成田空港で、「預かり物はありますか?」と訪ねられ、正直に「あります」と答えたら、スーツケースを開けて見せる羽目に。下手をしたら、靴底まで調べられそうな勢いでした。人から物を預かることの怖さのようなものを初めて感じたひと時でした。(もちろん、駐在員の方を信用していたので、問題は全くなかったのですが)
パキスタン航空に乗った時に、ちょっとウルドゥー語を使ってみたためにパーサーに気に入られ、飲み物を足繁く届けてくれたりしたのですが、イスラマバード空港に近づいた時、「機長の荷物を持って降りてくれないか」と頼まれました。これは、絶対ヤバイ! 言葉がわからないフリをしてとぼけました。 ほいほい気楽に預かっていたら、もしかしたら収監されていたかも? (咲)


配給:CJ Entertainment Japan
2013年/韓国映画/カラー/韓国語・フランス語・英語/131分
公式サイト:http://martinique-movie.com/
★2014年8月29日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
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コピーライトマーク2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
posted by sakiko at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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