2014年08月17日

「台湾巨匠傑作選」と新作『セデック・バレの真実』

台湾巨匠傑作選〜ホウ・シャオシェン‖エドワード・ヤン‖アン・リー‖ウェイ・ダーションの世界〜
期間:8月23日〜9月15日
会場:新宿 K’s cinemaほか全国順次公開
http://www.u-picc.com/taiwan-kyosho/

侯孝賢(ホウ・シャオシェン)、楊徳昌(エドワード・ヤン)、李安(アン・リー)、魏徳聖(ウェイ・ダーション)の4人の監督の代表作を一挙上映するほか、新作ドキュメンタリー映画『セデック・バレの真実』(原題:餘生)も同時公開されます。

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(C)ARS Film Production

『セデック・バレの真実』(原題:餘生)
監督:タン・シャンジュー
製作:ウェイ・ダーション,ホアン・ジーミン
撮影:ヤオ・ホンイー
美術:チウ・ロウルー

―『セデック・バレ』2部作(2011)で描かれた「霧社事件」の真実を探る―
1930年10月27日、日本統治下の台湾で、先住民セデック族による大規模な抗日暴動事件が起こり、140人の日本人が殺害された。その後の日本軍の猛攻により、1000人の先住民が死亡、生存者550人が投降した。
この事件の加害者、被害者それぞれの遺族や歴史学者へのインタビューに加え、セデック族発祥の地と言われる巨石「プスクニ」を探す旅を記録したドキュメンタリー。

2013年/台湾/カラー/154分/
配給:オリオフィルムズ、マクザム

2013年の『セデック・バレ』(第一部:太陽旗 第二部:虹の橋)日本での公開にあたり、ウェイ・ダーション監督と俳優ダーチンさん来日記者会見&インタビューをシネマジャーナル特別記事に掲載しています。こちらもご覧下さい。(本誌88号にも抜粋を掲載)
http://www.cinemajournal.net/special/2013/seediq/index.html
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プロミスト・ランド(原題:Promised Land)

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監督:ガス・ヴァン・サント
原案:デイヴ・エッガース
脚本:ジョン・クラシンスキー、マット・デイモン
出演:マット・デイモン(スティーヴ・バトラー)、ジョン・クラシンスキー(ダスティン・ノーブル)、フランシス・マクドーマンド(スー・トマソン)、ローズマリー・デウィット(アリス)

スティーヴ・バトラーは大手エネルギー会社のやり手社員。シェールガスの掘削権を安く手に入れるためあちこちの田舎町に出向き、大きな業績を残してきた。農場と牧場のほかなにもない街で弁舌たくみに売り込みをしていくスティーヴとパートナーのスー。相場より安くどこよりも早くがモットーだ。農場主たちと契約のための根回しを済ませ、今回もいつもどおりことが進むはずだったが、思わぬ伏兵がたちはだかる。

マット・デイモンが製作・脚本・主演をつとめ、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のガス・ヴァン・サント監督と再びタッグをくんだ社会派作品。
シェールガスは頁岩(けつがん/シェール)層から掘り出される、新しい天然ガス。北米では20年代には天然ガスの5割を占めると予測されているそうです。シェールガスについて今回初めて知りましたが、これが埋蔵されている地域ではとてつもないお金がからんでくるので、大きな社会問題になっているようです。映画は住民と企業の対立やその後の問題にも触れていますが、メインとなるのは企業戦士のスティーヴがこれまでまい進してきた仕事に疑問を持ち、葛藤するところです。
ジョン・クラシンスキー(環境活動家のダスティンとして出演)とマット・デイモンが製作と脚本にあたり、当初はマット自身が監督の予定でしたが、スケジュールが捻出できずガス・ヴァン・サント監督に頼んだのだとか。実現すればこれが初監督作品だったはず。俳優として充実していても自分の手で作りたいものなのですねぇ。初めての街に到着したスティーブとスーの準備のやりとりが面白く、住民や活動家たちとのかけひき、スティーブが素の自分に戻る様子、ロケ地の豊かな自然など見所いっぱい。(白)


2012年/アメリカ/カラー/106分/ビスタ
配給:キノフィルムズ
(C)2012 Focus Features LLC. All Rights Reserved
http://promised-land.jp/
★2014年8月22日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月13日

ホン・サンス監督最新作 『ヘウォンの恋愛日記』『ソニはご機嫌ななめ』2作品同時公開

◆『ヘウォンの恋愛日記』
監督:ホン・サンス
出演:チョン・ウンチェ、イ・ソンギュン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン
特別出演:ジェーン・バーキン
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ヘウォン(チョン・ウンチェ)は、映画を学ぶ大学生。離婚してカナダに移住する母親と会うことになって、カフェで日記をつけながら待っているうちにうとうとしてしまう。そこへ、外国人女性が現れ、「West Villageはどちらですか?」と尋ねるが、へウォンは答えられなくてうろたえる。「娘のシャルロット・ゲンズブールに似ているわ」と言われ、その女性がジェーン・バーキンだと気づき、シャルロットの大ファンであるヘウォンは舞い上がる。
やがて母(キム・ジャオク)が来て、二人で西村(ソチョン)界隈を散歩する。(さっきバーキンに尋ねられたWest Village!) 途中で見かけたモーテルは、そろそろ別れようと考えている妻子ある映画監督で教授のソンジュン(イ・ソンギュン)との思い出の場所だ。母と別れた後、無性に寂しくなって、ソンジュンに電話してしまう。ソンジュンと夜の町を歩くうち、お酒が飲みたくなり、かつて入ったことのある居酒屋に行くと、ソンジュンの授業を一緒に受けている学生たちが先客で飲んでいる。二人の関係を勘ぐられないように平静を装って彼らと同席して飲み始める・・・
数日後、へウォンは再びソンジュンを誘い、南漢山城(ナムハンサンソン)を散策する。「いつまでも一緒にいよう」とキスする二人。
ある日、ヘオゥンが古本屋の店先で本を見ていると、米国で大学教授をしているという男(キム・ウソン)に声をかけられお茶をする。「あなたのような人と結婚したい」と言われ、それも悪くないなと思うヘオゥン。
別の日、ヘウォンが友人のヨンジュ(イェ・ジウォン)に会うため南漢山城へ行くと、ヨンジェはジュンシク(ユ・ジュンサン)と一緒に現れる。彼らは7年におよんで不倫の関係を続けているカップルだ。そこへ、ソンジュンも現れ、妻と喧嘩したという・・・

夢と現実が交錯して語られ、これはどっち?と一瞬わからなくなる。
実際、男と女の関係って、夢を追いかけている一方に現実があるようなもの。
男は勝手だとよく言うけれど、女だって負けずに勝手だ。
ホン・サンス作品は、いつも恋の駆け引きの裏側を覗いているようで可笑しい。
そして、ホン・サンス作品のもう一つの楽しみが、昔の面影を残した何気ない町並みや史跡。本作に出てきた西村の社稷壇、そして南漢山城は、あまり観光客には知られていないところ。ちょっと行ってみたくなった。
そして、『ヘウォンの恋愛日記』の豪華な出演陣。ホン・サンス作品でお馴染みのイ・ソンギュンやユ・ジュンサンはもちろんのこと、母親役のキム・ジャオクや、南漢山城でソンジュンとヘウォンに「素敵な日ですね」と話しかける登山客のキ・ジュボンといったベテラン俳優の手堅い演技がきらりと光る。そして、たまたまコンサートツアーで来ていたジェーン・バーキンが忙しい合い間をぬってカメオ出演! もちろん、チョン・ウンチェも、特に目立って綺麗じゃないけど、男がほおっておけないタイプの女の子を好演。小悪魔的なチョン・ユミ演じるソニと好対照。(咲)



◆『ソニはご機嫌ななめ』
監督:ホン・サンス
出演:チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・サンジュン、チョン・ジェヨン
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ソニ(チョン・ユミ)は大学を卒業したばかり。アメリカに留学しようと思い立ち、久しぶりに大学を訪ねる。自分に好意を寄せているチェ・ドンヒョン教授(キム・サンジュン)に良い推薦状を書いて貰おうという魂胆だ。その帰り道、先輩で元カレのムンス(イ・ソンギュン)に偶然出会う。チキン屋で自分たちの恋愛話を映画に使ったとソニにクダを巻かれたムンスは、親しい先輩で映画監督のジェハク(チョン・ジェヨン)を訪ね、ソニへの感情をぶちまける。ジェハクは家に籠って滅多に外出しないが、翌日、出かけた先で偶然ソニを見かけ声をかける。一緒に酒を飲み、キスしてしまう・・・

ソニと彼女に好意を寄せる3人の男たちの物語。ソニはいったい誰が本命? 
昌慶宮で教授から推薦状を受け取るソニ。そこへムンスとジェハクが現れて、3人の男が鉢合わせ。ソニはこっそり一人で外に出てしまいます。残された3人の会話が、なんとも可笑しい。気儘なソニに、大の大人が振り回されている図。
ホン・サンス作品でお馴染みのイ・ソンギュンに加え、本作ではチョン・ジェヨンが初参加。9月6日公開の『さまよう刃』での鬼気迫る姿と対照的に、のほほんとした役どころを自然体で演じています。
そして、本作でも、北村や西村の風情ある町並みや昌慶宮が舞台になっているのが魅力。
(咲)


2013年 ロカルノ国際映画祭 監督賞受賞
2013年/韓国/ビスタ/カラー/88分

配給:ビターズ・エンド
公式サイト: http://www.bitters.co.jp/h_s/
★2014年8月16日(土)よりシネマート新宿にて<2作品>同時ロードショー
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2014年08月10日

クィーン・オブ・ベルサイユ 大富豪の華麗なる転落(原題:The Queen of Versailles)

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監督:ローレン・グリーンフィールド
製作総指揮:フランク・エバーズ
撮影:トム・ハーウィッツ
出演:デヴィッド・シーゲル、ジャッキー・シーゲル

不動産ビジネスの成功で、億万長者になったシーゲル夫妻。夫のデヴィッドはブロンド美女好きで、妻は元ミセス・フロリダのジャッキー。2人は7人の子どもに恵まれ(後で姪を養女にして8人に)、2500平米の大邸宅に暮らしていたが、ベルサイユ宮殿のような世界一の豪邸を建てようとする。各地から選び抜いた建材を取り寄せ、着々と工事が進んでいく。夢が実現するかと思えた矢先リーマン・ショックが起き、一夜にして大きな負債を抱えることになってしまった。
写真家でドキュメンタリー作家のローレン・グリーンフィールド監督は、彼らの生活と大豪邸ができるまでをカメラに収める予定が、図らずも大富豪が転落していく様を記録することになった。

前半はお金持ちとはこんな生活なのか〜と、観ていました。ジャッキーの桁外れの買物ぶりに『買い物中毒の私』を思い出します。ただ、いやな性格ではなく家族思いで、彼女なりに夫を励まそうとしたり、なにかと節約しようとします。メイドさんの呆れ顔がおかしいです。ティーンエイジャーの養女が冷静なのに、ちょっと安心。
2人は元々富豪に生まれたわけでなく、デヴィッドはゼロから運と才覚で全てを手に入れてきました。破綻後は、負債の処理のために書斎で書類に埋もれて食事にも出てきません。たたき上げの人だからこのままつぶれないだろうと思いますが、この家族と、丘の上で廃墟と化していく夢の豪邸のその後が気になります。(白)


2012年/アメリカ・オランダ・イギリス・デンマーク合作/カラー/100分/
配給:スターサンズ
(c)2012 Queen of Versailles, LLC. All rights reserved.
http://www.queen-cinema.jp/

★2014年8月16日(土)より新宿武蔵野館ほかにてロードショー

☆シネマジャーナルHP特別記事に監督オフィシャルインタビューを掲載しました。
http://www.cinemajournal.net/special/2014/queen/index.html
posted by shiraishi at 10:26| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Mr,パーフェクト

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監督:キム・ミョンギュン
出演:ユン・シユン(「製パン王 キム・タック」「となりの美男<イケメン>」「明日に向かってハイキック」)、ヨ・ジング(『ファイ 悪魔に育てられた少年』「太陽に抱く月」「イルジメ(一枝梅)」)

若くして「Mr,パーフェクト」と呼ばれた天才プロゴルファーのペク・セジン。名声で傲慢になった彼は、飲酒運転で唯一の理解者であるマネージャーを死なせてしまう。ショックで失語症になり、ゴルフもやめ、人目を避けて暮らすセジン。ある日、廃校寸前の島の学校の校長から、ゴルフで学校起こしをしたいと声がかかる。逃げ場を求めて島に行くセジン。子どもたちにゴルフを教え、トーナメント試合も近づいた頃、島の大人たちはセジンが飲酒運転で殺人を犯していたことを知り、島から追い出そうとする・・・

ドラマ「製パン王 キム・タック」「となりの美男<イケメン>」のユン・シユン。名声で我がままいっぱいだったのが一転、事故のショックで声が出なくなり、目とジェスチャーで語る青年を好演。のどかな島での、ひと騒動。ヨ・ジング(『ファイ 悪魔に育てられた少年』)はじめ、島の子どもたちの無邪気な姿と勝手なことをいう大人たちが対照的。島の大人たちには、チョン・ホジン、パク・サンミョン、イ・ウォンジョンなどドラマでお馴染みの顔がいっぱいなのも楽しめます。(咲)

アジアフォーカス福岡映画祭2012 上映作品
2012年/韓国/スコープサイズ/101分
配給:ツイン
★2014年8月9日~シネマート六本木、8月15日~シネマート心斎橋にて公開 
posted by sakiko at 10:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする