2014年08月23日

グレート デイズ! 夢に挑んだ父と子(原題:De toutes nos forces)

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監督・脚本:ニルス・タベルニエ
出演:ジャック・ガンブラン(ポール)、アレクサンドラ・ラミー(クレール)、ファビアン・エロー(ジュリアン)

車椅子で生活しているジュリアンの父ポールが失業し、山奥の仕事場から帰宅することになった。ジュリアンは不在がちだった父が戻ってくるのを楽しみにしていた。しかしずっと離れて暮らしていたポールは、妻に任せきりだった息子にどう接していいのかわからない。ジュリアンは父親が若いときにトライアスロンに出場していたことを知り、自分も一緒に出たいとせがむ。到底無理だとはねつけるポールだったが、ジュリアンの強い決意とまわりの後押しでついに気持ちが動く。

マラソンだけでも難行苦行なのに、水泳と自転車が加わるアイアンマンレース。車椅子の息子と参加?!と驚きました。殆ど父親が負うことになるのに大丈夫なの?
そのガンコで不器用な父親を『最初の人間』のジャック・ガンプラン、自立心旺盛な息子を、監督が障がい者の施設を巡って発掘したファビアン・エロー。周囲を照らすような笑顔を見せます。
ジュリアンは父と過酷なレースに参加して、親子の距離を縮めるだけでなく自分自身も見えない階段を上がります。母にくるまれるように保護されて育ってきたところから、抜け出していく彼を応援したくなります。問題山積みの前途がどうなるのかは劇場で。(白)


2013年/フランス/カラー/90分
配給:ギャガ
(C)2014 NORD-OUEST FILMS PATHE RHONE-ALPES CINEMA
http://greatdays.gaga.ne.jp/

★2014年8月29日(金)TOHOシネマズ 日本橋、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
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マルティニークからの祈り   原題:Way Back Home

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監督:パン・ウンジン(『容疑者X 天才数学者のアリバイ』)
出演:チョン・ドヨン、コ・ス

ジョンヨン(チョン・ドヨン)は、夫ジョンベ(コ・ス)が始めた小さな自動車修理工場を手伝いながら、一人娘ヘリン(カン・ジウ)を育てている平凡な主婦。人のいいジョンベが連帯保証人になっていた友人が自殺し、2億ウォンの返済義務が生じてしまう。工場も手放し、家も追い出され、途方に暮れていたところに、南米ガイアナからフランスまで「金の原石」を運べば、高額の謝礼が得られると持ちかけられる。運び屋は女性に限ると言われ、海外旅行もろくにしたことのないジョンヨンが南米に飛ぶ。そして、パリ・オルリー空港に着いたところで、麻薬密輸容疑で逮捕されてしまう。フランス語も英語もわからないジョンヨンには、何が起こったのか訳がわからないまま拘束され、3ヶ月後には中南米のフランス領マルティニークの刑務所に移送される・・・

妻の逮捕を知って、ジョンベは妻を助けようと必死になって韓国の警察や駐フランスの韓国大使館に掛け合いますが、「罪を犯した」者に対しつれない態度。ジョンヨンは、言葉も通じない刑務所暮らしに身も心もぼろぼろ、時折届く夫からの手紙や娘の写真が心の支え。運び屋の仕事を持ちかけた友人が逮捕され、ジョンヨンの無実を証言してくれるも、その大事な書類も大使館の書類の山の下に。
やがて、この事件のことをジョンベの後輩がネットに投稿したことから、テレビ局がマルティニークにジョンベを連れて取材に行きます。再会したジョンヨンの疲れ果てた姿に、申し訳ない思いでいっぱいのジョンベ。
マルティニークには韓国人がいないから通訳も付けられないと大使館員から言われていたのですが、ネットの投稿を見て、留学生が名乗りをあげてくれます。大使館員も、これだけ話題になると動かないわけにはいきません。やっとマルティニークにジョンヨンを訪ねることにするのですが、大使館員の脳裏に浮かんだのは美しいカリブ海。遊び半分なのが見え見え。(私にはマルティニークという地名は初耳でしたが、妹は映画のタイトルを見て、カリブ海の話?と言うくらい、リゾート地として有名なところなのですね。)

カンヌ映画祭で主演女優賞を受賞しているチョン・ドヨンが、突然逮捕されて途方に暮れるごくごく平凡な主婦を体現。甘い顔立ちのコ・スも、自分のせいで遠く離れた監獄にいる妻を何とか救いたいと奔走する夫を好演しています。
本作は、女優出身のパン・ウンジン監督が、2年もの間、言葉の通じない刑務所に収監されていた韓国人主婦のことを知って衝撃を受け、映画化したもの。「映画よりも映画のような事件が起きるのが、私たちが生きるこの現実世界」と語っています。

知らない間に麻薬や密輸の片棒を担いで、異国で収監された日本人の話も時折ニュースになります。思えば、私が1979年に初めて香港に行った時、駐在員の方から、あつらえた靴3足を本社の役員に届けてほしいと預かったことがありました。成田空港で、「預かり物はありますか?」と訪ねられ、正直に「あります」と答えたら、スーツケースを開けて見せる羽目に。下手をしたら、靴底まで調べられそうな勢いでした。人から物を預かることの怖さのようなものを初めて感じたひと時でした。(もちろん、駐在員の方を信用していたので、問題は全くなかったのですが)
パキスタン航空に乗った時に、ちょっとウルドゥー語を使ってみたためにパーサーに気に入られ、飲み物を足繁く届けてくれたりしたのですが、イスラマバード空港に近づいた時、「機長の荷物を持って降りてくれないか」と頼まれました。これは、絶対ヤバイ! 言葉がわからないフリをしてとぼけました。 ほいほい気楽に預かっていたら、もしかしたら収監されていたかも? (咲)


配給:CJ Entertainment Japan
2013年/韓国映画/カラー/韓国語・フランス語・英語/131分
公式サイト:http://martinique-movie.com/
★2014年8月29日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
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コピーライトマーク2013 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED
posted by sakiko at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月22日

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2014  Focus-on-Asia Fukuoka International Film Festival 2014

24回目を迎えたアジアフォーカス。昨年初めてキャナルシティ博多を会場に開催されましたが、今年も同じキャナルシティ博多での開催です。ビルの谷間に人工の運河が作られたキャナルシティは、まさに都会のオアシス。近くには博多の氏神さま櫛田神社や、中洲川端商店街もあります。博多駅や天神へも、徒歩圏内です。

アジアフォーカスでしか観られない作品も多数。監督や俳優などゲストのQ&Aやサイン会など交流の場も貴重です。協賛企画もバラエティに富むアジアマンスの福岡。
ぜひ、お出かけください。

開催期間:
2014年9月12日(金) オープニング上映『ロマンス狂想曲』・オープニングセレモニー
2014年9月13日(土)〜9月21日(日) 公式招待作品等上映
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『ロマンス狂想曲』


上映作品:
18カ国・地域から全39作品
※協賛企画171作品を含めると、25か国・地域 209作品

主要会場:
キャナルシティ博多
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13(キャナルシティ博多内)
福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ

主催:アジアフォーカス・福岡国際映画祭実行委員会/福岡市

★オープニングセレモニー
キャナルシティ博多の運河の上に「水上レッドカーペット」が登場!
アジア各国からのゲストを迎えて、映画祭のオープニングを華やかに飾ります。
中洲ジャズともタイアップしたオープニングLIVE。
セレモニーは、上の階のテラスからも眺めることができます。
*入場無料、どなたでも観覧できます。

◆公式招待作品  15作品
『私は彼ではない』 トルコ, ギリシャ, フランス
『兄弟』 フランス, グルジア
『予兆の森で』 イラン
『絵の中の池』 イラン
『ひとり』 カザフスタン
『シッダルタ』 インド
『タイムライン』 タイ
『ジャングル・スクール』 インドネシア
『サピ』 フィリピン
『ブラインド・マッサージ』 中国, フランス
『ロマンス狂想曲』 台湾
『山猪(いのしし)温泉』 台湾
『慶州』 韓国
『神の眼の下(もと)に』 韓国, カンボジア
『福福荘の福ちゃん』 日本

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『絵の中の池』


◆台湾映画大特集〜台湾電影ルネッサンス2014
公式上映作品と合わせて計8本の作品を上映。
台湾からのゲストが出演するシンポジウム開催。

◆日本映画特集 しゃらくせえ絵師たち〜浮世と絵と映画〜
7作品を上映。篠田正浩監督をゲストに迎え、浮世絵と映画について語るトークイベント開催。
会場:福岡市総合図書館映像ホール・シネラ


協賛企画
●福岡インディペンデント (fidff) 映画祭2014

●バリアフリー上映会
『くじけないで』9月20日(土)14:00〜
『渚のふたり』9月21日(日)15:00〜
イ・スンジュン監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2014/nagisa/index.html

●「FT5ブータン映画特集」上映  9月14日(日)9:40〜
ペマ・ツェリン『時の音』『天上界』
デチェン・ロデル『幸せの証明書を探して』『心のマンダラ』
*「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ」との連携企画

●中国・西寧FIRST青年映画祭2014
『殯棺』9月20日(土)13:00〜

●福岡ワンミニット・フィルムコンペティション
選ばれた10 本のショートフィルム(1 分程度)を一挙上映
9月15日(月祝)15:30〜

詳細は、公式サイトをご覧ください!
http://www.focus-on-asia.com
posted by sakiko at 14:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月17日

思春期ごっこ

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監督:倉本雷大
出演:未来穂香(蓮見鷹音)、青山美郷(辻沢三佳)、川村ゆきえ(花岡奈美江)、逢沢りな(安藤琴)、伊藤梨沙子(三浦園子)

中学3年の鷹音は美術学校志望。親友の三佳とはいつも一緒で、放課後の美術室で読書する三佳をモデルに絵を描くのが日課。進学すると離れ離れになってしまう三佳への思いがつのっていく。鷹音の気持ちに気づかない三佳が何度も読み返しているのは、この学校に在籍中に発表したという花岡奈美江の本「思春期ごっこ」。今は図書館の司書の奈美江と三佳が偶然知り合い、憧れの人を前に三佳はすっかり舞い上がってしまう。奈美江に夢中の三佳が自分から遠ざかっていくようで鷹音は不満をかくせない。

思春期の少女たちの友情と恋、将来への不安や憧れを切り取った作品。制服姿の可愛い女の子たちがいっぱいです。バンビちゃんのような瞳が印象的な未来穂香(みきほのか)、大人びた青山美郷の2人が好演。ずっと友達でいられればよかったけど純粋な分壊れやすいんだよね、と思春期がはるか大昔のおばちゃんはいたましく思います。
倉本雷大監督はこれが初長編作品の25歳。倉本監督と出演の少女たちが大きく成長していくのを見ていきたいものです。この作品の写真を担当した青山裕企さんの写真集も発売されています。(白)


2014年/日本/カラー/90分
配給:アルゴ・ピクチャーズ
(C)2014「思春期ごっこ」製作委員会
http://www.sishunki-g.com/

★2014年8月23日(土)より、新宿武蔵野館にてレイトショー
posted by shiraishi at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

魂のリアリズム 画家 野田弘志

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監督:日向寺太郎
出演:野田弘志

日本のリアリズム絵画の第一人者野田弘志。イラストレーターから30代で美術界にデビュー。以来、70代に入った今も緻密な写実画を追求し続けている。北海道伊達のアトリエに訪ね、最新作「聖なるもの THE IV 鳥の巣」を制作する過程に密着。渾身で作品と向き合う姿を美しい季節の移り変わりとともに追った。監督は『爆心 長崎の空』(2013)の日向寺太郎。

こういう絵画がどうやって製作されているのか、とても興味がありました。画面を通して、間近でじっくりと見せてもらえた貴重な体験でした。なんと丁寧で心のこもったお仕事でしょう。なにごとにつけ雑な私は「はは〜っ」とひれ伏したくなる思いでした。絵を描かれる方、静謐な空気に触れたい方はぜひ。(白)

2014年/日本/カラー/71分/ドキュメンタリー
配給:パル企画
(C)2014 パル企画
http://www.tama-riz.com/

★2014年8月23日(土)〜テアトル新宿モーニングショーほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする