2014年07月14日

坑道の記憶 〜炭坑絵師・山本作兵衛〜

プロデューサー:大村由紀子
ナレーション:斉藤由貴
朗読:井上悟
音楽:小室等、佐久間順平、竹田裕美子、河野俊二

日本で初めて「世界記憶遺産」に登録された炭坑絵師 山本作兵衛のドキュメンタリー。
日本一の石炭生産地だった、福岡県・筑豊に生まれた山本作兵衛(1892-1984)。14歳からおよそ50年間炭坑夫として働いた後、60歳を過ぎてから、炭鉱生活の記憶を1000枚以上の絵に残した。そのうちの絵や日記など697点が、2011年、ユネスコの「世界記憶遺産」に登録された。
熱く暗い地の底で石炭を掘る男と女の姿、道具、共同風呂や子どもたちの遊び、縁起や迷信・・・ 緻密に画かれた絵には解説の言葉もびっしり添えられている。記録魔だった作兵衛は日常の些細なことも書き残しているのだ。絵と解説からは、炭鉱町の厳しい生活の模様が克明に伝わってくる。それは日本の近代化を下支えした庶民の姿でもある。映画は作兵衛の人物像に迫るとともに、北海道釧路の現役炭鉱やベトナムの炭鉱を取材。作兵衛の絵が世界の記憶遺産と成り得たことを探っている。

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(C) 本橋成一 (C) Yamamoto Family (C) RKB毎日放送


上半身裸で狭い坑道の中で石炭を掘る男と女・・・ 冒頭から、一度見たら忘れられない絵を突き付けられました。作兵衛は、当初、女性は上着を着た姿を描いたのですが、実際に働いていた女性から、坑道の中は熱くて、とても上着を着ていられる状態でなかったから、ありのままを描いてほしいと言われたそうです。実際、坑道の中は真っ暗で、しかも、夫とペアで仕事をするのが常。恥ずかしさよりも熱さに耐えられなかった炭鉱の仕事の厳しさを切に感じました。作兵衛の絵からは、そんな厳しさと共に、家族愛に溢れた人々の暮らしも伝わってきます。
うっかりしているうちに、公開がとっくに始まっていました。これは是非ご覧いただきたい作品。遅ればせながら紹介します。(咲)



制作・著作・配給:RKB毎日放送
配給宣伝協力 : 浦安ドキュメンタリーオフィス
2013年/日本/日本語/カラー/HD/16:9/72分
公式サイト:http://rkb.jp/koudou_no_kioku/
★2014年7月5日(土)よりポレポレ東中野にて公開
posted by sakiko at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

毎日がアルツハイマー2

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監督:関口祐加

前作『毎日がアルツハイマー』で、認知症の症状が現れ始めた母・ひろこさんの介護のため、29年住んだオーストラリアから帰国し、母との日々のくらしを描いた関口監督。
数日前に誕生日を祝ってもらったことも忘れ、入浴を嫌がる母。でも、認知症発症後は喜怒哀楽がハッキリして、あけすけな性格になった母はチャーミング。自分のやりたいことをやり、本能のまま生きる母と監督の姿が観客の笑いを誘って、映画はヒット。
『毎日がアルツハイマー2』では、その後の母と監督の日々が描かれる。ひろこさんの認知症はセカンドステージになり、閉じこもり生活に変化が。デイ・サービスに通えるようになり、嫌がっていた入浴をし、外出もする。その姿は幸せそう。しかし、調子が悪い日は、相変わらず一日中ベッドの上。
そんな母との生活の中で、「パーソン・センタード・ケア(PCC=認知症の本人を尊重するケア)」に出合った関口監督は、最先端の認知症ケアを学ぶため、PCC発祥の地、イギリスへ。認知症の人を中心に考え、人柄、人生、心理状態を探り、一人ひとりに適切なケアを導き出す「PCC」が教えてくれる認知症ケアとは?

認知症の人を中心に考えるケアは、当たり前のようで、実行するのはなかなか難しい。私の母も、亡くなる前の2年間、認知症となり、どう対処していいか困ることも多々ありました。自然体でいくしかないと開き直りましたが、果たして、母はどんな思いでいたでしょう・・・ 母は介護施設のお世話になることなく逝ってしまいましたが、父や、そして私自身がいずれはお世話になることもあるでしょう。個々人にあった適切なケアをする人員的な余裕が日本の介護の現場にあるのでしょうか・・・ 色々なことを考えさせられた『毎アル2』でした。(咲)

『毎日がアルツハイマー2』関口祐加監督インタビューを、シネマジャーナル91号に掲載しています。

長編動画/51分・HDV/2014年/日本
製作:NY GALS FILMS
製作協力・配給: シグロ
(C)2014 NY GALS FILMS
公式サイト: http://www.maiaru2.com
★2014年7月19日(土)よりポレポレ東中野ほかにて公開。以降全国順次公開。

上映時間:12:30、13:40(平日のみ)、16:50
14:40からは『毎日がアルツハマー』(93分)のアンコール上映もあり
また、ポレポレ東中野では土日祝にケアを巡るトークイベントも
問い合わせ シグロ=03-5343-3101(平日のみ)
posted by sakiko at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014(第11回)

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期 間:2014年7月19日(土)〜7月27日(日) 9日間
会 場:SKIPシティ 映像ホール/多目的ホール ほか 〔埼玉県川口市上青木3-12-63〕
    大宮ソニックシティ 国際会議室 〔埼玉県さいたま市大宮区桜木町1-7-5〕

★SKIPシティへのアクセス:
会期中、JR川口駅東口キャスティ前臨時バス停より、SKIPシティまで直行の無料シャトルバスが20分間隔で運行されます。(所要:約12分)
http://www.skipcity-dcf.jp/access.html#
車でお出かけの方には、上映チケットの半券提示で駐車料無料のサービスもあります。

主 催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人さいたま映像ボランティアの会
共 催:公益財団法人 埼玉県産業文化センター

デジタルシネマの新しい才能を発掘する目的で2004年にスタートした「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」も11年目を迎えました。今年は、コンペティションとして、従来の長編・短編部門のに加え、アニメーション部門が新設されています。
コンペティション以外にも、トロント国際映画祭で初上映されイギリスで大ヒットしたミュージカル映画『サンシャイン/歌声が響く街』をオープニング上映するほか、『永遠の0』のバリアフリー上映や、大宮ソニックシティでの『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のサテライト上映など、特別企画も多数用意されています。
また、映画以外にもSKIPシティ夏祭りなどイベントも盛りだくさん。家族ぐるみで楽しめる映画祭です。

★長編部門コンペティション作品
『螺旋銀河』
監督:草野 なつか 日本/2014年/73分
『友達』
監督:遠藤幹大 日本/2013年/75分
『PLASTIC CRIME』
監督:加藤悦生 日本/2013年/108分
『時空を超えた事件』
監督:ジェルミナル・アルバレス 
フランス/2013年/102分
『青、そして少しだけピンク』
監督:ミゲル・フェラーリ 
ベネズエラ、スペイン/2013年/110分
『帰郷』
監督:ミロシュ・プーシチ 
セルビア、スイス/2013年/109分
『ラブ・ミー』
監督:マリナ・イー・ゴルバッハ/マフメット・バハディル・イー 
ウクライナ、トルコ/2013年/90分
『恋に落ちた男』
監督:ハン・ドンウク 
韓国/2014年/120分
『約束のマッターホルン』
監督:ディエデリック・エビンガ 
オランダ/2013年/88分
『ロック・ペーパー・シザーズ』
監督:ヤン・ラヌエット・トゥルジョン 
カナダ/2013年/117分
『愛する人へ』
監督:パニル・フィッシャー・クリステンセン 
デンマーク/2014年/100分
『彼の見つめる先に』
監督:ダニエル・リベイロ 
ブラジル/2014年/96分


公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp/

ガイドPDFダウンロード:
http://www.skipcity-dcf.jp/pdf/Guide_J_14.pdf

★昨年の映画祭の模様はこちらでどうぞ!
IMG_9472skip.JPG
祝10周年! SKIPシティ国際Dシネマ映画祭
http://www.cinemajournal.net/special/2013/skip/index.html

posted by sakiko at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画祭 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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