2014年06月30日

消えた画(え) クメール・ルージュの真実  原題:L’Image manquante  英題:The Missing Picture

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脚本・監督:リティ・パニュ
製作:カトリーヌ・デュサール
テキスト:クリストフ・バタイユ
ナレーション:ランダル・ドゥー
音楽:マルク・マーデル
人形制作:サリス・マン
撮影:プリュム・メザ
編集:リティ・パニュ、マリ=クリスティーヌ・ルージュリー
共同製作:CDP(カトリーヌ・デュサール・プロダクション)、アルテ・フランス、
ボファナ・プロダクション
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リティ・パニュ監督(2013年11月 東京フィルメックスにて)


1975〜1979年、ポル・ポト政権下、知識人は排斥され、私的所有権はなく、様々な伝統文化が禁じられた。数百万人の市民が虐殺された中、家族の中でただ一人奇跡的に生き延びたリティ・パニュ監督。ことごとく破棄されてしまった写真や映像を蘇らせることはできるのだろうか? 監督は、犠牲者の葬られた土で人形を作り、恐怖に支配された時代の記憶を再生する。記録映像を織り交ぜて、虐殺の成り行きが紐解かれていく。
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(C) CDP / ARTE France / Bophana Production 2013 - All rights reserved


なぜこんな蛮行が許されたのか? 農村部ではベトナム戦争の余波による米軍の空爆によって村々が破壊され、反米反政府の立場からクメール・ルージュに参加する人々が増えたそうだ。
一握りの権力者の思惑で、多くの庶民が犠牲になる悲劇は今も各地で繰り返されている。歴史のうねりの中で、怪物が生み出されていく悲劇・・・ 平穏に暮らしてきたことを神に感謝するのみです。(咲)


2013年・第66回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門 最優秀作品賞受賞
第86回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート

2013年/カンボジア・フランス/フランス語/HD/95分
協力:東京フィルメックス、現代企画室、シネマトリックス、ユーロスペース
配給:太秦
公式サイト: http://www.u-picc.com/kietae/
★2014年7月5日(土)〜ユーロスペースにて驚愕のロードショー

◎公開記念「虐殺の記憶を超えて ー リティ・パニュ監督特集」
6/28(土)〜
傑作『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』、『さすらう者たちの地』ほかを上映
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=572

☆トークイベント
7月1日(火)18:50『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』上映後 
ゲスト:森達也さん(作家・映画監督)

7月12日(土)13:40の回上映後
<クメール・ルージュを生き延びて>
ゲスト:久郷ポンナレットさん(カンボジア出身、クメール・ルージュ強制労働を経験。「虹色の空 <カンボジア虐殺>を越えて 1975-2009」、「色のない空」著者)
posted by sakiko at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | カンボジア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月29日

her/世界にひとつの彼女(原題:HER)絶賛公開中

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監督・脚本:スパイク・ジョーンズ
主題歌:カレン・O「The Moon Song」
出演:ホアキン・フェニックス(セオドア)、エイミー・アダムス(エイミー)、ルーニー・マーラ(キャサリン)、オリヴィア・ワイルド(デートの相手)、クリス・プラット(ポール)、マット・レッシャー(チャールズ)、ポーシャ・ダブルデイ(イザベラ)
声の出演:スカーレット・ヨハンソン(サマンサ)

近未来のロサンゼルス。妻キャサリンと別れて1年のセオドアは、離婚調停中の今も未練がある。仕事の代筆業は好評で、リピーターも多い。ある日、最新式のAI(人工知能)型OS“OS1”をパソコンにインストールしてみた。簡単な質問にいくつか答えると、OS1が起動し「ハロー!」と呼びかけられた。“サマンサ”と名乗る女性の声はセクシーで、合成音とは思えない。そして「彼女」がとても有能で、ユーモアも兼ね備えていることがわかった。セオドアは携帯端末にも彼女をインストールして、いつも一緒に過ごすようになる。

チェスや将棋や囲碁のソフトと人間が対戦するとか2次元アイドルとか、少し前には考えてもみなかった。もうしばらくしたら本当にこういうことになるかも、と思う。電車のホームでも車内でも携帯やタブレットを手にした人ばかり。
最初の質問がもっと複雑ならともかく、え?と思うくらい簡単だったし、同じOSを多くの人がインストールしているはず、とはすぐに気づいた。ただ相手によって進化する度合いや方向が違っていくだろうというのがミソ。すっかりサマンサに魅せられたセオドアは毎日がばら色、そのうち相手に触れられないのがもどかしくなる。まるで遠距離恋愛のようだ。そしてサマンサの考えついた方法が・・・。いや〜。
セオドアの仕事が面白い。AIが発達しているその時代の“代書屋”というのか、“代筆ライター”。(試写を観たのがずいぶん前なので、違っていたらすみません)たしか文面を読み上げると、さらさらとソフトが文字を書いてくれていて、いいなぁと思った覚えが。他人のラブレターを代筆して感動させるセオドアも、自分の恋愛にはじたばたしてしまう。愛する対象がAIでも人間以上に人間らしく、こんな純愛もあり。
アカデミー賞脚本賞を受賞したほか、スカーレット・ヨハンソンは、ローマ国際映画祭において最優秀女優賞を受賞。声だけの出演では初とか。(白)

2013/カラー/アメリカ/126分/
配給:アスミック・エース
(C)Photo courtesy of Warner Bros. Pictures
http://her.asmik-ace.co.jp/
★6月28日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

革命の子どもたち   英題:CHILDREN OF THE REVOLUTION

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監督:シェーン・オサリバン
出演:重信房子、重信メイ、ウルリケ・マインホフ、ベティーナ・ロール、足立正生、塩見孝也、大谷恭子

元日本赤軍の重信房子と元ドイツ赤軍のウルリケ・マインホフ。
1968年、学生たちによる革命運動のうねりのなか女性革命家として名を馳せた二人。ベトナム戦争で行なわれた虐殺に戦慄した彼女たちは、世界革命による資本主義勢力の打倒を目指して活動した。そして、ふたりの娘である作家兼ジャーナリストの重信メイとベティーナ・ロールが、母親たちの人生や、自身の苦難の幼少期をたどる。民主主義とは? 世界平和とは? 様々なことを問いかけるドキュメンタリー。
監督は、ロンドンを拠点に活躍するアイルランド人のドキュメンタリー映画作家。

子どもは親を選べない。革命家の母を持った娘たち。自らも命の危険にさらされて過ごした娘たちは、母たちの崇高な思いをしっかりと捉えて人生を歩んできたのだろう。
ベトナム戦争の時代、日本でも多くの普通の人たちが、反戦の声をあげて闘った。
このドキュメンタリーを観て、皆が熱く闘った時代を思い出し、あのエネルギーは、今、どこに向かっているのだろうと思う。私自身、色々な思いはあっても、行動に移せないでいるけれど、あまりにも、皆、無関心ではないか・・・ (咲)


配給:太秦  
Special Thanks:若松プロダクション
2011年/イギリス/カラー/HD/88分
公式サイト:http://www.u-picc.com/kakumeinokodomo
★2014年7月5日(土)よりテアトル新宿ほか 全国順次公開
posted by sakiko at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月28日

『ビヨンド・ザ・エッジ〜歴史を変えたエベレスト初登頂』

原題:Beyond The Edge
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(C)2013 GFC(EVEREST)LTD.ALL RIGHTS RESERVED

監督・脚本:リアン・プーリー 製作:マシュー・メトカルフ 
編集:ティム・ウッドハウス 撮影:リチャード・ブラック
キャスト:チャド・モフィット、ソナム・シェルパ、ジョン・ライト、ジョジュア・ラター、ダン・マスグローブ、エロール・シャンド、フリンジ・ツェリン、ジミー・クンサン
字幕翻訳:チオキ真理 字幕監修:田部井淳子

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(C)2013 GFC(EVEREST)LTD.ALL RIGHTS RESERVED

 世界最高峰のエベレスト。人類初登頂を成し遂げた男たちの姿を追った山岳ドキュメンタリードラマ。当時の映像、録音されていた本人たちの声を使い、エベレストで新たに撮影された映像と、ニュージーランドの南アルプスで撮影された再現ドラマを加え、当時の古い記録映像だけでは不可能だったスケール感ある山の映像や臨場感が3D映像を通して伝わってくる。
エベレストは1953年、イギリス隊によって初登頂された。イギリスの登山家11名とニュージーランドの登山家2名、ポーター600名の遠征隊は、本国の夢を背負って人類未踏の標高8848mに挑む。初登頂を果たしたエドモンド・ヒラリーはニュージーランド人で、シェルパリーダーのテンジン・ノルゲイと共に登った。「ここはエベレストだ。限界を越えても行け」と、ヒラリーたちはその岩壁を最後の力を振り絞って登りきった。
国の威信をかけたエベレスト初登頂。最初、ヒラリーはイギリスのメンバーとなかなか馴染めなかったことも描かれる。ヒラリーは登頂アタック隊に選ばれたい一心で、進んで登山の道作りをしてアピールするが、最初のアタック隊に選ばれたのはイギリス人。しかし、頂上間近で進めなくなり、第2次アタック隊のヒラリーとテンジンが初登頂した。

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(C)2013 GFC(EVEREST)LTD.ALL RIGHTS RESERVED

エベレストに初登頂したエドモンド・ヒラリーは、ヒラリー卿と呼ばれていたので、てっきりイギリスの貴族だと思っていたが、ニュージーランド人だった。エベレスト初登頂後エリザベス女王から爵位を受け、ヒラリー卿と呼ばれていたのだということを知った。
ニュージーランドで養蜂業を営みながら登山していたエドモンド・ヒラリーは、エベレスト登頂後、ヒマラヤ周辺に住む人々のため、学校や病院を作って社会貢献した。この作品では国の威信や登頂を目指す隊員の競い合いも描いているが、単なる個人の意地や名誉の獲得劇にとどまらず描かれている。
こんなにスケールの大きい作品を撮ったのはリアン・プーリーという女性監督。『双子のデュオ〜アンタッチャブル・ガールズ』を撮った監督。これも大好き。(暁)

2013年/ニュージーランド/英語/93分/カラー/アメリカン・ヴィスタ/5.1ch/3D
配給:KADOKAWA 宣伝:ポイント・セット 協力:ニュージーランド政府観光局  
公式HP http://tenku-itadaki.jp/
★6月28日(土)より角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
posted by akemi at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュージーランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月22日

フランス映画祭2014

期日:2014年6月27日(金)〜30日(月)
会場:有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇
    (有楽町マリオン11F)
チケット:前売券1500円
     
※前売り券の電話予約は6月24日(火)まで、直接購入・インターネット購入は6月25日(水)まで販売
     当日券 一般1700円 学生1200円
★プログラムの一部を福岡、京都、大阪で6月27日(金)から7月11日(金)まで、巡回上映予定
詳細は公式サイトへ  http://unifrance.jp/festival/2014/

上映作品:
『フィニッシャーズ(仮)』
邦題「グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-」

監督:ニルス・タヴェルニエ
出演:ジャック・ガンブラン、アレクサンドラ・ラミー、ファビアン・エロー

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(c)2014 NORD-OUEST FILMS - PATHÉ PRODUCTION - RHÔNE-ALPES CINÉMA

『2つの秋、3つの冬』
監督: セバスチャン・ベベデール
出演: ヴァンサン・マケーニュ、モード・ウィラー

『ジェロニモ ― 愛と灼熱のリズム』
監督:トニー・ガトリフ
出演:セリーヌ・サレット、ラシッド・ユセフ、ダヴィッド・ミュルジア

『俳優探偵ジャン』
監督:ジャン=ポール・サロメ
出演:フランソワ・ダミアン、ジェラルディン・ナカシュ

『素顔のルル』
監督:ソルヴェイグ・アンスパック
出演:カリン・ヴィアール、ブリ・ラネール、クロード・ジャンサック

『友よ、さらばと言おう』
監督:フレッド・カヴァイエ
出演:ヴァンサン・ランドン、ジル・ルルーシュ

『Fly Me to the Moon』(英題)
邦題「バツイチは恋のはじまり」

監督:パスカル・ショメイユ
出演:ダイアン・クルーガー、ダニー・ブーン、アリス・ポル、ロベール・プラニョル

『間奏曲はパリで』
監督:マルク・フィトゥシ
出演:イザベル・ユペール、ジャン=ピエール・ダルッサン

『スザンヌ』
監督:カテル・キレヴェレ
出演:サラ・フォレスティエ、フランソワ・ダミアン、アデル・エネル

『バベルの学校』ドキュメンタリー
監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
出演:ブリジット・セルヴォー二

『イヴ・サンローラン』
監督:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ、シャルロット・ルボン

『暗くなるまでこの恋を』1969年作品 デジタル・リマスター版
監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーヴ
posted by shiraishi at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする