出演:コルム・ミーニー、コリン・モーガン、ミルカ・アフロス
ロンドンで職を転々としたあげく失業し、故郷アイルランドのダブリンに帰ってきた時計職人のフレッド(コルム・ミーニー)。生家はすでに人の手にわたり、車上生活を余儀なくされる。落ち着いた先は、生家近くの海辺の駐車場。先に駐車場に住みついていた青年カハル(コリン・モーガン)が声をかけてくる。カハルは裕福な家の息子だったが、父親に疎外され家を出てドラッグに走っていた。
ある日、フレッドはカハルと共に出かけたプールで知り合ったジュールス(ミルカ・アフロス)という中年女性に一目惚れする。彼女に会いたくて水泳教室に通い、ついに彼女の家に招かれる・・・
海沿いの駐車場を舞台に繰り広げられるなんとも切ない物語。
どん底までいっても、身ぎれいにして、なんとか生きていきたいというフレッドの姿がいじらしい。
フレッドが一目惚れしたジュールスは、ヘルシンキ出身のフィンランド人で、アイルランド人の建築家と結婚してダブリンに来たけれど、夫は他界。夫との思い出に浸りながら、故郷から遠く離れた地に取り残された身をあんじている。だからといって、知り合ったフレッドに寄り添うこともない。父親や兄からダメ人間の烙印を押された青年カハルの運命も悲しい。
3人の人生は、世界のどこにでもありえるもの。ホームレスに陥った二人は、現代社会の歪を象徴しているよう。未亡人となったジュールスの姿からは、愛する人が亡くなっても、元気を取り戻して一人で生きていかなければ・・・ということを切実に感じさせられた。(咲)
ミッキーの毎日・映画三昧
http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/390678143.html
2011年/アイルランド、フィンランド/90分
配給:アップリンク
後援:アイルランド大使館
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/dublin/
★2014年3月29日(土)より新宿K's Cinema 、渋谷アップリンク他全国順次公開