2014年03月21日

60万回のトライ

60mankai.jpg
監督:朴思柔(パク・サユ)、朴敦史(パク・トンサ)
プロデューサー:岡本有佳、永田浩三
編集:村本勝
整音:滝澤修
音楽:大友良英
ナレーション:根岸季衣

2002年、ソウル出身の朴思柔監督は、ケーブルテレビのレポーターとして来日。ラグビーの聖地花園≠ノほど近い大阪朝鮮高級学校(以下朝高)を、グラウンド立ち退き問題で取材する。大阪はラグビーの強豪がひしめいている激戦区。条件の悪い中、全国大会を目指し、ひたむきに練習に励む朝高ラグビー部員たち。練習終了後、グラウンドに向かってお辞儀をする彼らに強い印象を受ける。
2010年1月、全国大会準決勝まで勝ち進み3位入賞を果たす。このときから3年間の密着取材が始まった。激しいスポーツのため怪我はしょっちゅうで、ときには入院することもある。要のガンテ主将やセンターのユインが怪我で泣いたときは、チームが一丸となってカバーした。ラグビー部OBの父親を始め、支える家族や級友、彼らを応援する人たちは皆熱い!
 
個性豊かで、元気で、ガッツのある純な彼らが、笑ったり泣いたりするのを観ていると、観ているこちらも心から応援したくなる。スポーツは国籍も民族も越えて、正々堂々と戦われるものだ。特にラグビーでは、試合が終了するときに「ノーサイド(No Side)」という言葉が使われている。「試合が終われば敵味方なく、双方が健闘を讃えあう」ラグビー精神がこめられているのだそうだ。
いつもはラグビーが大好きで屈託のない普通の男の子たちだが、日本と韓国との間で自分のアイデンティティーに悩んだり、高校授業料の無償化から除外されている問題と向き合ったりの場面もある。彼らは卒業し、大学生や社会人となった。タイトルの60万は在日朝鮮人の数である。(白)

●朴思柔(ぱく・さゆ)監督トリミング.jpg   ●朴敦史(ぱく・とんさ)監督.jpg

写真左:朴思柔監督  右:朴敦史監督 (撮影:宮崎暁美)

2013/日本/カラー/106分
配給:浦安ドキュメンタリーオフィス
http://www.komapress.net/

★3/15より28まで、オーディトリウム渋谷、3月下旬以降、第七藝術劇場にて、ロードショー!!
以降、全国順次ロードショー予定。
posted by shiraishi at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

友だちと歩こう

tomodati.jpg

監督:緒方明
脚本:青木研次
撮影:藤井良久
音楽:coba
出演:上田耕一(富男)、高橋長英(国雄)、斉藤陽一郎(トガシ)、松尾諭(モウリ)、山田キヌヲ(サツキ)、水澤紳吾(シマヅ)、野沢寛子(イト)、林摩耶(ミイ)

団地で一人暮らしの富男は、毎日杖をついて煙草を買いに行くのが日課だ。同じ独居老人の国雄も富男を待って、買い物がてら散歩に出る。足の不自由な2人には結構な距離だが、ちょうどいい運動になる。途中で松葉杖をつくイトに出会ったかと思えば、カフェではトガシとモウリの口論が始まっている。モウリはトガシを誘って元妻のいる家に向かうが・・・。

ご近所ロードムービーと銘打った、同じ速さで歩く人々のちょっとした出来事が綴られている。独居老人組は怪我や病気のせいなのか足元がおぼつかないが、悲壮に描かず、ユーモアが漂っている。
30代組はいつまでも大人になりきれない中途半端さが見える。なんだか危なっかしいのと頼りないのとで、心配になってしまう二組の男たちだ。一人で生活をたててきたサツキ、しっかりものらしいウエイトレスのミイが男たちの後押しをする。生きていくしんどさと、それでもいいこともあるかも、という期待がないまぜになって少し切ない。(白)


2013/日本/カラー/89分/ビスタサイズ
配給:マジック・アワー
(C)友だちと歩こうプロジェクト
http://www.tomodachito.com/

★3月22日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー
posted by shiraishi at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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