2014年03月02日

スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!  原題:Student Of the Year

監督:カラン・ジョーハル 

制作:シャー・ルク・カーン 

舞踏監督:ファラー・カーン 

音楽:ヴィシャール=シェーカル

出演:シド・マルホトラ、ヴァルン・ダワン、アーリアー・バット


インド北部の高原にある名門私立高校の聖テレーザ学園。生徒の半分はお金持ちの御曹司やお嬢様、もう半分は奨学金制度で入学してきた優秀な者たち。毎年、学園では校長の独自のアイディアで競うナンバーワンの生徒を決める大会が行われている。学業だけでなく、スポーツ、ダンス等々、すべてを制した者がナンバーワンに輝く。だが、25年続いた伝統の大会も、この年で終わりを告げることになり、校長は学園を去ることになった。 いったい、何が起こったのか・・・


物語は、10年後、校長の危篤を聞きつけた卒業生たちが病院に駆けつけるところから始まる。それぞれが10年前の大会を巡って失ったものを思い出しながら・・・

10年前の大会で優勝間違いなしと注目されていたロハン(ヴァルン・ダワン)。実業界の大物の次男だが、ロックスターを目指していることを父に反対され、兄からも軽蔑されていた。そこに転校してきたハンサムなアビ(シド・マルホトラ)。親を亡くし奨学金制度で入学したスポーツ万能でダンスも上手で頭も切れるアビは、ロハンの対抗馬に。何かとアビに意地悪をしていたロハンだが、サッカーでアビのパスでロハンがシュートした頃から友情が芽生え始める。しかし、ロハンの彼女シャナーヤ(アーリアー・バット)がアビと親しくなり、再び二人は対立するようになる・・・
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2012 EROS INTERNATIONAL MEDIA LIMITED


シャー・ルク・カーン制作とあって、いち早く観たい!と、いそいそと試写に出かけました。今回は、シャー・ルク・カーン本人は出演していませんが、若い新人3人がきらきら輝いています。ロハン役のヴァルン・ダワンもアビ役のシド・マルホトラも映画初主演ですが、2人ともほんとにナイスガイ。 ちなみに私の好みはシド。 シャナーヤ役のアーリアー・バットもキュート。これからの活躍が楽しみな3人です。


ボリウッド流の歌って踊っての場面は実はあまり好きじゃないのですが、本作では、何度も歌と踊りの場面が出てくるのに、どれも自然に場面が移動して気になりませんでした。若さがはじけてて、あんな時代もあったなぁ〜と懐かしくなりました。(踊ってたわけじゃないけど、いろんなことを夢見ていたなぁ〜という意味で!)


昨年ヒットした『きっと、うまくいく』は、大学時代から15年後が描かれましたが、本作は、高校時代から10年後。皆、いろんな経験をして、様々な思いを抱えて大人になっていくのですねぇ。若い人にも、すでに青春をとっくに過ぎた人にもお奨めの1作です。そして、マサラ・ムービーに抵抗のある人も、ぜひご覧ください。(咲)


提供: メダリオン・メディア

配給: アンプラグド

公式サイト  http://www.student-no1.com

2012/インド/146/カラー/ヒンディー語

★2014年5月3日(土)よりシネマライズほか全国順次公開!



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2014年03月01日

チスル  英題:Jiseul

監督・脚本:オ・ミヨル
出演:ヤン・ジョンウォン、イ・ギョンジュン、ソン・ミンチョル、ホン・サンピョ、ムン・ソクポン、パク・スンドン、カン・ヒ

歴史から抹殺された韓国現代史最大のタブー

1948年年4月3日、南北に分割統治されていた朝鮮半島で、米国が後押しする南朝鮮だけの単独選挙に反対して、済州島の一部島民が武装蜂起する。分断国家誕生を認めることになるからだ。それに対し、米軍と韓国軍は、「海岸線5Km以外にいる人間は暴徒と見なし、無条件で射殺する」という焦土作戦を実行する。弾圧は1954年まで続き、3万人以上が無差別虐殺の犠牲になった。この「済州四・三事件」の悲劇を描いたのが本作である。

 
冒頭、祭事に使う道具が床に散らばっている。監督は、本作を事件の犠牲者や残された方への供養となる映画にしたいと、韓国の祭事方式に沿って、神位、神廟、飲福、焼紙の四つの場面で描いている。

 
<神位>(シンニィ=魂を祭る)
“霊魂を呼び起こす”という意味。映画では、194811月に戻り軍人から村人までを現在に呼び戻す。
<神廟>(シンミョ=魂がとどまるところ)
当時の生き様と彼らが死に至るまでの過程を見せる。
<飲福>(ウンボク=魂が残した食べ物を分け合って食べること)
ムドンの母が軍人に殺害され息絶える時に抱えたジャガイモを洞窟の中の人々が分け合って食べる場面とも一脈相通ずる。
<焼紙>(ソジ=神位を焼きながら唱える願い)
カメラは巫女となり、理由なく逝かれた罪のない人々の魂を慰める。65年ぶりに彼らの存在に目を向けその恨(ハン)を少しでも取り除こうという思いである。紙を燃やし供養をする事で祭事を終える。 
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(C) 2012 Japari Film

タイトルの「チスル」は、済州方言でじゃがいものこと。ハルモニ(老婆)が穴に潜む人々や兵士にじゃがいもを分け与える場面がある。ハルモニが燃やされた家屋に残ったじゃがいもを持って来て、皆で泣きながら食べた話を知った監督が脚本に入れ込んだものだ。

モノクロのシュールな映像。静かな中に激しさを秘めた映画である。
兵士たち自身が、島民に銃を向ける理由がわからず苦悩している姿から、虚しい焦土作戦であることは、しっかり伝わってきた。が、事件に至る経緯について説明が少なく、わかりづらい。映画を観た後でもいいので、ぜひ公式サイトなどで事件の歴史的背景を確認いただければと思う。

一昨年、済州島に旅した時、帰りの空港で「済州四・三平和記念館」のリーフレットを見て、初めて事件のことを知った。詳細を知りたいと思いつつ、時が過ぎ、『チスル』に出会った。
米国が、自国の主義に反攻する「危険人物」が潜んでいることを理由に攻撃し、多くの無実の庶民を犠牲にする行為は、世界各地で見られる。それが済州島でも起こっていたことを今になって知った。どんな理由があっても、武力で解決することはあってはならないと憤りを感じる。(咲)

◎受賞
2013 米サンダンス映画祭 ワールドシネマ・グランプリ受賞
2013 仏ヴュソル国際アジア映画祭 ゴールドサークル賞受賞
2012 韓国釜山国際映画祭 4部門受賞
(ネットパック賞、市民評論家賞、韓国映画監督組合賞、CGVムービーコラージュ賞)

配給:SUMOMO 配給協力:太秦/ユーロスペース
2012年/韓国/108分/B&WDCP5.1ch

公式サイト:www.u-picc.com/Jiseul
2014329日より ユーロスペースほか全国順次ロードショー

posted by sakiko at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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