2014年03月30日

俺たちの明日

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監督:中島良
脚本:岡本貴也
撮影:猪本雅三
出演:眞木大輔(不動龍)、大東駿介(小田切俊郎/トシ)、中尾明慶(横倉貴史/タカシ)、谷内伸也(柿ノ木剛)、橋本一郎(加藤新平)、武田真治(児玉源治)、平田満(君島刑事)

裏稼業で儲けている質屋「K」に泥棒が入る。これを最後に足を洗おうと思っている不動龍、トシ、タカシの3人組。龍は長い間「伝説の金貨」を探し続け、このKのどこかにあるとあたりをつけていたのだった。しかし、無人になるはずのKに次々と招かざる客がやってきて、事態はますます混乱していく。
舞台はほとんど質屋Kの店内。舞台劇にできそうな設定です。たくさんの登場人物それぞれが一癖ありそうで、面子を観てもなにかあるぞと思わせます。彼らの欲やら思惑やらが入り乱れ、話が二転三転。ラストへと突っ走ります。ほぼ男子ばかりの中で、可愛いキャバクラ嬢?の佐津川愛美さんが光っていました。(白)

2014年/日本/カラー/108分
配給:ティ・ジョイ
(C)2014「俺たちの明日」製作委員会
http://oreasu.jp/

★4月5日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
posted by shiraishi at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月28日

ある過去の行方  原題:Le Passé 英題:The Past  ペルシャ語題:gozashteh

監督・脚本:アスガー・ファルハディ(『彼女が消えた浜辺』『別離』)
出演:ベレニス・ベジョ(『アーティスト』)、タハール・ラヒム(『預言者』『パリ、ただよう花』)、アリ・モッサファ

雨のパリ。テヘランから4年ぶりに帰ってきた夫アーマドを空港で出迎える妻マリー=アンヌ。「娘たちには言ってない。前に直前に帰るのをやめたから。ホテルも予約してない」と妻。実はこの再会は離婚手続きをする為。かつて共に暮らした家に着くと、見知らぬ男の子が下の娘と遊んでいる。その男の子の父親と既に一緒に住んでいることが判明する。マリー=アンヌはメールで男がいることを知らせたというが、アーマドには読んだ記憶がない。
長女リュシーはマリー=アンヌの連れ子だが、育ち盛りを共に暮らしたアーマドになついている。リュシーは、母親が新たな男サミールと暮らし始めたのが不満だ。「奥さんもいるし、昏睡状態なのに」という。マリー=アンヌは薬局に勤めていて、妻のうつ病の薬を買いにきたサミールと知り合ったのだ。クリーニング屋を営むサミールは、客とのトラブルで妻が自殺を図ったという。女店員に事情を聞くと、不法移民の彼女は、浮気の相手が自分だと勘違いして自殺を図ったのだという。さらにリュシーが自殺は自分のせいだといい出す・・・
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(C) Memento Films Production - France 3 Cinema - Bim Distribuzione - Alvy Distribution - CN3 Productions 2013

『別離』が日本でもヒットしたアスガー・ファルハディ監督が、初めてイランを飛び出し、パリを舞台に描いた女と男の物語。『預言者』や『パリ、ただよう花』のタハール・ラヒムを起用したと聞いて、早く観たいと思っていた作品。公開が決まって嬉しい。ちなみに、夫アーマドを演じたアリ・モッサファは、『別離』の妻役レイラ・ハタミの実の夫。フランス語が堪能なことから起用したという。
『別離』同様、よく書き込まれた脚本。結局、過去の行方がどうなるのかは観客にゆだねられたまま映画は終った。またまたファルハディ監督にしてやられた。
夫が、4年前にイランに帰った理由をいいかけるが、妻は、「過去は振り返らない」とぴしゃりとさえぎる。皆が過去にこだわる中で、彼女だけは常に前を向いている。新しい男との子どもまで妊娠して、もう前に進むしかないのだけど、この潔さは見習いたい。
気の向くまま男を変える母親に振り回される子どもたちが、ちょっと気の毒。リュシーが、「お母さんの好みの男は似ている」という場面があったけど、アラブ系のタハール・ラヒムと、イラン人のアリ・モッサファ、確かに似ていて、ふっとした拍子に、今のはどっち?と思うところもあった。(タハール・ラヒムの方が美男なのに!?)

そして、舞台はフランスだけど、イランを感じさせてくれる場面もちりばめられている。
まずは、花束。イランの空港では男性も女性も花束を手に出迎える人が多い。空港で再会し、車に乗り込んだ時に、アーマドが花束を後ろの座席に置く場面があった。あ〜やっぱりイラン人!と思った瞬間。再会した時に花束を持っていた記憶がないけれど、いったいどっちが用意した花束? 
イラン人の友人がやっているカフェレストランがあって、そこは、アーマドがペルシャ語で話せる場所。「タジュリシュ(テヘラン北部の地名)行きのバス停はどこ?」なんて、久しぶりに会う友人に背後から声をかけている。友人の奥さんには、「ヴァレリア ジャン(ヴァレリアちゃん)、元気? 別れないね? ぼくたちとは違う。共通点があるもの。国旗の色が一緒」とペルシャ語で話しかけている。国旗の色が同じというから、奥さんはイタリア人らしい。
長年共に過ごした娘たちにも、時折ペルシャ語で話しかけている。
イランの家庭料理の定番「ゴルメサブジー」という煮込みを子どもたちによそうアーマド。サミールの息子ファッドに、「イラン娘と一緒になる?」といってみる。「イラン娘って?」と聞かれて、ちょっと両手をあげて踊るフリをするアーマド。
ゴルメサブジーを食べるマリー=アンヌに、「スプーンで食べろ」とスプーンを渡す。イラン人は、フォークとスプーンで食事するのだ。
先日、イラン人の友人がイランで買ってきたDVDを見せてくれた。彼は、ペルシャ語吹き替えで観たので、フランス語部分とペルシャ語部分があるのに気づいてなかった。ペルシャ語字幕版で観てみたら、ペルシャ語で話しているところには当然ながら字幕がなかった! 
と、こんな具合にイラン好きにも楽しめる映画になっている。
登場人物一人一人の置かれた立場による「今」の捉え方が違うのも楽しみながら、謎解きをぜひどうぞ! (咲)

2013年/仏・伊/130分/仏語・ペルシャ語/ビスタ/カラー/ビスタサイズ
配給:ドマ、スターサンズ
公式サイト:http://www.thepast-movie.jp
★2014年4月19日(土)よりBunkamura ル・シネマ、新宿シネマカリテほか全国順次公開

2009年9月、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で『彼女が消えた浜辺』が『アバウト・エリ』のタイトルで上映された折に来日したアスガー・ファルハディ監督にお話を伺いました。
作品作りへの思いの根底にあるものは、今も同じだなと感じます。
アスガー・ファルハディ監督インタビュー
http://www.cinemajournal.net/special/2010/about_elly/index.html


タグ:イラン
posted by sakiko at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月23日

ダブリンの時計職人   英題:PARKED

監督:ダラ・バーン
出演:コルム・ミーニー、コリン・モーガン、ミルカ・アフロス

ロンドンで職を転々としたあげく失業し、故郷アイルランドのダブリンに帰ってきた時計職人のフレッド(コルム・ミーニー)。生家はすでに人の手にわたり、車上生活を余儀なくされる。落ち着いた先は、生家近くの海辺の駐車場。先に駐車場に住みついていた青年カハル(コリン・モーガン)が声をかけてくる。カハルは裕福な家の息子だったが、父親に疎外され家を出てドラッグに走っていた。

ある日、フレッドはカハルと共に出かけたプールで知り合ったジュールス(ミルカ・アフロス)という中年女性に一目惚れする。彼女に会いたくて水泳教室に通い、ついに彼女の家に招かれる・・・
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海沿いの駐車場を舞台に繰り広げられるなんとも切ない物語。

どん底までいっても、身ぎれいにして、なんとか生きていきたいというフレッドの姿がいじらしい。
フレッドが一目惚れしたジュールスは、ヘルシンキ出身のフィンランド人で、アイルランド人の建築家と結婚してダブリンに来たけれど、夫は他界。夫との思い出に浸りながら、故郷から遠く離れた地に取り残された身をあんじている。だからといって、知り合ったフレッドに寄り添うこともない。父親や兄からダメ人間の烙印を押された青年カハルの運命も悲しい。
3人の人生は、世界のどこにでもありえるもの。ホームレスに陥った二人は、現代社会の歪を象徴しているよう。未亡人となったジュールスの姿からは、愛する人が亡くなっても、元気を取り戻して一人で生きていかなければ・・・ということを切実に感じさせられた。(咲)

ミッキーの毎日・映画三昧

http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/390678143.html

2011
/アイルランド、フィンランド/90
配給:アップリンク  
後援:アイルランド大使館
公式サイト:http://www.uplink.co.jp/dublin/
2014329日(土)より新宿K's Cinema 、渋谷アップリンク他全国順次公開

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2014年03月22日

夢は牛のお医者さん

監督:時田美昭(TeNYテレビ新潟)

ナレーション:横山由依(AKB48

音楽:オトノハコ 歌:Uru


久しぶりの再会を喜びながら、小学校の校庭に埋められたタイムカプセルを掘り出す大人になった同級生たち。そこに書かれた将来の夢「牛のお医者さん」を実現させた高橋知美さん。本作は、27年にわたって彼女を追ってきた新潟のローカルテレビ局の時田美昭ディレクターが、これまでに撮りためたものを映画化したもの。

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時田美昭監督

撮影 ウッキー・プロダクション


発端は、昭和62年(1987年)春のこと。新潟県の豪雪地帯・松代(まつだい)町にある莇平(あざみひら)小学校で、その年、新入生がいないのは寂しいと、牛3頭を迎えて入学式が行われたのをローカルニュースとして取り上げる。その後も素朴な木造校舎と生徒たちに惹かれて、牛の卒業式など取材を続けていたところ、たった9人しか生徒のいない小学校がいずれは廃校になると知り、廃校まで追いかけることに。その9人の生徒の中の一人が高橋和美さん。当初は彼女だけに焦点を当てたわけではなかった。

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CTeNY

新入生の牛のうちの1頭、強子(つよし)を担当した和美さん。3頭が卒業後、当時コメ農家で数頭の牛も飼育していたお父さんに、誕生日プレゼントに子牛をおねだりする。和美さんが子牛を連れて散歩する姿は村でも評判に。そうして芽生えた「牛のお医者さん」になる夢。そうはいっても、獣医への道は険しい。時田ディレクターは、ある時、和美さんが高校3年間テレビを見ない覚悟で猛勉強していることを知る。こうなったら、獣医になるまで和美さんを追いかけると決めた瞬間だった・・・

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CTeNY


大学合格、そして獣医の国家試験合格と折に触れて「ズームイン!!SUPER」で放送。晴れて獣医になったばかりの春、「ようやく夢のスタートラインに立っただけ」と語る和美さん。時田ディレクターは、さらに和美さんを追い続ける。結婚し、子育てをしながら家畜の獣医を続ける知美さんの頼もしいこと! 


夢を明確に持てば、夢は実現することを、和美さんは教えてくれる。

子どもたちはもちろん、子どもたちに将来の夢を持たせる立場にある先生や、親たちにもぜひ観ていただきたい一作。

大人になって自分が何をしたいのかを決めるきっかけって、案外ささいなもの。和美さんの場合は、先生たちが牛を新入生として入学させたことだった。私自身を振り返ると、外国に興味を持たせてくれたのは、神戸という土地柄もあるけれど、小学1年生の時に英語学校に通わせてくれた母。そして、小学校5・6年の時の担任だった先生が、勉強に飽きると地図帳を開いて地名探しをさせてくれたこと。その時に、妙に気になったのが、イランという国の名前。関西弁だと、「いらない」という意味だ! 私には和美さんのような根性はないから、研究者になったわけでもないけれど、好きを極めて楽しい人生をおくっている。これから大人になる子どもたちには、ぜひ早く自分の夢を見つけてもらいたい。(咲)


ミッキーの毎日・映画三昧

http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/390090447.html

製作著作:TeNYテレビ新潟

協力:日本テレビ「NNNドキュメント」

配給宣伝協力:ウッキー・プロダクション
2014年/86分/カラー/ドキュメンタリー

公式サイト:http://www.teny.co.jp/yumeushi/

2014329日(土)東京(ポレポレ東中野)・新潟3館 同時公開!他全国順次


posted by sakiko at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

曹操暗殺 三国志外伝 (原題:銅雀台 英題:THE ASSASSINS)

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監督:チャオ・リンシャン
脚本:ワン・ビン、ワン・ハイリン
撮影:チャオ・シャオティン
美術監督:種田陽平
音楽:梅林茂
出演:チョウ・ユンファ(曹操)、リウ・イーフェイ(霊雎/貂蝉)、玉木宏(穆順)、アレック・スー(献帝)、伊能静(伏皇后)

劉備・孫権に破れた「赤壁の戦い」から12年後。曹操は復活し魏の実権を掌握、銅雀台に君臨していた。
ただの飾りとなってしまった後漢の献帝と彼を支持する人々は憤りを募らせていた。一方、混乱の中で騎馬隊に連れ去られた幼い子供達は、強いものだけが生き残れる過酷な環境で育ち、暗殺者として鍛え上げられていった。穆順(ぼくじゅん)は宦官として、霊雎(れいしょ)は美貌の侍女として、曹操の近くへと送り込まれる。

中国の歴史の一部として、また読み物や芝居として親しまれてきた三国志。冷血な悪役のイメージが強い曹操ですが、知将として人気が高いようです。長身のチョウ・ユンファが豪奢な衣裳をまとうと、辺りを払う貫禄があります。登場人物の多い歴史物は入り組んでわかりにくいことがありますが、本作は曹操にスポットを当て、高みへ上り詰めた人間の厳しさと孤独を垣間見せます。幼馴染として育つ男女に、中国のリウ・イーフェイと日本の玉木宏という意外な組み合わせ。目的を遂行するためにだけ育てられた2人の純粋さを体現して、泥の中に咲く蓮のような気高さがありました。(白)

2012/中国/カラー/108分/シネスコ
配給:アルケミーブラザース
(C)2012 CHANGCHUN FILM STUDIO GROUP CO,LTD.
http://sousouansatsu.com

★3月22日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
posted by shiraishi at 00:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする