2014年01月26日

『MIA ミア』  原題:BORN OF WAR

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監督:ヴィッキー・ジューソン

出演:ソフィア・ブラック=デリア、ジェームス・フレイン、リディア・レオナルド、ジョーイ・アンサー、マイケル・ブランドン

 

1988年、アフガニスタン北東部のワハーン回廊。抵抗活動をしているカリドたちを敵対するソ連が攻撃し、カリドの一人息子ムサブが亡くなる。旅行中に強盗に襲われ一文無しになったところをカリドに助けられ、ムサブの子守をしていた白人女性のダフネ。カリドたちの潜伏先を密告したのではと疑われ、殺されそうになるが、なんとか英国に逃れ、身元を変えて暮らし始める。

時は流れ、ダフネが元軍人の夫や娘ミアとディーと暮らす家が武装グループに襲われる。ダフネと夫が亡くなる。遺されたミアは、MI6(英国秘密情報部)職員オリビアから、自分はカリドがダフネをレイプして出来た子だと聞かされる。テロリストのカリドを捕らえる為、おとりになることを決意し、ミアはワハーン回廊に赴く・・・

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(C) 2013 Born of War Ltd. All Rights Reserved
 (背景はアンマンの町並みのようです)

ワハーン回廊という懐かしい響きに、アフガニスタンでロケしたはずはないので、さて、どこで撮影?と資料を読まずに観てみたら、トルコ風の大きなモスクの下に「ワハーン回廊」の文字。続いて空撮された町並みはまぎれもなくヨルダンの首都アンマン! (後で確認したら、ヨルダンとキプロスでロケとありました。) 
服装はシャルワール・カミーズにパシュトゥーン族のターバンと、アフガニスタンらしさを出しているのですが、ちらっと見える店の看板や道路標識にアラビア語が・・・ (まぁ映画ですから、ご愛嬌) カナダののどかな山奥の風景が出てくるのですが、実はそれこそ、私が以前、ワハーン回廊に行った方たちから見せてもらった映像そのものでした。タジキスタンとパキスタンの間に、盲腸のように細長く入り込んだのがワハーン回廊。パキスタン北部をハイキングしているうちに、知らない間にアフガニスタン領内に入っていたそうです。
イスラームの武装組織といえば、テロリストのイメージが植え付けられてしまっていますが、この映画では、カリドたちは実は自分たち民族が平和に暮らせるようにと、石油利権を持つ者たちに抵抗していることが明かされます。緊張感溢れるアクション映画に、今の世界が抱える問題も盛り込んであり、好感度アップ。
こんな骨太の娯楽映画を作ったのが、女性監督と知って、びっくり。そういえば、ミアに向ける眼差しが、どこか優しいのは女性ならではでしょうか。(咲)


2013
年/イギリス/ カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタルステレオ/約108

配給:日活・AMGエンタテインメント

201421日(土) 新宿シネマミラノ他ロードショー

公式サイト: http://mia-movie.jp



 

 

 

 

 

 

 

 



posted by sakiko at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウルフ・オブ・ウォールストリート(原題:THE WOLF OF WALL STREET)

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監督:マーティン・スコセッシ
原作:ジョーダン・ベルフォート
   「ウルフ・オブ・ウォールストリート」/「ウォール街狂乱日記」(早川書房刊)
脚本:テレンス・ウィンター
撮影:ロドリゴ・プリエト
出演:レオナルド・ディカプリオ(ジョーダン・ベルフォート)、ジョナ・ヒル(ドニー・エイゾフ)、マーゴット・ロビー(ナオミ)、マシュー・マコノヒー(マーク・ハンナ)、ジョン・ファヴロー(マニー)、カイル・チャンドラー(パトリック・デナム)、ロブ・ライナー(マックス・ベルフォート)、ジャン・デュジャルダン(ジャン=ジャック・ソーレル)
 
22歳でウォール街の投資銀行に入社したジョーダン、上司のマークに証券ゲームで生き残る術を教えられる。肝に銘じたジョーダンが資格を取り、ブローカーとして一歩踏み出したその日が1987年10月19日。なんとあのブラックマンデー!株価の大暴落で会社は倒産、失業してしまった。めげずに今度はペニー株(小額のクズ株)を売るいかがわしい会社に入り、持ち前の話術とアイディアでのし上がっていった。
高級車を乗り回せるようになったころ、ドニーを相棒に自分の会社を設立した。26歳でガレージの事務所から始まった仕事は、富裕層を相手にますます拡大し、違法もなんのその、ジョーダンのカリスマ性はますます磨かれていく。

貯金ゼロから 年収49億円
ヤバすぎる人生へ、ようこそ。

これが実話を元にしているというのに仰天しました。いかに顧客を取り込むか、手放さないか、がカギ。株が上下して泣くのは顧客。証券会社はどっちにしろ手数料で儲ける、と最初に手の内を明かします。お金も馬鹿騒ぎ(クスリと酒とSEX)も際限がなくなる狂乱の日々が続きます。こんなに大胆不敵なディカプリオは初めてです。変幻自在なジョナ・ヒル〈面白い〜)を相手にテンションMAX。やってることは最低なのに憎めない魅力をふりまいています。めまいがしそうなころ登場するカタブツのFBI捜査官にホッ。3時間もある作品だとは観終わってから気づきました。これはR18ですよね?それ相応の報いはやってくるものの、ヤバ過ぎて未成年にはちょっと・・・。(白)

 
アメリカ/179分/シネスコ/サラウンド5.1ch
配給&宣伝:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
c2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved. 

★1月31日(金) 全国ロードショー!
http://www.wolfofwallstreet.jp/

画像を追加します。史上初!東証での記者会見!
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posted by shiraishi at 03:18| Comment(3) | TrackBack(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ソウルガールズ』 原題:The Sapphires

オーストラリアの先住民、アボリジニー初の女性4人組ボーカルグループ<サファイアズ>の実話を元にした作品。公開はすでに始まっていますが、お薦めの作品なので紹介します。

2014年1月11日(土)公開
ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、109シネマズ川崎、京都シネマ、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸ほかで公開

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(C) 2012 The Sapphires Film Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Goalpost Pictures Australia Pty Ltd, A.P. Facilities Pty Ltd and Screen NSW.

*ストーリー

1968年頃のオーストラリア、アボリジニー居住区に暮らすゲイル、シンシア、ジュリーの三姉妹と従姉妹のケイは幼い頃より歌が大好きで、カントリーミュージックを歌いながらスター歌手になることを夢見ていた。しかし、地元のコンテストに出場しても、根強い差別意識から露骨に落選させられる(1975年の人種差別禁止法によって、白豪主義の時代は終わっていたのだが)。
彼女たちは、なんとかこの状況から抜け出てミュージシャンとして活躍したいと思っていたが、このコンテスト会場で、ソウルミュージック好きの自称ミュージシャン、デイヴと出会い、ソウルミュージックに目覚め、音楽活動を始める。
アメリカの黒人の魂の叫びといわれるソウルミュージック。彼女たちも、オーストラリアでの自分たちの立場に重ね合わせ、思いを歌い上あげる。
ベトナム戦争真っ只中のベトナムへのアメリカ軍兵士慰問の音楽の旅。
優しいけど力強いサファイアズの歌は、たちまち兵士たちの人気に。
アボリジニーたちが暮らす原野の中の居住区、白人との混血児を隔離した政策、その中で生きる人々の姿も描かれ、オーストラリアの現代史が伝わってくる。
差別を乗り越え、歌手になる夢を実現した<サファイアズ>の姿は、見る人へ力強いメッセージを投げかけてくる。

*映画を観て

アボリジニーの歌が大好きな少女たちが、歌手を目指して人生を切り開いていく姿が勇気を与えてくれる。久しぶりに感動する作品でした。

1990年、私が初めて行った海外がオーストラリア。西オーストラリアのパースという町に住む友人を訪ねて、2週間の滞在をした。その時、オーストラリアではカントリーミュージックがかなり歌われていた。そして、カウボーイハットにジーンズなどカウボーイスタイルの人が街を歩いていた。なんだかアメリカ西部の街にでも来てしまったような感じがしたのを覚えている。私もカントリーミュージック好きで、1970年代にはよくカントリーミュージックのライブハウスに通っていたので、とても懐かしく嬉しかったのを覚えている。
なので、この作品を見たとき、アボリジニーの少女たちまでもがカントリーミュージックにあこがれていたんだと驚いた。そんな彼女たちが、ソウル音楽と出会って、自身のアイデンティティに目覚めるシーンはジーンとした。
それにしても、ここに描かれた主な活躍の場はベトナム戦争の真っ只中のベトナムのアメリカ軍前線基地(オーストラリア軍ではなかった)。ベトナムでの軍事慰問から帰ってからのオーストラリアでの活躍は描かれていなかったけど、どうだったのだろうか。
ソウルフルな彼女たちの歌声の数々が流れ、とても素晴らしい音楽映画だった。それに、オーストラリアでのアボリジニーへの差別の実体も描かれ、『裸足の1500マイル』でも描かれた、白人との混血児を親から離した政策のことも改めて思い出した。
1990年のパースの街では、アボリジニーのストリートミュージシャンが、ディジリドゥというアボリジニー独特の尺八を大きくしたような楽器を吹いている姿が印象的だったけど、その当時も差別のため、アボリジニーはなかなか仕事に就けない状態だった。

そして、保護政策という名の給付金で生活するアボリジニーの人たちのアルコール中毒が問題になっていた。もう23年も前のことだけど、今はどうなのだろうか…。(暁)


監督:ウェイン・ブレア
製作:ローズマリー・ブライト カイリー・デュ・フレズネ
製作総指揮:ボブ・ワインスタインハーベイ・ワインスタイン


キャスト
デイヴ役:クリス・オダウド
ゲイル役:デボラ・メイルマン
ジュリー役:ジェシカ・マーボイ
ケイ役:シャリ・セベンズ
シンシア役:ミランダ・タプセル


製作年 2012年/オーストラリア /配給 ポニーキャニオン/98分
『ソウルガールズ』公式HP http://soulgirls.jp/

posted by akemi at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする