2014年01月12日

さよなら、アドルフ   原題:LORE

監督・脚本:ケイト・ショートランド

原作:レイチェル・シーファー著 小説「暗闇のなかで」

出演:サスキア・ローゼンダール、カイ・マリーナ、ネーレ・トゥレープス、ウルシーナ・ラルディ、ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー


1945
年春、第二次大戦敗戦直後のドイツ。14歳の少女ローレ。ナチ親衛隊高官だった父が連合軍に連行される。母も「誇りを失わないで」と言い残して出頭する。自分が戻らない時には、幼い妹や弟たちを連れて祖母の家に行くように託された長女ローレ。父の形見の時計と母が大事にしていた鹿の置物を携えて、900キロ離れた北ドイツ・ハンブルグにある祖母の家を目指すが、それは苦難に満ちた旅だった・・・

 

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(C)2012 Rohfilm GmbH, Lore Holdings Pty Limited, Screen Australia, Creative Scotland and Screen NSW.

 

アメリカ、イギリス、フランス、ソ連に分割統治され、通行禁止区域もある。連合軍に呼び止められたローレを助けた青年トーマス。身分証には黄色いダビデの星。助けてもらったのに、その後、「嘘つき! ユダヤ人だもの」という言葉を浴びせるローレ。親や学校からどんな影響を受けて育ったかがわかる言葉である。

ある時、ローレは父と同じ制服を着たナチの幹部が誇らしげな顔で山積みにされた遺体の前に立った写真を目にする。家では優しかった父が、同様のことをしていたとは信じられない思いだろう。祖母からも「お父さんは正しいことをしたの。恥じなくていい」と言われるが、心の葛藤をどうすることもできない。国家の方針に従ったまでと思いたくても、残虐な行為であることには違いない。戦争が終わって、ドイツ国民の中にも、いろいろな立場の人がいて、お互い思っていることをストレートにはぶつけられないでいたのではと思う。

主要キャストにドイツ人俳優を起用し全編ドイツ語で製作されているが、ケイト・ショートランド監督はオーストラリア人。外国人という部外者だからこそ描けたものなのだと思ったら、監督の夫はドイツ系ユダヤ人だという。となると、ちょっとまた複雑な思いがする。

アドルフ・ヒトラーの呪縛から解き放たれていく少女ローレの姿を描いた本作。『さよなら、アドルフ』という邦題はなかなか的を得たものだと思った。権力者の思惑で加害者となってしまった人たち、そしてその子どもたちもまた、戦争の被害者であることをつくづく思う。(咲)
 

ミッキーの毎日・映画三昧

http://mikki-eigazanmai.seesaa.net/article/384378982.html


2012年/オーストラリア=ドイツ=イギリス/109分/アメリカンヴィスタ/5.1ch配給:キノフィルムズ
2014111日(土)、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次ロードショー!
公式サイト:http://www.sayonara-adolf.com/

ラベル:ナチス ヒトラー
posted by sakiko at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | オーストラリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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