2018年02月25日

ザ・シークレットマン(原題:Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House)

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監督・脚本:ピーター・ランデズマン
原作:マーク・フェルト、ジョン・オコナー
撮影:アダム・キンメル
出演:リーアム・ニーソン(マーク・フェルト)、ダイアン・レイン(オードリー・フェルト)、マートン・ソーカス(L. パトリック・グレイ)、アイク・バリンホルツ(アンジェロ・ラノ)、トニー・ゴールドウィン(エド・ミラー)

1972年5月、長年FBIに君臨してきたフーバー長官が急死、長官代理には次期長官かと思われていたマーク・フェルト副長官ではなく、ニクソン大統領に近いパトリック・グレイが就任した。
6月17日、ワシントンDCの民主党本部に侵入した男たちが逮捕された。盗聴器を仕掛けた彼らは再選を前にしたニクソン大統領政権と関わりのあることがわかる。フェルトを中心に捜査が始まるが、ホワイトハウスは無関係としてグレイ長官代理を通じて捜査に圧力をかけてくる。これに反発するフェルトは、秘かにマスコミに捜査情報を流し始める。

1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまで、機密情報を提供し続けた者は「ディープスロート」と呼ばれ、長く正体不明でした。事件からおよそ30年経った2005年、当時FBI副長官だったマーク・フェルトが自分だと雑誌の記事を通じて公表しました。ホワイトハウスはフェルトがディープスロートであることを突き止めながら、波及を怖れて口を閉ざしていたそうです。それほどFBIが握っていた重要人物の秘密が多かったということでしょう。いやはや闇は深い。
フェルトのプライベートな部分も描かれていたので本人の画像を探してみましたら、銀髪のスマートな方で、演じたリーアム・ニーソンのイメージも近いです。彼は60代半ばというのに最近アクションものの出演が目立ちますが、誠実で頼りがいがありそうだからでしょう。『シンドラーのリスト』(1993)も忘れられません。彼が出てくると安心という点でトム・ハンクスと双璧の男優さん。

ウォーターゲート事件を題材にした作品をあげておきます。
『大統領の陰謀』(1976)アラン・J・パクラ監督。
主人公は事件を取材する記者たち、ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード主演。
『ニクソン』(1995)オリバー・ストーン監督、アンソニー・ホプキンス主演。
『フロスト×ニクソン』(2005)ロン・ハワード監督

3月30日に公開のスティーヴン・スピルバーグ監督最新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)はニクソン政権の1971年、ベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文書を暴露したジャーナリストの実話を元にしています。合わせてご覧ください。(白)


2017年/アメリカ/カラー/シネスコ/103分
配給:クロックワークス
(c)2017 Felt Film Holdings.LLC
http://secretman-movie.com/
★2018年2月24日(土)新宿バルト 9 ほか全国ロードショーー
posted by shiraishi at 16:27| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

花は咲くか

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監督:谷本佳織
原作:日高ショーコ
脚本:高橋ナツコ
撮影:上野彰吾
音楽:加藤亜祐美
出演:渡邉剣(水川蓉一)、天野浩成(桜井和明)、塩野瑛久(藤本浩輝)、小原唯和(水川菖太)、水石亜飛夢(岩崎竹生)、本宮泰風(吉富桔平)

広告代理店勤務の桜井は37歳。CM撮影で訪れた古民家に暮らす無口な美大生蓉一と出会う。蓉一は他人に興味がなく、同居している従兄弟たちにしか心を開かなかった。しかし、初めて会った桜井が自分の絵を理解してくれたことから、言葉を交わすようになる。19歳になる蓉一初めて他人へ強い想いを抱く。。年上の桜井はまっすぐ気持ちをぶつけてくる蓉一を好ましいと思うものの、同性であることや年の差、自分の立場を考えてしまい蓉一の気持ちに応えられない。そんなとき同じ美大生の藤本が蓉一に積極的にアプローチしてくる。

原作は2006年に連載が始まった日高ショーコさんのBLコミック。初めての恋にとまどう蓉一、大人ゆえに逡巡する桜井。性別に関わらず同じようにじれったい恋の始まりとそれからを丁寧に描いています。蓉一役はジュノン・スーパーボーイからジュウオウジャー出身の渡邉剣、桜井役の天野浩成も仮面ライダーシリーズ、藤本役の塩野瑛久はキョウリュウジャーと戦隊物出身、従兄弟たちもイケメン揃い。撮影当時まだ中学生だった小原唯和くんが可愛いです。
舞台となる日本家屋の佇まいも映画の雰囲気に一役も二役もかっています。木立に囲まれ、広い庭を眺められる縁側があって・・・こんな家に住んでみたい。いや、親が元気で待っている実家ならもっといいなと妄想してしまいました。スタッフをみると監督・脚本を始め、半分以上が女性です。BL作品未体験の方には特にお奨めの繊細な純愛ドラマです。蓉一と桜井は2人で庭に花の種を植えるのですが、さて花は咲くのでしょうか?(白)


2017年/日本/カラー/シネスコ/88分
配給:東映ビデオ
(C)2018東映ビデオ(C)日高ショーコ/幻冬舎コミックス
http://hanawasakuka-movie.com/
★2018年2月24日(土)ロードショー
posted by shiraishi at 13:31| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハッピーエンド  原題:HAPPY END

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監督・脚本: ミヒャエル・ハネケ(『愛、アムール』『白いリボン』)
出演: イザベル・ユペール、ジャン=ルイ・トランティニャン(『愛、アムール』)、マチュー・カソヴィッツ、ファンティーヌ・アルドゥアン、フランツ・ロゴフスキ、ローラ・ファーリンデン、トビー・ジョーンズ

カレーの瀟洒な邸宅。ブルジョワジーのロラン家の3世帯が暮らしている。家長のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は建設業を営んでいたが引退し、今は娘アンヌ(イザベル・ユペール)が家業を継いでいる。アンヌの息子ピエール(フランツ・ロゴフスキ)は専務として母のもとで働いているが、ビジネスには不向きな性格だ。アンヌの弟トマ(マチュー・カソヴィッツ)は家業を継がず、医師として働いている。再婚した若い妻アナイス(ローラ・ファーリンデン)との間に幼い息子ポールがいる。幼い娘のいるモロッコ人のラッシドとその妻ジャミラが、使用人として住み込んでいる。
ある日、トマの別れた妻が薬物中毒で入院し、13歳の娘エヴがこの大家族に加わる。ほどなくジョルジュの85歳の誕生会が開かれる。あることをきっかけに、ジョルジュと孫娘エヴはお互いの秘密を打ち明けあう・・・

カレーといえば、ドーバー海峡をわたってイギリスに行こうとする難民・移民が多く滞在している町。でも、ロラン家は、彼らのことなど気にかけることもなく、それぞれが自分のことしか考えていない。大家族で食卓を囲んでも、会話がはずむわけでもない。映画の冒頭も、スマホで撮った動画から始まるが、今や、目の前にいる生身の人ではなく、スマホが対話の相手。この屋敷の中では、使用人のモロッコ人一家だけが、家族のぬくもりを感じさせてくれる存在。
ハネケ監督が描いたロラン家の人々は、まさに今の社会にはびこる、自己中心で、他人に無関心どころか、他者を排除する風潮を象徴したような一家。ブラックユーモアに満ちていて、タイトル『ハッピーエンド』の意味するところは何なのか、見終わって、しばし考えてしまいました。(咲)


2017年/フランス・ドイツ・オーストリア/107分/カラー/アメリカンビスタサイズ
配給・提供:ロングライド 提供:KADOKAWA
(C) 2017 LES FILMS DU LOSANGE - X FILME CREATIVE POOL Entertainment GmbH - WEGA FILM - ARTE FRANCE CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - WESTDEUTSCHER RUNDFUNK - BAYERISCHER RUNDFUNK - ARTE - ORF Tous droits reserves
公式サイト:http://longride.jp/happyend/
★2018年3月3日(土)角川シネマ有楽町ほか全国順次公開




posted by sakiko at 09:35| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月20日

ナチュラルウーマン 原題 Una Mujer Fantastica/A Fantastic Woman

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監督:セバスティアン・レリオ
製作:フアン・デ・ディオス・ラライン,パブロ・ラライン
製作総指揮:ジェフ・スコール,ジョナサン・キング
出演:ダニエラ・ベガ,フランシスコ・レジェス,ルイス・ニェッコ 他

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愛する人に最期、もう一度会いたい
ウェイトレスをしながらナイトクラブでも歌っているマリーナは年の離れた恋人オルランドと暮らしていた。マリーナの誕生日を祝った夜、自宅のベッドでオルランドは急死… 最愛の人を失った悲しみの最中にも関わらず、マリーナはトランスジェンダーであるが故に容赦のない差別や偏見を浴びせられる… ふたりで暮らしていた部屋から追い出され葬儀にも参列させてもらえない--

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自分らしく生きたいと願う すべての人へ贈る人生賛歌
ヒロインを演じるのは自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ヴェガ。トランス女優として初のオスカーノミネートもささやかれる注目のひとです。とても綺麗で外見も中身も女性そのものなのに、時折ふと見せるオトコの部分が面白い。私は生育した環境のためか周囲に割と同性愛者が多いほうで、散々差別を見てきたが、日本に限らず、あんな明るいイメージのラテン・アメリカでもゲイに対する酷い差別は存在してるんですね、ちょっとビックリ…、それでも自分の生き方を変えず、ノンケに負けず、深い想いを貫く姿は感動的。人間が人間を愛して何が悪いんだ!! 心の中で叫んだ私。理不尽な現実を乗り越えて前向きに生きるマリーナに共感します。 (千)

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C)2017ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA
2017年/チリ・アメリカ・ドイツ・スペイン/104min. 配給:アルバトロス・フィルム
公式 http://naturalwoman-movie.com/
★2018年2月24日(土)より恵比寿ガーデン・シネマほか全国順次公開


posted by chie at 00:00| Comment(0) | チリ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

レオン

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監督:塚本連平(『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』『かずら』)
脚本:吉田恵里香(『ヒロイン失格』『リベンジgirl』)
原作:清智英・大倉かおり「レオン」(講談社KCデラックス)
エンディングテーマ:「Magnet」Awesome City Club(ビクターエンタテインメント/コネクトーン)
出演:知英、大政絢、吉沢亮、斎藤慎二(ジャングルポケット) ミッツ・マングローブ / 原幹恵 河井青葉 山崎育三郎 / 竹中直人

小鳥遊玲音(たかなし・れおん)。朝比奈フーズの派遣OL。美人でナイスバディなのに、地味で目立たない。
朝比奈玲男(あさひな・れお)。朝比奈フーズのワンマン社長。創業30年、有機にこだわり年商500億に育て上げた。大の女好き。

消極的な玲音に、やっと出来た彼氏は会社のイケメン税理士。身も心も捧げたのに、つれなく振られてしまった日、会社までクビになってしまう。茫然自失で歩いていたところに、車が突っ込んでくる。朝比奈玲男社長が運転中に気を失ってしまったのだ。病院に担ぎ込まれる二人。翌朝、目覚めた玲男は我が身を見て、びっくり! 心は玲男のままなのに、身体は女性に。小鳥遊玲音と身体が入れ代わってしまっていた・・・

スタイル抜群の美女・小鳥遊玲音を演じる知英は、K−POPのガールズグループ「KARA」の元メンバー。目立たない派遣OLが、一転、ワンマン社長のキャラになって、いばりまくります。日本語も、とても自然。
一方の、しとやかな女性の心になってしまった朝比奈玲男社長を、竹中直人が身体をくねらせて熱演。(竹中直人、こういう役、大好きですよね!) 抱腹絶倒のコメディーですが、交通事故の裏には、会社乗っ取りの陰謀があったり、玲音を振ったイケメン税理士の裏の顔が明かされたりと、社会勉強させてくれます。 男と女が、心と身体が入れ替わる物語、よく題材にされるけど絶対ありえない。でも、素直に楽しみました♪(咲)


2018年/日本/100分/カラー
配給:ファントム・フィルム
公式サイト:http://reon-movie.com/
★2018年2月24日(土) 新宿バルト9ほか、全国ロードショー

posted by sakiko at 09:23| Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする